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悪役令嬢に転生したけど、中身はモブおじさんです

作者: kouta


この日、王宮の広間では名門学校の卒業パーティーが行われていた。


集まっているのは、主役の生徒達とその保護者。


参加者は全員貴族であり、今年は王太子が卒業することもあって、


例年より多くの人が集まっていた。


そんな華やかな祝いの席で、事件は起きた。




「今日を持って、エリザベートとの婚約を破棄する!」




衆人の前で、高らかに宣言したのは、この国の王太子。


その傍らには、可愛い顔の……っていうか、ぶっちゃけこの乙女ゲームみたいな世界の典型的なヒロインちゃんが立っていた。


婚約を破棄された私、エリザベートは、『あるある。こういう展開。なろうで何万回も見た』と醒めた目で二人を見ていた。


周りはぽかーんとした顔で、私達に注目している。


唯一、ヒロインと王子の周りを囲んでいる王子の取り巻きみたいな……もっとあからさまに言ってしまえば、攻略対象キャラっぽい美形数人は、王子とヒロインを守るように私と対峙している。


まぁ、ここでずっと黙っていたらどんな反応をするのか、放置プレイみたいで、それはそれで楽しそうだけど、話が進まないので、一応抗議してみる。



「なんですの? 唐突に婚約破棄なんて……どんな理由があって?」


「ふん。理由は、お前もよくわかっているだろう?」



おっと。突然のお前呼び……別に、いいけど。その生意気な性格、気に入ってるし。



「一体なんのことでしょう?」


「しらばっくれるな! 在学中にお前がリリアにした嫌がらせの数々……忘れたとは言わせないぞ!」



リリアとは勿論、王子の隣にいるヒロイン顔の美少女である。


俯いて王子の服を掴んでいる姿は、まさに傷ついたヒロインの図だが、彼女の口許が歪んでいるのをばっちり見てしまった。


あんなにわかりやすいのに、どうして王子は見抜けないのか……まぁ、見抜けなかったから、今こうなっている訳だが。


王子は、リリアの教科書が破かれていただの、水をかけられただの、人がいないところで王子から離れろと恐喝されただのと色々と言っているが、どれも私は関与していない。私には嫌がらせする理由もない。


でも、リリアがそれらを自作自演していたことは知っている。それで、王子や周囲の人間に取り入ってたことも。


彼女の作戦は上手く行ったようで、王子はまんまと彼女の手のひらの上で踊らされている。その騙されやすい単純さが彼の好ましいところでもある。



「しかも、お前はリリアを階段から突き落とした! 幸運にも、俺が通りかかって受け止められたから良かったが……一歩間違えれば死んでいたんだぞ!? お前のやっていることは、人の道から外れている!」


「私が突き落とした証拠はどこにあるのです?」


「あの時、階段の上にはお前しかいなかった! お前が突き落とさなければ、誰がリリアを落せたっていうんだ!」



真相は、王子が階段の下にいるのを計算にいれて、リリアが自ら落ちていったんだけどな?



「お前……事故に見せかけて、リリアを殺す気だったのか?」


「そんなこと(勿体ないこと)しませんわ。本気で殺すつもりなら、手段を選びます。私なら、毒を使いますね……証拠が残りにくいですし」


「っ……やはり、お前は危険人物だな。こんな危ない人間を妃には出来ない!」


「構いませんわ。王太子妃にも、王妃にも興味ありませんもの」


「は……?」


「婚約を破棄しても構わないと言っているのです」


「バカな……子どもの頃から私に執着していたお前が、あっさりと地位を手放すなんて……」


「ええ。確かに……子どもの時に、王子様と婚約してから、私は事あるごとに貴方にひっついておりましたね。その度に、貴方は私を邪見にしておりましたけど……」


「当たり前だ。お前のような欲深い、金や権力目当てな女など、興味はない!」



いや、恐らくリリアは誰よりも欲深い悪女だと思うんだけど……それを言っても王子は信じないだろう。



「心外ですね。私は、金や権力には興味ありません」


「嘘をつくな! なら、どうして私に近づいた!?」


「だって……貴方の傍には、とっっっても美味しそうなショタが、わんさかといたんですもの」



私は、転生する前、地雷なしのモブおじだった。


ショタもロリも、高校生だろうと大学生だろうと、熟女や人妻も。


なんだって、美味しそうな獲物は片っ端から食って行った。


転生し、残念ながら相棒(意味深)は失ったが……それはそれで、責めようがある。



「お前……何言って……?」


「だから、今貴方の左隣に立っている騎士候補生も、右隣にいる次期宰相様も……みぃんな、子どもの頃から何度も私に犯されているんです。最初は皆抵抗しましたけど、今では私の言うことはなんでも聞いてくれる、いい子(性奴隷)ですよ」


「貴様!! 私の友人達を愚弄するつもりか!?」



逆上した王子が私に襲いかかろうとするが、周囲の人間がそれを止める。


王子を羽交い絞めにするのは、赤ん坊の頃からずっと傍にいた王子の乳兄弟だ。



「っ……何故止める!?」


「ご主人様に歯向かうのは許しません」


「お前の主は、俺だろう!?」


「いいえ。私は心も体もすべてエリザベート様のものです」


「っ……!」



一番信頼していた父兄弟に裏切られたその時の王子の顔ときたら……!


ああ……たまらない、ゾクゾクする……っ!


ショックで言葉も出ない王子に対し、ヒロインの方はまだ元気が残っている。



「何をしているの!? 何故、皆エリザベートの味方をするのよ!?悪いのはあの女の方でしょう?」


「……我々が、本気で貴方のような生娘を好きになるとでも?」



彼等は冷たい目で彼女を見下ろす。



「だ、だって……なんで……皆、今までずっと私に優しくしてくれたのに……!」



それは勿論、私の指示だ。全てはこの状況を作り出すための……王子とヒロインを罠に嵌めるために立てた計画。


数年かけてコツコツと積み上げた努力がついに報われる時が来た。



「そんなことより、そろそろ気づいてもよろしいんじゃありませんの? この部屋が、静か過ぎることに……」


「っ……こ、これは……!?」


「えっ!? どうなっているの!?」



私に指摘されて、ようやく二人は、異変に気付いたようだ。


この場所で動いているのは、私と王子とヒロイン、そして王子の取り巻き達数名しかいないことに。



「皆、まるで石像のように固まっているでしょう?」



私は、胸元からあるものを取り出した。



「なんだそれは?」


「一見するとなんの変哲もないストップウォッチですけど……まぁ、異世界の貴方から見れば、ストップウォッチすらも、未知の道具ですわね。これは、時を止めることが出来るアイテムなんですの。止める対象を任意で決めることが出来るのです」



このアイテムは、私が転生した時に、話の分かるこの世界の神様から貰ったアイテムの一つだ。


他にも同人界で馴染みの道具は全部揃っている。



「貴方が私に婚約破棄を宣言した時に止めました。これで、あなた達二人の味方は誰もいない……」


「っ……俺達を殺すつもりなのか?」


「まさか。言ったでしょう? 殺すなら毒を選ぶと……それに、殺してしまったら……生身を犯す愉しみが、なくなるじゃないですか」



私は、奴隷たちに指示を出して、王子の身体を四人の男達に拘束させた。


そして、ヒロインの身体も拘束するように指示をだす。



「……貴方の婚約者になり、子どもの貴方と初めて対峙した時、私思ったんですの。ああ、この子にはくっころが似合うなと」


「は? くっころ??」


「屈辱を与えれば、与えるほど、貴方は一層美味しく仕上がるはず。そのために、貴方に親しい人間を残らず洗脳して手先にしたんですよ?」



まぁ、彼らもかつては美少年だったし、成長しても充分、美形に育ったから、大変、犯し甲斐があったものだけど。



「さて……『生意気なヒロインちゃんにお仕置きエッチ』は最後の楽しみに残しておいて……十数年間、温めてきた貴方の処女を戴きましょうか。最初から複数相手なんてかなりハードですけど、好きな人の前なんです。あまり醜態を晒さぬよう、気を付けてくださいね」



簡単に、堕ちたら楽しくない。最後まで心も体も責め抜いてこそ、十何年も温め続けた甲斐がある。


信じていた仲間に裏切られて絶望し、それでも私を睨みつけることをやめない王子を見て、更に興奮した私は、神様から貰った定番アイテムぺ●バンを身につけて、獲物に手を伸ばす。



「時間が元に戻った時、貴方がどんな淫らな姿を衆目に晒すのか……愉しみですわね、王子様♡」



END




この後、王子は限界まで犯されるけど、紐で縛られてイくのを封じられ一度も開放されずに、服を着せられてから紐を解かれます。その瞬間に時間が戻ります。


ヒロインちゃんが空気だったけど、安心してください。これからは昼間は王妃様、夜はみんなのわんこちゃんな生活が待っています。


主人公は誰とも結婚せず、責任ある仕事に就くこともなく、好みの美人がいたら、老若男女問わず犯すモブおじ令嬢ライフを満喫していきます。


めでたしめでたし、ですね!






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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公おまえ、モブおじじゃなくて種〇けおじさんじゃないか(白目)
[一言] お前のようなモブおじがいるか!(白目)
[一言] モブおじというかモテおじですね
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