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外伝 巫女ちゃん変態記

 変態へんたい 1 動物で、幼生から成体になる過程で形態を変えること。

          2 普通の状態と違うこと。異常な、または病的な状態。


         

 神殿が出来上がり住む場所を手に入れたドラゴン様は働かなくなりました。


 普段は神殿の中でとぐろを巻いて、たまに天気のいい時は外で日向ぼっこをするだけです。


 食事を必要とはせずに着る物を必要とはしていない。そして住む場所を手に入れたドラゴン様は働く理由を無くしてしまったのです。


 それでも町(村から成長した)の皆は何も言いませんでした。食料を奪い合うわけでもなく、自分達の生活を脅かしたりしない。むしろドラゴン様が来てから自然災害が無くなり実りは豊かになり危険な外敵は存在しなくなった、あの巨体で動き回られる方が迷惑と考えています。


 そんなドラゴン様の元に私は毎日通いました。そしてドラゴン様の側で過ごすうちに、私は人間の言葉を話す事ができないドラゴン様の言いたいことが分かるようになっていきました。


 だからなのでしょう。人間の心を持つドラゴン様と心が通い合った私は、ドラゴン様の事を異性として意識するようになりました。そんなある日の夜のことでした。神様が私の夢に出てきたのは。


 夢の内容を詳しく語る事は出来ませんが、神様は私にこう言いました。


『黄金のドラゴンと結ばれたいのならドラゴン種が持つ変態生にかけるしかないと』


 そう言われて私は理解しました。ドラゴンという生き物は変態生物なのだと。そしてドラゴン様を人間の女の子に欲情する変態に目覚めさせれば言いのだと。


 それからの私の行動は恥ずかしくて言えません。ただドラゴン様の気を引くために体をはったとだけ言っておきます。


 とにかく体をはってドラゴン様の気を引こうと努力する日々の中、悪夢は起きました。ドラゴン様が同族の幼いドラゴンを口の中に入れて嘗め回していたのです。


 私はドラゴン様がロリコンに目覚めてしまったのだと思いました。


 それからの事はよく覚えてはいません。ショックのあまりドラゴン様の口の中で服を脱ごうとしたり、幼いドラゴンを保護するために町に連れ帰ったり、ドラゴン様が幼女を口の中で嘗め回す変態になってしまったと言いふらしてしまったような気がします。


 そして次の日、保護したドラゴンが人間に近い姿に『変態』しました。


 人間に近い姿になったドラゴン……妹様は神様からの伝言を私に伝えました。ドラゴン種の変態生とは環境に合わせて姿を変える力だと。つまりドラゴン様が本気で私と結ばれたいと思えばドラゴン様は人間の姿をとる事が出来たのだと。


 そしてこうも伝えてきました。ドラゴン様は私の変態的行動に完全に引いてしまっていると。


 だからドラゴン様は変態ドラゴン様では有りません。なのでドラゴン様にケンカを売るような事はやめて下さい。今は私とドラゴンは心が通い合っているのですから。


 え、ならどうしてドラゴン様は人間の姿になっていないのですかって?


 ……それは私が変態的な行動をしてドラゴン様に引かれている間にドラゴン様の変態期が終わってしまったからです。


 それでもドラゴン様に戦いを挑むですって?真実は関係なく変態ドラゴンを倒せば名が上がるからですって!そんな理由でドラゴン様にケンカを売るだなんて許せません。黄金竜の巫女として命じます、皆さんやっちゃってください。



 次回予告


 神の御子、人と恋に落ち結ばれん。


 黄金竜、御子のために火の山を治め5色の竜王呼びて実りを与えん。


 神の御子、実りの土地を頂きて国を創らん。


 次回、やる事やって引きこもろう。

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