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村での浄化 7

11/17 四話目

 それから馬車に乗って幾つかの村を巡った。

 ある程度の村は川の浄化をしたことで、生活に問題がない状況になっていた。しかしだ。二つほどの村はまだ瘴気の影響を受けていた。

 瘴気のたまりやすいエリアがあるのかもしれない。そしてこの土地周辺は、瘴気を溜めやすいエリアなのかもしれない。……これだけ瘴気がたまっていたら村人たちも大変だろうに。

「私が瘴気を完全に浄化します」

「聖女様!!」

「ありがとう!!」

 私が瘴気を完全に浄化することを告げたら、彼ら一同はそれはもう感謝の気持ちを口にした。

 暗い顔をしているよりも、笑っている方がずっといい。そういう何気ない日常で浮かべる笑みを守るっていうのが――ってまたなんかよく分からない思考になってる。相変わらずモヤがかかっていたり、頭痛はするし。

 マイケルは今の所、『黄金の魔女』のことに対して何も行動を起こしていない。私が告げた言葉はしっかり聞き取れただろうけれど、今の所何も動く気がないように見える。それとも何かすでに行動を起こしているのか。まぁ、分からないけれどマイケルばかり当てにしているわけにはいかないので、私は自分で逃亡することを考えていた。一番逃亡出来そうなのは夜かな? なんか私が眠りこけていると勘違いしているみたいだし、眠っていると勘違いされているのならば上手く行けば抜け出せると思う。

 今日か、明日に泊る部屋についても指定して、抜け出すことを考えるか。持ち物は……《アイテムボックス》の中に入れられているから持っていけないけど。まぁ、武器があるならなんとかなるだろう。森とかに入って王子たちが追いかけてこれないように撒けばいいし。《アイテムボックス》の中に私の私物は入ってないし。私の私物はペンダントだけだから、どうにでも出来るのならば抜け出すタイミングで抜け出せば問題がない。

 王子たちは私がそんなことを考えているということは気づいていないだろう。というか、気づいていないと思いたい。

 浄化にも集中しないといけないし、逃亡もしなきゃならない。とはいっても『黄金の魔女』レベルの魔女だと、私が逃げても追いつかれてしまう恐れがあるけれども。何もしないよりはいい。

「聖女、どうかしたのかい?」

「なんでもありません。……それより瘴気はあそこから発生しておりますね」

 今度の瘴気の発生源は小さな沼だった。川が汚染されていたり、沼が汚染されていたり……このあたりは水が瘴気に侵されやすいなどということがあったりするのだろうか。

 今回は規模が小さいというのもあって、少し祈っただけで終わった。魔物に襲われることもあったが、小さな魔物で騎士たちがその対処を終えていた。……私も魔物退治をしたかったのだけど、仕方がないか。もっと短剣を振るって。もっと、体を動かしたかったのに。

 ただ、規模が小さい瘴気とはいえ、周辺にはいくつもの瘴気のたまっているエリアがあった。やっぱり瘴気がたまりやすいのか。

 そんなことを考えながら、次の瘴気溜まりに向かおうとした時、遠くの空が急に割れるかのような大きな音を立てた。空が晴れていたのに、突然の衝撃に私はもちろん驚く。

 遠くとはいえ、これだけの音が鳴って、地面が揺れるなんて何か危険生物でもいるのだろうか。見れば王子たちも「な、なんだ、今の音は」とびびっていた。マイケルは平然としていた。あの大きな音の発生源にマイケルは心当たりがあったりするのだろうか。

 マイケルに心当たりがあるのならば少しだけ安心だけど。まぁ、先ほど見た光を見る限り大分距離はあるみたいだから大丈夫だろう。そう思って私はせっせと瘴気の浄化に勤しんだ。

 王子は「一度、村に帰らないか」と先ほどの音にビビったのか言っていたが、私は聖女として勤めをこなすといったら私についてきた。

 田んぼだったり、井戸だったり、はたまた果実園だったり、幾つもの箇所が小さな瘴気に侵されていたというのもあって、全部回ってしっかり浄化をこなした。

 村では「ありがとう」「聖女様のおかげで生活が出来る」と大いに感謝の言葉を受けた。お礼に近くから摘んできたお花をくれる子供もいて私はほっこりした。……王子達は「そんなものを聖女にやるなんて」と怒っていたが。私が喜んでいたというのもあって、それ以上何か言うことはなかった。

 そんなもの扱いされるが、王子達にもらうものよりこういう子供からもらったお花とかの方が私は嬉しいのだけど。



 ちなみに思ったより周辺の村で瘴気に侵されている場所の規模が小さく、少なかったというのもあって全て一日で見て回れた。一番最初に泊った村が一番大きいので、そこで『黄金の魔女』が来るまで待とうということになったらしい。

 ……はやく抜け出さないとな。




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