本来の力4
「どこから話しましょうか」
「全てを、と言って話してくれるか?」
「まだ全ては無理ですわ、見せていないものもありますし」
「見せてないもの」
確かに見せてないやつもあるな、そっちの方が重要なやつだしな。
レイアと毒の出所を調べつつ、そちらの話にも耳を傾ける。ナーラとルルは、さっきの人影を捕まえに行った。
「レイアさんは平気なんですか?」
レイアの様子を伺いつつ聞いてきたのは、グイードさんだ。さっき毒の入ったお茶飲んでたしね。
「セリーナ達は毒の耐性がついてるから大丈夫ですわ。特に、レイアはほとんどの毒に耐性があり毒見は全て彼女に任せているのです」
「なら、ナーラさんは?どうしてあの人影に気が付いたんですか?」
「ナーラは人の気配を敏感に感じることができる、そのため潜入して情報を集めてもらってたりするのです。それに、ルルはああ見えて武術に長けているのですぐに捕まえて戻ってくるでしょう」
「ルルさん、そんなに強いんですか?」
「えぇ、普通に騎士団長と同じかそれ以上に」
そうなんだよなぁ、ルルの見た目に騙されて喧嘩を売った相手は反撃にあって帰っていってたな...。
ベル様の話を聞いたヴァイスさんたちは、信じられないものでもみたかのように驚いていた。
「誰でもそう思うわよね」
「あの見た目で強いとか、反則よね」
ま、あの子の態度にも問題があるんでしょうけど。
「これはちょっと大変ね...」
「...そうみたいね」
レイアと私は、魔術で毒の出所を探っている。すると、毒はある期間でしか作ることができない珍しいもので、毒性はそこまで強くないが一時的に身動きができなくなるものらしい。
でも...。
「ここからは、犯人に聞くしかなさそうね」
「出所は分かったかしら?」
「はい、ゼイバルでも限られた場所でしかとれないものを材料にしていて、今はある一族がそれを管理しているようです」
「まさか...」
レイアの話を聞いてグイードさんが近寄ってきた。そして、私達が出した情報を見て顔を曇らせていた。
「とりあえずは、話を聞かないことには判断できかねます」
「そうね、二人を待ちましょう」
それからしばらくして、ナーラとルルが犯人を引き連れて戻って来た。