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同期から見た二人。

同僚の騎士目線です。

 トーカとルドバード。

 バハラシュリカ帝国の『赤の騎士』と『青の騎士』。

 他国にまで広まる二人は、俺にとって同期である。入団試験の段階で、あの二人は飛びぬけていた。

「すげぇ奴らがいる」

「やばい、新人だな」

 俺も含めて、入団試験の時に二人にくぎ付けになっていた。それもそのはずだろう。あの二人は、入団試験だというのに現役の騎士たちと対等にやりあっていた。

 俺はなんとか入団試験に合格したものの、あんな凄い二人がいるなんてとついて行けるかどうか、そしてあんな凄い二人と仲良く出来るかどうかと不安だった。

「お前さ、女だったらおしゃれの一つぐらい……」

「はぁ? そんなの私の勝手だろう?」

 ……トーカとルドバードは何というか、最初は水と油のように見えた。いつも言い争いをしていて、仲が悪いのではないかとさえ思われていた。

 だが、近くにいると彼らが仲が悪くないことが分かる。

「おい、トーカ、ルドバード、そのくらいにしとけ。仕事だぞ」

「「ああ」」

 ……そしてなぜか俺は気づいたら二人を止める役目になっていた。同期は他にも何人もいたが、なぜか俺がその役目になっていたのだ。

 しかしこうして毎回、二人の口喧嘩とかを見ていてわかるのだが……この二人、仲は悪くない。いや、寧ろ二人とも素直じゃないだけというか……、ルドバードは好きな事にちょっかいを出しているようなそんな風に見えた。まぁ、実際に二人の気持ちは聞いていないが、そうにしか見えなくなっていた。

 二人は徐々に仲良くなっていった。二人が同程度の能力を持っているからとよくペアを組まされていたが、何だかんだ二人とも文句言いながら笑っていたりしている。明らかに喜んでいた。

 ルドバードなんて「あいつはおしゃれをしないからな」とか言いながら、似合いそうな服とか買ってきて押し付けたり、何だかんだ出かける大義名分を作って出かけた時にはトーカはその服を着てたり……、あいつら側から見たらデートだっていうことたまにしてたし。もちろん、仕事だって言い訳してだけど。

 互いが怪我した時は真っ先に駆けつけるし。出てくる言葉は、心配ではなく「怪我するな」って言葉だったりだったが。

 周りも最初は仲が悪いのかと心配していたが、見ていてただ素直になれないだけで互いに好きあっているっぽいと理解した。後輩の騎士も最初は「あれ、大丈夫ですか」などと言っていたが今では「あの二人

付き合いますかね?」というようになっていた。

 あいつらがどんなふうにいつ付き合いだすかというのは、帝国の騎士たちの中で賭けになっていた。俺は何だかんだ素直にならずに中々付き合わず、五年後ぐらいに付き合いにかけていた。



 が、予想外の事が起きた。




 トーカが行方不明になった。あのトーカが……? と驚いて、信じられなかった。死んだのではないかとざわざわしていた。ルドバードは、トーカが死ぬわけないって言っていた。

 ……トーカが行方不明だって聞いたルドバードは怖かった。恐ろしく冷たい表情をしていて、思い詰めた様子だった。そのルドバードが長期休暇をもらったと聞いた時には、トーカを探しに行ったんだろうって想像が出来た。

 本当にルドバードはトーカのことが好きで、行方不明だと聞いてもトーカを諦められなかったんだろう。

 俺もトーカが無事に戻ってくることを祈った。

 それからしばらくして、ルドバードがトーカを連れて戻ってきた。隣国である王国で戦争が起こると言われていた時期だったからその前に二人が戻ってきてほっとした。

 ……で、その後、トーカが聖女だったとか聞かされて俺は思わず笑ってしまった。

「似合わねー!!」

 そう叫んだのは俺だけではない。トーカを知る皆がそう言っていた。

「煩い!! 私も似合わないって知ってるし」

 トーカは不機嫌そうにしていた。詳しく聞いた所によると、トーカは魔法を使われ、聖女をやらされていたらしい。仲間にそんなふざけた真似をされたと聞いて、俺も怒りで燃えていた。

 あとその過程でトーカとルドバードが付き合ったと聞いて俺は思いっきりからかってしまった。ようやくかと。

「おい、トーカ、こっち向け」

「ふん、何で私がルドのいう事聞かなきゃならないんだよ」

 あの二人は相変わらず口喧嘩もしているが、こっそり二人きりの時を覗き見したらちゃんと素直に言い合っていたので問題はないだろう。……覗き見していたのバレなくてよかった。バレてたら絶対二人とも怒るだろうし。

 王国との戦争が終わって、二人はさっさと結婚して、浄化の旅に出かけてしまった。

 戻ってきた時に、どんな話が聞けるのだろうかと俺は楽しみでならない。




トーカたちの同期の騎士目線です。


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