過去 浄化の旅
3日間の魔術訓練の後に、王様への謁見を経て私たちは浄化の旅に出た。
周りを軍隊に囲まれて…
最初から馬で走る騎馬隊、馬車に乗り込む歩兵。
彼らを見送る女性達…
割れんばかりの歓声が聞こえる中、私たちは馬車の中で寝っ転がっていた。
正確に言えば、馬車の中に取り付けたハンモックの上で寝ていた。
様子を見に来た隊長が、寝ている私たちを見て呆れた顔をした。
「歓送パレードなのだが聖女殿達は出ないのか」と隊長が言う。
「隊長は女心というものを少しは考えた方が良いですよ」
「この状況で女の私たちが出て行ったら余計な嫉妬を招きます」
と交互に言ったら、隊長が微妙な顔をして出て行った。
うむ?女に見えないとでもいうのか?
花の乙女17歳に向かって失礼な!
生気のあふれる都を離れて3週間、魔物に襲われ崩壊した村に差し掛かった。
漂う闇色の瘴気、歩き回る魔物たち。
清良が結界を張り浄化の魔法を唱えると周囲が光に包まれ濁った瘴気が消える。
魔物と軍隊が戦うのを横目に清良の世話をする。
力を使い切ってぼーっとしている清良に温かい食事を与え、
風呂に入らせ、髪を乾かして、寝かせるまでが私のお仕事。
「メシ・フロ・ネル」しか言わない夫の世話をする妻の気分。
力を使い切った後の清良は完全回復まで起きてこない。
死が忍び寄る地域を私たちは旅していった。
攻撃は免れているがいつ来るかと怯えながら暮らしている村
細々と生き残った人間が集まってテント生活をする地域
魔物に襲われて崩壊した村
浄化が進んでいる事を知ると、生き残った村人たちは安心した顔をした。
テント生活をしている村人たちが、元の村に戻れると喜んだ。
同行していた薬師と仲良くなり、薬作りを教えてもらうようになった。
寝ている清良の横で習ったレシピを繰り返し、薬を作る。
最初は薬を作るだけだったが、怪我人が多い時には、手伝いに呼ばれるようになった。
水魔法で怪我を洗い、薬を塗り、包帯を巻き、浄化魔法をかけて、闇魔法で眠らせ、起きたら温かい食事を与える。
浄化の旅は順調に進んでいった。




