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最後列のファンタジスタ~禁断の移籍を敢行した日本人キーパーは、神秘のヴァルセロナ美少女との邂逅で超越する~  作者: 雪銀かいと@「演/媛もたけなわ!」コミックシーモア等で連載中
第四章 伝統の一戦と少女の真相

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17話

       十七


 ルアレのスローインが入った。敵6番が受けた。ヴァルサ3番は、背中からプレッシャーを掛けている。位置はヴァルサ陣地側の深いところで、一つ間違えれば失点も免れない状況だった。

 6番がふわりと右でボールを掬った。ドリブル方向はヴァルサのゴール側である。3番は即座に追い足を出した。

 しかし6番のクロスは防げない。高い弾道のボールは、十人弱がひしめくゴール前へと飛ぶ。

「キーパー!」神白はぴしゃりと叫んで、ゴールポストから離れた。真上に大きくジャンプし、両手でキャッチする。

 まだ空中の神白は前方に目をやった。敵もカウンターを警戒している様子で、ヴァルサの全選手ともマークはしっかり付いていた。

(よし! やってやる!)決断した神白は着地した。すぐにボールを右前に転がし、自分で追い掛けていく。

 ぎょっとした顔でオルフィノが寄せてきた。

(オルフィノのディフェンス能力はルアレ最弱! なら!)

 神白は覚悟を決めて、ドリブルしている右でボールを引いた。そのまま身体を時計回りに回転。その途中に左の足裏で転がした。マルセイユ・ルーレットである。

 オルフィノを突破し、神白はドリブルを続ける。すぐに7番が寄せてきた。神白は蹴り真似を入れてから、右の5番にパスした。

 5番、大きく前に蹴り7番を抜いた。8番がフォローに来るが、左方のレオンに簡単にはたく。

「一点取ってくる!」レオンは気丈に言い放ち、ドリブルを開始した。

 4番が詰めてきた。レオン、右、左と両足でリズミカルにボールを動かし、難なく躱した。突破後、わずかにタッチが大きくなり、3番が左足を出してきた。

 ちょんっとレオンはボールを浮かした。3番の足を避けて、自らもその上を跳ぶ。

「レオン!」左方では天馬が守備の裏への飛び出しを狙っている。モンドラゴンは天馬のケアで動けない。

 2番が立ちはだかった。レオンはすうっと直立姿勢になり、突如、左足外側でボールを動かした。

 2番の重心が移動した。次の瞬間、レオンは同じ足で逆に出した。この間、およそ〇・三秒。

(エラシコか! レオンのは初めて見たな。ったく、本当に何でもできるんだな!)

 神白は興奮を覚えつつ、ディフェンス後方に引いていた。2番が転倒し、残すはキーパーのみとなる。

 モンドラゴンが詰めていく。だが遅い。レオンは左足をバックスイングして撃った。

 地を這うシュートがゴールを襲う。キーパー、跳ぶが掠りもしない。

 ボールはポストをわずかに掠め、ネットに突き刺さった。

 レオンは走り出した。煽るような風に両腕を左右に開いている。吠えるかのように口は大きく開かれており、力強い瞳と相まって歓喜と興奮を感じさせる。

(よしっ! 同点! こっからだ!)喜びに沸くレオンを見ながら、神白はぐっと拳を握り込んだ。


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