見える傷
閲覧ありがとうございます(><///
良かったら1話からご覧下さい♪
特に2話を必ず観ることをおすすめします!!←
脱字などありましたらごめんなさい。
それではどうぞ(^ω^)
―秋穂・小6 冬――
たくさんの葉が風に吹かれ散っていく。
――私の人生はそんな綺麗に散らない。
もっともっと・・・
大雨、台風に吹かれ・・・・。
無視されたことに傷ついた私は
成績もグングン落ち、冬の時点では学年では
中の下 ぐらいだった。
そんな私をクラスの皆は冷たい視線で見ていた。
それはクラスの皆だけではなくて
親もだった。
「全く―どういうつもりなのかしら!?」
「そうだ。たかが無視されたぐらいでこんなに成績落ちるとは―」
2人は無視について何も考えてないようだった。
それどころか、無視されたらちょうどいいとか・・・。
私に居場所なんてないのかな?
「無視されたぐらいで塾サボるなんてどうかしてるんじゃないかしら」
「お前は俺の恥だ!」
何度言われた事か。
何度殴られたことか。
私には次第に『見える傷』がつくようになっていた。
『見えない傷』は私を苦しめた。誰も助けてくれないから。
無視した本人が「してません」といえばすぐに終わる話だから。
だけど『見える傷』は違うかもしれない―。
明日は殴られないかもしれない。久しぶりに出かけられるかもしれない。
近所の人が虐待です。っと言ってくれるかも知れない―。
かすかな期待が私にはあったんだ。『あの日』までは。
―合格発表日。
周りには合格して喜ぶ声、不合格で泣く声。
ザワザワしていた。
私には分かりきっていた結果。
そう、
『不合格』だ―。
家に帰り、それを両親に告げた。
バチンッ
大きな音―。
しかし、私には痛みがなかった。
「―え・・・?」
お父さんが殴ったのはお母さんだった。
「お前が秋穂の無視について何も考えないからこんな結果になったんだぞ!」
どういうこと・・・・?
目の前で何が起こってるのか理解できない。
まって・・・まって・・・・
「なによ!?あなたこそ秋穂の事について何も考えなかったじゃないの!」
―まって・・・
いじめられたのは私の責任なの・・・
2人は悪くないじゃない・・・・。
殴りあう2人。
もしかしたら今まで私が受けた傷より多いかもしれない。
2人とも息を切らしながら
叫んで殴って。
だけどね?
1度も私を見なかった。
気づいてるのかな?私が居ること。
『ココ』にいること。
結局、2時間ぐらいに及ぶ
喧嘩はお父さんが家を出て行って終わった。
お母さんの顔は傷だらけで髪の毛もボサボサ。
涙をながしながら息を切らしながら
私を、切なそうな目で睨んできた。
真っ暗な部屋にお母さんの息切れの音だけが聞こえる。
外では雨が降っているようで、部屋がよけいに暗い。
―その迫力に私は思わず後ずさりをした。
「お・・・・かあさん・・・・」
私が震えた声で言うと
お母さんは何も言わずに不気味に笑うのだ。
「――あんたが生まれたからね・・・・」
お母さんはその一言を言うと
遠くどこかを見ながら続ける。
「あんたがいるせいで世間からの目も冷たいのよ・・・。あそこの娘いじめられてるんだって・・・虐待もされてるんだって・・・・おかげで会社でも陰口―。お父さんとも喧嘩―」
そこまで言い終えるとお母さんは
また不気味に笑って四つん這いで近寄ってきた。
―怖い。
「あんたがこの世にいるせいでっ私はっ全てを失ったっ!」
そして
すぐそこにあった包丁を出して私に向ける。
「まっ・・・・待っておかあさ・・・」
「ははっ」
お母さんの不気味な笑い声と
震えて震えて何も考えれない私。
「おかあさん・・・・」
私は震えて必死に逃げようとしたけど
怖くて逃げれない。
「あんたなんか消えればいいのにね。」
その一言を言い放ったお母さんは
包丁を投げ捨てて部屋を出て行った。
ザーザー・・・・
止まない雨の音。
暗い部屋の中。
ただただ震えている私。
「うっ・・・・」
涙がこぼれてきた。
あんなに優しかったはずなのに。
お母さんのあの視線。
目をつぶっていても開けていても
あの暗い部屋とお母さんのあの顔。
怖くて怖くて。
何もかも怖くて。
もう私には何もないんだね。
家族も友達も居場所も。
だったら全てが消え去ればいいのに。
―私が真っ先に消えればいいのかな。
――はいっ!
3話終わりました←
無視に引き続き虐待―。
秋穂の人生はどんどん壊れていきます。
4話ではどんな事件が
秋穂を待ち受けているのか―。