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次の街へ 

10/27二話目

 私はまた馬車に揺られて次の目的地へと向かっている。

 ちなみにマイケルと話した後は、王子達がマイケルを私に近づけようとしなかった。まったくもう……と思ってしまう

 そこまで私がマイケルと近づくことを忌避しているのか。

 私が聖女という立場だからこそ、聖女である私が望んでいることを拒否するわけにはいかないとついてくることを許可していたのだろうけど。あれだけマイケルが危うい事を口にしたのもあって、余計にマイケルへの警戒心は強くなっているというのが分かる。

 相変わらずマイケルは馬車の中には入れてもらう事が出来ずに、御者の隣にいての移動だ。

 結局の所、私はまだ武器をもらえていない。マイケルと会話をした後、王子達はノイノからの報告を受けてかとても不機嫌になっていた。

 ――あの男の事は信用しない方がいい。

 ってことを散々言われてしまって、嫌な気持ちになった。

 国内の瘴気をどうにかするのを優先するとして、その後他国にまで私が行くことは出来るのだろうか。王子たちは何か交渉して、国にいいように私を使う気だろうか。それならこの国から抜け出して、他国の浄化を勝手にやっちゃうのもありか? うーん、でもそれはそれでどこかの国の庇護に入らないと勝手には出来ないかな? この国がどんなふうにそれに対して対応していくかも分からないし。

 王子達が周りにいるせいで、人を近づけさせることが出来ないっていうのも問題よね。もっと他国の人とかと関わる事が出来たらいいのに。そしたら色んな情報が手に入るし、色んな伝手が手に入るのに。

 そもそも自国の貴族とかにもあまり私を近づけようとこの王子たちはしないし。そんなんじゃどうしようもないのよね。

「武器はいつ買っていただけるのでしょうか?」

「……そうだな。次の街についてからだ」

「ありがとうございます」

 王子は不服そうだけど、やっぱり聖女である私の希望をないがしろにすることは出来ないのかそう言って頷いてくれた。

 やっぱりこの状況を打破するためには武器っていうのは何よりも必要よね。武器さえあれば最悪、自分自身を盾にしてでも状況を変えていくことが出来ると思うもの。

 武器となるとやっぱり長剣が欲しい。出来たら使い勝手が良くて性能も良いものがよい。ああ、でも王子達は私に戦わせたくないわけで、なまくらのような実践では使い勝手が悪いものを与えようとするかもしれない。自分で武器屋にいって使い勝手の良いものを手に入れられたらいいのだけど。

 聖女って立場にも関わらずに武器を欲しているとかやっぱり私は聖女らしくない聖女だと思う。王子達は聖女らしい聖女を求めているのかもしれない。けれど、私はそんなに大人しい存在では決してないのだ。

「聞きたいのですが、私は国中の浄化を終えたら他国の浄化に向かうのでしょうか?」

「それもあの男に聞いたのか? ……まぁ、他国への浄化も必要だが、国内の浄化を終えれば王宮でゆっくりしてもらうつもりだ。聖女も疲れてしまうだろう」

 などと優し気に王子は微笑んでいるが、明らかに他国だから後回しにしても問題ないだろうという感情が見え隠れしている。うーん、やっぱり何かしら交渉をしてこの国に良いように聖女を使う気にしか見えない。

 確かに優しく微笑んでいるし、私がここまで警戒心が強くなければもっと王子たちに心を開いていたかもしれないけれど……。

「私は苦しんでいる人がいるのならば、私の事は構わずにはやく助けてあげたいと思います」

 とりあえずそれだけは言っておこうと思った。

 王子たちは私の事を理由にしてそういう風に都合よく使おうとしている。他国だって聖女が疲れているので他国にはいけないと聞けば、とやかく言えないだろうし。

「そうか……。そう言ってもらえるのは嬉しいが、聖女は無理をしてはならないのだぞ」

「私は大丈夫です。無理はしていません。なのでもし国中の浄化が終わったら国外にもいかせてください」

「……ああ。考えよう」

 うーん、王子はそういって頷いたけど、王子含めて皆が私を国外に出したくないんだろうなっていうのが分かる。笑顔なんだけど、こう、ひしひしと感じる内心があるというか。

 国外に行くにしても私に情報が回らないようにしそうだし。そもそもこの人たちがもし国内の事しか考えないような人だったら、聖女を外で浄化なんてさせないかもしれない。考えたくもないけど、周りの国すべてが瘴気で駄目になってしまえばいいとか考えていたらどうしようか。

 そう言う可能性もあるわけで……あー、なんというか本当にどう動くべきが私にとっての正解なのかっていうのが中々見えない。それが明確に分かれば動きやすいのに。

 マイケルの話を踏まえてもどう動きべきかってまだまだ手探りだわ。

 とりあえず、武器をそろえて、もっと情報を集めて、それで考えよう。次の街に辿り着いて、また新たに情報が集められたらいいとそう願いながら私は馬車に揺られた。



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