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12話

       十二


 一点目を取られた後、補欠組は不安定ながらも耐えていた。だが後半始まってすぐに、主力組陣地深くからのロングフィードが出る。ボールは神白とディフェンスの中間に落ちた。

「イツキ!」全速で引きつつ16番は叫んだ。飛び出す気のなかった神白ははっとした。慌てて前に出るが、詰めてきたレオンと交錯。ボールはがちゃがちゃと、神白とレオンの足の間で出鱈目に跳ね返った。

 しかし結局、ボールは神白の後方に行った。レオンは即座に反応し、スライディング。ボールは勢いよく転がり、ネットを揺らした。〇対二。痛恨の失点だった。


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