表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人狼と魔術師の恋愛模様  作者: フミカ
1/23

突然の宣言

ある日、突然


「私、結婚することに致しました」


突然の宣言に、私を含めその場にいた四人はしばし固まりその後動き出す。


「冗談ですか?」

「いいえ、本当よ?相手はゼイバル国の王様よ」

「うそ~!その国って...」


 ゼイバル国。その国は長く人と距離を置いていた人狼の国だ。ベル様からゼイバル国と、国王様が何かしているとは聞いていたがこんなことになるとは...。


「確認してきます。ベル様が言っていることが本当なら、準備しなければならないことがあるでしょうから」


 そういって出て行ったのは、ナーラだ。ナーラは若葉のような綺麗なグリーンの髪と、ライトグリーンの瞳を持った子だ。


「あ、なら私も行くよ」


 続いて出て行ったのは、ルルだ。綺麗な紅の髪に、それと同じ色の瞳を持った子。見た目のその派手さとは違い、気弱で心優しい子。



「あらあら、これから詳しい話をしようと思っていたのに」


 私たちの主であるベル様は、優雅に紅茶を飲んでいる。


「ベル様、いつ決まったんですか?」

「昨日だったかしら?」

「こういうことは早く教えて頂かないと」

「ごめんなさいね、セリーナ」

「こうも見た目が似てるのに性格が違うって面白いわね」


 そんなことを言っているのは、レイア。漆黒の髪に、黒曜石のような瞳を持つ神秘的な子。

 私とレイア、ナーラ、ルルはアリーベル様に幼い頃から仕えていて、私たち四人とベル様は幼馴染である。

 そして、ベル様はここサンマリー国の第二王女でマリーベル様と呼ぶのが普通である。でも、私たち四人は愛称で呼ぶことを許されている。ま、幼馴染ですしね。


 サンマリー国は、とても大きな国で有名だ。広い国だけど、どこにも飢えで苦しむ人はおらず色々な設備も整っていて、どんな人でも教育を十分に受けられ職に困る人もいない。

 こんなに生活水準が高いのは、歴代のこの国の王様が時間をかけたからだ。だからか、この国の王家の人気は高い。

 そんな国の王女様に仕えることができるのは、とても光栄なことだ。しかし、ベル様は時々こういう突然に行動を起こすことがある。でもそれは、私たちを頼ってくれている証でもある。それはとても嬉しいことだ、それに、ベル様はきちんとお礼を言ってくれるし素直な方なのだ。


「ごめんなさいね、セリーナ」

「決まったことはしょうがありません」

「それにね、もう明後日には迎えに来るそうなの」

「...ベル様」

「本当に、似ているのは見た目だけですね」


 レイアが笑いながら言う。

 そして、レイアの言う通り私とベル様は見た目がすごく似ているのだ。ベル様がピンクブロンドの髪と薄い桃色の瞳に対して、私はベル様よりブロンドに近い髪に薄い青の瞳だ。瞳の色さえ隠せば、ベル様と瓜二つなのだ。


「本当、私もそれは思うわ」

「私はベル様にはなれませんからね」

「それもそうね」

「さて、私たちも準備をしないといけないわね」

「そうね、もうすぐナーラ達も戻って来るだろうしね」



 その後、戻って来たナーラ達に事情を話すとナーラはベル様に怒って、それを何とか宥めて荷作りを始めた。


 そうやって、この日は荷作りで終わった。










評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ