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報告の夜



 シャワーを終えた体刀は、冒険者寮の自室の扉を開けた。



「待たせた」


「大丈夫だよ、俺の髪乾かす時間になったから」



 そう言ってへらりと笑うのは時平だ。



「寧ろもうちょい時間掛けても良いだろ体刀。烏の行水過ぎじゃねえか?」


「まあ共有だし、シャワーで長居するって感じでもないだろうしな」


「元々私は汗を流せれば良い派だ」



 犬穴と獣生の言葉にタオルで濡れた頭をガシガシ拭いつつ、己はそう答えた。

 寮は基本的に一人一部屋なのだが、一人用の部屋はとても狭い。

 その為、基本的には他の部屋に迷惑が掛かるような喧嘩をしない事を原則に、ルームシェアで二人用の部屋を借りる冒険者が多い。


 ……実際、部屋の広さがかなり変わる。


 尚自分達はただでさえクラスの皆と離れ離れで、その挙句個人部屋とか二人一部屋とか寂し過ぎる、という事で二人用の部屋を五人で共有している。

 自分達用にと大部屋を用意させるような贔屓はさせられないし、そもそも寝る時は密着して雑魚寝出来る布団スタイルなので場所の問題はほぼ皆無だ。

 今更着替えだ何だで恥ずかしがるような関係でもない。


 ……家族以上に家族のような存在相手に、恥ずかしがるという前提が無いからな。


 ペットの前で着替える事を恥ずかしがる飼い主など居ないように、そのくらいラフな関係なので問題は無い。

 元々よく皆でお泊りをしていたから違和感も無いし。


 ……寝る時は布団で床が埋まるが、起きた時に畳んで詰めば普通に活動可能であるし。


 嵩張るような品物は孤児院に預ける事にしているし、口舌と時平はともかく、己と獣生と犬穴は雑な方だ。

 なので物への執着も薄い為問題は無い。

 寮自体冒険者なら入れる為、男子寮女子寮とかも無いのが楽で良い。

 冒険者ならそのくらいは自衛で、という事なのだろう。

 実際冒険者は魔物と戦う場合もあるので、自衛能力が高い者が多いし。


 ……しかし髪は……放置しておけば良いか。


 ドライヤーで乾かそうかとも思ったが、放置しておけば乾くからそれで良いだろう。

 己の場合、時平や犬穴程の長さではないし。

 ショートヘアー様様だと思っていると、パン、と口舌が手を叩く。



「よし、揃ったところでチャットでの報告用に色々纏めようか」


「「「うーい」」」



 確かに纏まっていない状態で報告すると情報がこんがらがるので、纏めるのは大事なことだ。

 そして己と犬穴と獣生は武力行使メインなので頭脳担当では無く、時平は主張する部分以外はクラゲのようにふらりと流れに身を任せっぱなしの為、頭が回る口舌がリーダーをしてくれるのはありがたい。



「結局今日はどういう感じの武器を用意してもらうとか、決まった?」


「一応はな」



 獣生は掛けてあったウエストポーチから干し肉を出し、それを齧りながらそう答える。

 あのウエストポーチは、冒険者達が外行く時は持っとくと便利と教えてくれた為、最近町の外に出る時は常に腰に巻いているものだ。

 基本的に採取用袋は持ち歩いているし、沢山採取した時は優信経由で群光に頼んで群の兵を派遣して貰い輸送となるが、ある程度は自分達でも出来るようになった方が良いだろう。

 あと保存食とか飲み水とか、持っておくと便利なものを持ち運べるから、という理由もある。



「とはいっても俺の場合は鉈だけどな」



 獣生の言葉に、口舌は首を傾げる。



「何で鉈?」


「俺が農家で鉈を扱い慣れてるからだと思うぜ。色んな武器を試しにって握らされて、手に馴染むので作った方が良いからって事で」


「成る程ねえ。犬穴の方は?」


「元々俺はステゴロの方が得意だが、一応って事でナックルナイフになった」


「何ソレ」



 時平の問いに、己はスマホのお絵かきアプリでメリケンサックとナイフが合体したようなイラストを描く。

 指で描くので線がガッタガタだし、己自身絵が得意というわけでもないのでいまいちな出来だが、一応形としてはわかるものになった。



「こんな感じのヤツだったぞ」


「殴るも良し斬るも良しって感じだね」



 イラストを見て頷き、犬穴の方を向いて時平がそう言うと、おう! と犬穴はニッと笑った。



「……というかステゴロ上等って言いながら、犬穴って指輪ジャラジャラ嵌めてるからなあ……」


「メリケンサックつけてりゃ武器だが、指輪は装飾品なんだから素手扱いだろ。結果的に似た効果が出るってだけでよ」



 口の端を横に開き、眉を下げて笑う口舌の言葉に、犬穴はあくどい表情でそう返す。



「まあ、指輪のデザインからして故意だろうしな」


「わかってんじゃねえか体刀!」



 そこは肯定して良い部分かわからないが、犬穴が笑っているから多分良いんだろう。

 ちなみに犬穴が身に着けている指輪はゴテゴテした装飾など無い、つるりとしたシンプルなものだ。

 それこそメリケンサック染みた効果を発するだろうデザインとなっている。


 ……メリケンサックデザインというか、普通にシンプルで普段付けしやすいデザインのはずなのだが。


 まあ良いか。



「でも指輪つけてメリケンナイフって」


「ナックルナイフな、時平」


「そのナックルナイフつけたらさ、指輪の分圧が掛かって犬穴の指痛くならないかな?」


「俺もそう言ったら、寧ろ指輪でカチリと固定して力の分散減るようにしてくれるってよ! その部分をくぼませるとか何とか言ってたぜ! 地狐が解説してくれた話じゃシートベルト的な仕組みらしいから、安定感は信頼出来る!」


「あ、じゃあ安心だね」



 時平は、ほ、と胸を撫で下ろした。



「敵からすると不安だろうけど、こっちからすれば安心なのは事実かな」



 苦笑する口舌は獣生に渡された干し肉を受け取り、もそもそと齧り始める。

 獣生は肉全般好きだから良いが、口舌の好きなものは焼き肉なので干し肉を齧る顔は微妙な表情だ。

 しかし小腹は多少空いていたのか、もぐもぐと口が動く度に干し肉は口舌の唇の向こうに収納されていく。



「体刀はどうだった?」


「私の場合はやはり竹刀が手に馴染んでいるから、そのまま竹刀だ。頑丈性や攻撃力など色々細工もしてもらえるらしい」


「具体的には?」



 獣生と犬穴に視線を向けたところ目を逸らされたので、己は素直に口を開いた。



「忘れた」


「……説明聞いた時、難しかった?」


「というか私は使える武器ならそれで良いのでな……よくわからんがまあ良いか、と」


「気になった部分を訊き返したりもしなかったんだね」


「うむ」


「まあ体刀らしいっちゃらしいかなあ」



 苦笑された。



「それで絆愛……は完全に人たらし要員としての付き添いだから武器の作成予定は無いんだっけ」


「ああ。武器を作ってもらう気はないようだが、鍛冶屋の老人とは仲が良かったぞ」


「うん、体刀がシャワー浴びてる間に獣生達から聞いた。流石絆愛っていうか、知らない内に交流物凄く増えてるよねえ」



 僕達には真似出来ないから助かるけど、という口舌の言葉には全力で同意する。

 孤児院に居るジャスミンだったかは、絆愛達が大事にしている家族でもあるので一応身内のような扱いだ。

 なのでそれなりに名前を覚える気も、交流する気もある。


 ……感覚的には大事なクラスの誰かが飼っているペットみたいなものか。


 友人の家族よりも友人のペットとして認識するくらいの方が、庇護対象として認識出来る気がする。

 だがそれ以外については己の人生に影響を及ぼさないだろう人間も多いので、いちいち無駄に干渉したりはしない。

 しても面倒なだけだし。


 ……冒険者とはそれなりに話すがな。


 案内や付き添い、解説を頼んでいるわけだし、協力した方が良い相手であるのも事実だ。

 勇者業、つまり仕事上に必要な友好関係といったところか。



「あ、ところで」



 髪を完全に降ろして仰向けに寝転がっている時平の姿は、パッと見だと女子のようだ。

 そんな時平は、思い出したように言う。



「地狐は?」


「地狐は薙刀注文してたぜ。実家が旅館で和風っつーのもあって何度か触った事あるらしいし、昔うっかり俺が殴り損ねたヤツが地狐狙った時、その辺にあった鉄パイプ上手い事使ってたから。多分長物の方が合うんだろうな」



 ギャハ、と犬穴はサメのような牙を剥いて笑う。



「まあ近接っぽくはねーから、薙刀が妥当だろ! つっても多分町の外出る時くらいしか持たねえと思うけど!」


「畑作りの時に薙刀装備してても邪魔になるだろうしな」


「そーそ」



 獣生の言葉に犬穴が頷くと同時、戸が叩かれた。

 とりあえず一番近い己が戸を開けると、見覚えの有り過ぎる顔が笑みを浮かべ、片手を挙げていた。



「よーす」


「衛琉」


「泊まりに来たぜ」


「ああ、それは構わないが……」



 すん、と衛琉の匂いを嗅ぐ。

 肉体操作で嗅覚を少し強めて、もう一度。



「…………堆肥臭いな」


「そこでちゃんと堆肥って言ってくれる体刀の気遣いめっちゃ助かる」



 言いつつ、ふへぇ、と衛琉は気の抜ける息を吐いた。



「いやあ、あちこち開拓で畑増えてるのは良いけど、栄養状態が悪い土地も東側の農家地帯にゃ結構多くてさ。堆肥必須なもんだから片っ端から腐らせて堆肥作ってってやって……」


「大変だね」


「大変なのは掃潔の方だぜ、時平。寄生虫も分類としちゃ生物であり同時に病気枠でもあるって事で、掃潔の能力効くか試して、うっかり堆肥内に潜んでる寄生虫を始末出来たもんだから堆肥中の寄生虫片っ端から始末しなくちゃいけなくてメンタル大打撃」


「「「うっわ……」」」



 潔癖が多少入っている掃潔からしたら地獄の作業だっただろう。

 直接触らなくても大丈夫とはいえ、堆肥は臭いだけでもまあまあキツイのだし。



「まーそれでも安全な食い物増えるなら良い事だしな。って事で寝る前にシャワーしっかり浴びときてぇんだけど、流石に堆肥臭い服着直したりマッパでここまで移動すんのはキツイし、俺の服取ってくんね?」


「はーい」



 返事をした口舌がごそごそとクローゼットの中から服を取り出す。

 拠点を持たない事で診療所やらここやらの拠点に泊まりに来る手伝い組の着替えは、当然ながらそれぞれの場所に置かれているのだ。

 流石に常に持ち運ぶのは洗濯する暇も無いし、という事で。


 ……まあ、元々持っていた寝間着は集まり場所でもある孤児院に置いてあるから、ここにあるのは絆愛が口説いたという服屋で購入した寝間着だがな。


 というか絆愛は出会う人皆を口説いているので、口説かれたのは服屋限定でも無いが。





「あだだだだだだだだ!」


「愛の勇者様、本当どうしてこうなるのかしらってくらいに固いわよね」


「も、もう少し手加減をくれないかジャスミン!?」


「さっさとほぐしてさっさと寝たいから、手っ取り早く行くわよー」


「いだだだだだだだだ」



 寝室に敷かれた布団の上で、ぐりぐりと背中をジャスミンに押される。

 何故か体がすぐに固くなる絆愛は、ストレッチによる地味に裂けそうな痛みに悲鳴を上げていた。



「っていうか飛天、アンタまでストレッチ頼むなんて珍しいわね」


「うおおお……地味に痛いよ天恵それ……」


「我慢我慢。で、どういう風の吹き回し?」


「どういうも何も、資材の運び込みとかでさあ……タッチしては翼生やして操作して移動させてまたタッチして、って繰り返してたから体が凝っちゃって」



 天恵にぐりぐりと足をのばされながら、飛天は言う。



「あんまり動いてないし筋肉使ったりもしてないけど、単純作業過ぎて動かないってのも駄目だねーコレ。地味に凝るっだだだだ天恵そこ痛いそこ痛いそこ痛い!」


「はいはい。群光も次、やる?」


「いや」



 己の悲鳴を聞き慣れているからかすっかり眠っている不崩の頭を膝に乗せたまま、本を開いていた群光は首を横に振った。





「俺は特にそういった問題は無い」



 群光はそう答える。



「写本作業や人手要員として群の兵を派遣しているが、俺から離れても指示通り動くからな。飛天のように対象に触れる必要も無いから、俺は俺で活動的に行動しているとも」


「具体的にはー?」



 飛天の問い掛けに、己は口を開いた。



「民家の棚の修繕とか」


「うわ、思ったよりちゃんと活動してる」


「どういう意味だ飛天」


「いやあ、読書でもしてるって言うのかと思ってたから」


「確かに読書は好きだが……」



 父が小説家という事もあってか家には本が多かったので、読むのは結構好きだ。

 というか作品を見る事自体が結構好きなのだ。


 ……ただ、忘れてしまうだけで。


 まあ忘れても別に問題は無いし、いや普通に問題はある気もするがどうにかなっているので良い。

 寧ろ毎回忘れる為、毎回新鮮に作品鑑賞が出来るのは利点とも言えるだろう。

 飽きる前に忘れるから飽きるという事も無い。


 ……問題は、新作が出る事にはその前の話を忘れている事だな。


 その度に見直すので、巻数が出ている作品は完結してからじゃないと厳しい。

 新刊が出る度に五十巻くらいを毎回読み直すわけにはいかないし、一日でも空ければまたリセットとなる。

 そんな息子が居るからか、父は覚えやすい印象的な物語を書く事が多い。

 それでも己はまったくもって覚えられていないが、その結果作品の人気は高いようなので何が良い結果をもたらすかわからないものだ。



「…………何の話だったか……ああ、修繕作業か」


「今の数秒でド忘れしたの?」


「脳内で思考が脱線するとすぐにわからなくなるだけだ」



 ところで話し掛けて来たこの少女は誰だったか。

 絆愛の背中を押している少女は孤児院で保護した子であり、身内認定しているので特に警戒もしていないが、どうしても毎回名前を忘れてしまう。

 もっとも名前を忘れるくらいは人にはままある事なので、普通に会話する分には一切問題無いが。

 名前を呼ばずとも会話するくらいは大体の人間が出来る事だろう。



「読書を選ばなかったのは、単純にこういう落ち着いた空気の時に読みたいからだ。途中で話しかけられたり、違う作業を挟んだりするとよくわからなくなる」


「うう……いたたた」



 ストレッチが終わったらしい絆愛が、ぐいっと背筋を伸ばした。



「ふぅ……じゃあ群光、今もその本の内容をド忘れしたんじゃないか?」


「これは忘れても問題無いから大丈夫だ。様々な衣服についてがイラストとして描かれている電子書籍を写本にした物で、ファッション雑誌と大して変わらん」



 写真を用いられた物は写本にするには厳しいが、イラストとして描かれた物なら群の兵頼りでどうにかなる。

 確かそんな感じで絵が必要な物は写真ではなくイラスト系を写本していこうとなったのを思い出していると、天恵が感心したように頷いた。



「また珍しいもの読んでるわねー」


「そろそろ群の兵に服を着せた方が良いだろうか、と。毎回それらについてを忘れるから毎回全裸状態になってしまうが」


「別に今更良いんじゃない?」



 天恵は飛天のストレッチを終え、布団の上に座る。



「性的なアレコレも顔面のパーツすらもついてない体で全裸状態の群れの兵が飛び回って色々作業してるの普通に目撃されまくってるんだし、今更服着ても逆に違和感抱かせるわよ」


「まあ人って慣れるかんね」



 あはは、と飛天が笑った。



「でもその分、服着せたら着せたですぐに慣れるんじゃない?」


「そうは言っても、服の分だけ無駄にTP消費したら勿体ないでしょ。総合すれば数体出せるくらいのTPになるかもしれないし、だったら服の分だけ人手増やした方が効率的よ?」


「流石安売り狙いのおかあちゃん……」


「安売り狙いを狙うのはアンタに料理作る際に貰う食費とその値段内で可能な限り腹を膨らましてやろうと思っての行動よ。アンタはもうちょい父親にも感謝なさい」


「んー、そうはいっても昔っから食費置いといてこれで食べなさいって言う人だしねー」



 飛天は特に何か思うところがある様子も無くケラケラ笑ってそう言った。


 ……飛天の家は、確か……。


 記憶力の無い己だが、クラスの皆となれば別だ。

 多少時間が掛かりながらも思い出せば、そういえば飛天は父と二人暮らしだった。


 ……離婚か死に別れかは不明だが、


 飛天の父親は銀行員であり、忙しいというのもあって基本的に食費を提供して自分で買って食べるように、というタイプらしい。

 幸いなのは娘である飛天の大食いを知っており、大量前提の食費を置いてくれるという部分だろうか。


 ……まあもう会えない可能性が高いというか、ほぼ確定で会えんだろうがな。


 時間の流れが違う異世界にトリップしたので仕方がない。

 己の家は小説家の父とプログラマーの母と幼稚園児の弟という構成なので、こっちは恐らく大丈夫だろう。

 弟の世話でこちらを意識する暇も無いだろうし、そもそも籠りがちな職種なのだし。


 ……よし、ちゃんと親の職種は覚えていた。


 時々それすらも忘れるのでとても危ない。

 まあ名前は完全に忘れたし、家の場所も正直今元の世界に戻れたところで思い出せる気がしないので、両親の顔も職業もその内忘れる気がしてならないが。

 というか顔は既にうろ覚えになっているような。





 ストレッチも終えた事だし、と明かりを消し、それぞれが眠りにつく。

 一部、というか約一名既に寝ていたが、まあ結果としては変わらないから良いだろう。

 そう思いつつ絆愛が瞼を閉じると、突然瞼の向こうが明るくなった。

 物音はしなかったはずだが誰かが明かりをつけ直したんだろうかと思い目を開ければ、見覚えが無くも無い、真っ白な空間。



「やあ! どうもお久しぶりです悪砕さん!」



 振り向けば、長い前髪と被ったフードで目元を隠している同年代くらいの少年が居た。

 その顔と声には覚えがある。



「おお、久しぶりだな神!」


「ってうわうわうわわわわあ!?」



 立ち上がって声を掛けたら顔を真っ赤にして後ずさられた。



「……どうした?」


「服! 服! 服!」



 己を見下ろせば、就寝時と同じセクシー系に分類されるタイプのベビードール姿。



「ただの寝間着だから気にするな」


「気にしますよ! 気にしますって! 僕そういうのと無縁な陰キャぼっちタイプだったんですからね! 女性の肌面積多いだけでドギマギするのにそんなセクシー姿直視出来ませんよ!」



 そう言いながら指の隙間からチラチラとこちらを見ているのは指摘しても良いんだろうか。



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