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天啓の雲   作者: 古寂湧水 こじゃく ゆうすい
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三流大学三流不動産販売会社の元社員が日本の国家予算の3倍の900兆円を稼ぎ出す、一発逆転の勝ち組の物語です。

K国に持っていかれた対馬の仏像を奪い返して、ロシアを叩き潰し北方領土も取り返します。

お香屋をやっていて五年程経つが、仕入価格が三倍に値上がりになり、販売ができなくなり終了をしてしまった。


次に何をやろうか思案中に、小さくて狭い一戸建ての自宅にかなり大きくても幼さが残る二歳程度の犬が迷い込んできた。


とてもパワフルで外見は怖そうだが呼んだら尾を振って近くにやって来た。


私も犬好きなので、インターネットで世界の犬の種類をいろいろと見ているが、これは護畜犬のアラバイと四国犬のミックスのようである。


でも大きい、すでに60㎏はありそうな感じである。


金もないのに、こんな大飯喰らいのバカでかいのを飼えるのかな。と思ったがでも面白そうで、なんか将来にツキがあるように感じられたので試しに、ちょうど年末の有馬記念に当たったら飼ってもいいかなと思った。


当たっても外れても、連勝複式いわゆる枠連の一点勝負である。

犬を近くに呼んで、「いいか当たったらお前を飼ってやる。ハズレたらここから出て行くんだんだ。


2

今は汁かけ飯しかあげられないが、ドッグフードになるかもしれんのだ。気合を入れて来そうな馬を教えろ」人気順に読み上げても全く反応がない「いいか飯だぞ、飯がかかっているんだぞ。」


5番人気キタキタテイオー武豊騎乗と8番人気オムライス安藤勝己騎乗で37倍枠連5-6で・・・ウォンウォンと尾をさかんに振ってきた。


「おまえこれ人気薄だぞいいのか」と目を見たら、強い意志で鋭い目つきをした。


「よし1点勝負で2万円買うぞ、勝ったら74万円ゲットでどうやら年を越せる。それにしてもこの犬、俺の言葉が全部わかっているようで不思議な感じだ。


よっしゃ明日の日曜日に錦糸町の場外に行ってくるけど、当たったらドッグフードを買ってくるからな。」


次の日の昼頃に寒空の中、船橋駅から錦糸町駅に降り立った。相変わらず懲りない面々が、1年最後の運試しに来ている。


3

1点勝負の馬券を買い、近くの喫茶店でテレビ観戦である。周囲は競馬新聞と赤ペンを持ち、自説をブツブツ独り言をはいているものが多い。


やっとメインの有馬記念の場面になった。パドックでは人気馬3頭が仕上がりが順調で、ほれぼれするような馬体と気合をみせていた。


狙い目のキタキタテイオーとオムライスはどこか影が薄い感じで、安藤勝己騎乗のオムライスは逃げ馬なのに胴体が太く短足でまるでカバのような感じで、パドックを見ているファンも失笑しているのが多い。


「こんな馬最初にペケで消し」という声もしている。私は犬の強い意志を感じて買ってしまったが、不安になってしまった。


ファンファーレが鳴って各馬いっせいにスタートをした。安藤勝己のオムライスは好ダッシュを見せまさかの大逃げをかまし、1週目の向こう正面で2位とは20馬身差である。


「あれ~」っという表情が多い。「あのカバ馬狂ったのか」なんていう言葉も聞こえる。


4

「どっちみち、タレちゃうだろう」向こう正面で10馬身差に追い上げられ、3コーナーから4コーナーにかけて1馬身差に並ばれてきた。武のキタキタテイオーもいい感じで追い上げてくる。


「やばいな埋没かな」と思ったがその時に安藤勝己の水車ムチの連打につぐ連打、最後はブーツの踵についている星形のギザギザの拍車を使って、


横腹をグリグリとひっかくと馬はたまらずに「痛て~」といって鼻先をグイッと前に出したところがゴールであり見事な鼻差勝ちである。


武のキタキタテイオーが2着になり、予想通りの37倍の配当であり74万円ゲットである。私は思わず店で万歳を三唱してしまった。


ほとんどのお客さんはハズレ馬券を空中に放り投げ頭を抱えている。私だけニタニタ笑いをかみ殺して静かに店を後にした。


両替をし現金を手にして船橋駅近くのイトーヨーカドーで犬の首輪と洋犬と和犬用のドッグフード2種類を購入した。MIX犬なので混ぜたほうがいいかなと思ったからである。







日本のめぼしい百貨店やスーパーマーケットを買収して、傘下に収めます。

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