表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の足跡  作者: 紅蓮
1/3

始まりの場所

奇妙な場所とこ


彼女、相坂悠里あいさかゆうりが意識を覚ました時に思った事である。


小さなロウソクの灯りが所々に置かれているだけのこの薄暗い世界の中で、目の前に広がるのはどこまであるのかすらわからないほどに続いている無数の本棚であった。


その本棚の全てに隙間一つなく綺麗に並べられている本達。

そのどれもが全て一目見ればわかるほどに古く埃かぶっている。

もう随分と触れられていないのだろう。


しかしそのどれもが汚れ一つなく、傷一つなく、ほころび一つない。

まるで作られてから一度も開いた事どころか触れた事すらないような異様な雰囲気の本が永遠と続いているのであった。


悠里はこのような場所は見たこともなく来た覚えもない。

ならば、なぜこんな場所に自分がいるのか?


悠里に恐怖はなかった…


普通ならば恐怖し、混乱して身を震わせて叫ぶかも知れないであろう。


しかし彼女はそれをしなかった。


いや


出来なかった。


彼女は知っているから


自分の動かす身体はもう無く

自分の意思を伝える声も無い


相坂悠里は知っている。


すでに自身が死んでいる事を。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ