見えない傷
いつからだろうか。
毎日が退屈になり、
生きるのが苦痛になり、
学校に向かうのも何もかも
消えればいいと願うようになったのは。
――秋穂小6・春――
「あーっきほ!おはよう(^^)」
「秋穂!昨日のドラマ見た!?」
「秋穂~!宿題見せてー(汗)」
私は、クラスの人気者的存在だった。
毎朝、教室に入ったとたんにいろんな人から
話かけられる。
「秋穂ってさー小さくて可愛いよね」
「それでちょっとツンデレなところが////」
「頭良いし!それに運動神経良いしね!」
皆から信頼だった高かった。
クラスの皆友達だけど、親友だってちゃんと居た。
毎日がすごく充実してて
生きるのも楽しくて
学校に向かうのだって幸せだったし
人類滅亡とか考えるだけで怖かったくらい。
だけど運命の歯車は狂いだしていたのだった。
――秋穂小6・夏――
私の夏休みは毎日が勉強だった。
両親が有名中学校出身で
私にもそこに行ってほしいと
進学塾に通わせた。
もともと頭はいいほうだったから
夏からでも全然間に合う。皆そう思っていた。
私はというと
遊びたくて遊びたくてたまらなかった。
皆からの誘いのメールを断るのだって辛かった。
勉強なんて嫌だよ――。
そう思い始めた夏休み後半。
小学校の祭りと塾がかぶってしまったけど
私はどうしても祭りに行きたくて
親に内緒でこっそり行くことにした。
珍しく皆から誘いがなくて不安だったけど
メールを一斉送信。
『今日の小学校の祭り、皆で行かない(*´ω`*)?』
――祭りは6時から。
メール送信したのは昼の1時。
今の時間は5時・・・。
「返信まだ来ないのかな.....。」
私はため息をついた。
もしかしたら皆メールに気づかずに祭りにいるかもしれない。
祭りはザワザワしてるし着信音にも気づかないはず...!!!!
そう思った私は急いで小学校に向かった。
祭りは既に始まっていて、たくさんの人がいた。
「こりゃあメールに気づかないよね。」
いろんな屋台を見ながら、皆を探した。
「見つけた!」
私は驚かそうと、ゆっくり背後に回った。
すると――・・・
「そういえば、今日秋穂誘わなくて良かったかな?」
「えー。でも最近さ、付き合い悪いじゃん?」
「中学受験するんでしょ?秋穂頭良いじゃん」
「頭いいのにまだ塾行くんだねー」
「ちょっとむかつかない(笑)?」
「うん・・・夏休み入ってから好きじゃなくなった」
――え?
「じゃあさじゃあさ!夏休み明けたら秋穂の事無視しようよ」
「いいよ!むかつくからねw」
「どうせ2学期からも塾とかで忙しいだろうし」
「放課後とかもさっさと帰ろう!OK?」
「りょうかーい★」
――どういう・・・こ・・・と・・・?
私は怖くてその場にしゃがみこんでしまった。
今までずっと仲良くしてきてたのに?
こんなので終わってしまうのかな。
涙がこぼれてきた。
怖いよ、怖いよ、怖いよ・・・・・。
立ち去ろうとしたら足が震えてこけてしまった。
すると、みんなに気づかれたしまった――。
「あ・・・秋穂?」
「何してんの~?塾は?」
「あ・・・えっと・・・」
「もしかしてサボり?秋穂のくせに?」
「良かったら一緒に屋台回ろうよ~」
さっきまであんなこと言ってたのに・・・?
私は立ち上がって、
何も言わずに走った。
怖いよ。皆怖いよ――。
――秋穂小6・冬――
2学期から一斉に無視が始まった。
それも、いじめではない。
ただの無視。無視いがいに何もされない。
私の存在自体を消されていった。
それは、私にとって最も怖いものだった。
あんなに楽しかった学校も、
今じゃすごく怖くて。
怖くて怖くて怖くて。
だけど誰にも相談出来なかった。
両親に一度は相談してみたけれど。
「そんなのほっといたらいいじゃないの」
「どうでもいいからそんな事放っておいて勉強しなさい」
「そうよ。むしろいいんじゃないの?勉強に集中できるじゃない」
先生にも相談してみた。
学級会も開かれた。けど2時間皆黙ったまま。
先生のため息、皆のイライラ。
結局何もならなかった。
後日、先生には
「皆がそういうことをする訳ないだろ?たまたま無視してしまっただけかもしれない。お前の思い込みかもしれないだろ?」
――そうなんだ。
今更気づいてしまった。
私には見えない傷がついていく。
毎日毎日――。
勉強なんかに集中できるわけもなく。
成績はどんどん落ちていき
塾もサボるようになっていった。
誰も信じられない。
信じたって傷つくだけじゃないか――。
2話!いかがでしたか(`・ω・´)?
秋穂は過去にいじめられていたのです――。
見えない傷をたくさんおった秋穂はどうなるのでしょうか。
3話もすぐに投稿します!