3.少女の小さな冒険
ちょっと最近睡魔に襲われやすいです
あれ?僕は1人でゴブリン退治をしに来たはずなんだけど…なんか一人変なのが着いてきてないか?
なぜかは分からないが僕の後ろにずっと着いてきてる男がいるみたいだ。
なんでわかるのかって?
それはココ最近の訓練の成果が実って近くにいる人の気配が何となく掴めるようになったんだよ。
っと一旦この話は置いといて今はこの男をどうするか考えないとね。
殺意とかは感じないから殺す気は無いのかもしれないけどとそんな話をしていたら男がいきなり話しかけてきた。
「あの!」
『はい、なんでしょうか?』と一応警戒は怠らずに男に返事を返した。
見たところこの男は僕と同い年ぐらいにみえる。
武器も隠し持っているような感じはしない。
見た目は短めの黒髪、ボロボロの服を着ていてかなり痩せている他には…。
そんなことを1人で考えていると彼は「助けて欲しいんです!」といきなりそんなことを言ってきた。
はぁ!?僕が誰を?助けるの?そもそもまだ体も出来上がってないし大人とかと喧嘩とかになったら負けてしまうような強さだ。
だとしたらやっぱりこの子の役に立てそうにないな。そう考えて僕は『すみません。僕ではお役に立てなさそうなんで他の大人の人とかにお願いしてみたらいいんではないですか?』とそう聞くと彼は「もう時間があまりないんです!だからお願いします!」
ん?もう時間が無い?どういうことだ?この子は何か時間制限のあるものでも探してるのかな?まぁとりあえず『僕はこれからゴブリンを倒す予定があるので他の人に頼ってください。』そういうと彼は「あの僕が助けて欲しいのはそのゴブリンのことです!」
ん?は?どういうこと全然頭が整理できない。彼はゴブリンに何かをしないといけなくてそれが急ぎ?みたいな感じかな
『はぁ…一応話だけでも聞きますよ。』
「あ…ありがとうございます!」とそんな嬉しそうな声を出し彼は語り始めた。
彼の住んでる村のハルビ村には彼といつも一緒にいる友達がいたそうだ。
彼らはよく二人で近くの動物とかモンスターを倒して遊んでいた。
だけどある日、いつものようにゴブリンを倒していたらホブゴブリンが現れた。
彼らは為す術なく蹂躙され、彼の友達は食料としてゴブリンの巣に持っていかれたそうだ。
そしてどうしようか悩んでいた時に僕を見つけて声をかけたってことらしい。
まぁ内容は理解したけど自業自得じゃないか!ゴブリンを狩っていたのに自分達の狩られる可能性を想定していなかったのか。
『まぁとりあえず話はわかりました。
でも正直僕はあなたの身の上話にも経緯にもそこまで興味はありません。
貴方達が負けたのだって貴方達の自業自得でしかないからです。
そもそも助けて欲しいのなら僕に交渉をするべきだったんじゃないですか?』とそう捲したてる僕に彼は「え?えっ?えっ?」とそんな声を漏らしていた。
どうせ彼は同じ人間だから助けるのが当たり前とでも思っていたのだろう。
僕は死にたくない、だから命をかけるならそれ相応の見返りが欲しい。
あの屋敷の人達は衣食住を護衛の仕事の見返りとして僕にくれてる。
だから僕は彼らに付き従うしミラ様には外の世界を知るきっかけをくれた人だから恩もある。
でも僕は今目の前にいる男の子に何の思い入れも恩もない、助ける理由がないのだ。
と頭の中で一人で思考していると「あの!わかりました!僕の友達を助けてくれたら、お金を毎月銀貨1枚送ります。それでも足りなければ僕達があなたの命令を聞きます!なのでどうかお願いできないですか?」それに僕は少し考え、『まぁいいですよ。』と答えた。
そもそもこの子の話を聞いた時から断るつもりはなかったけど彼には助けてもらうことが当たり前かのような節があった。
あのままじゃ彼はずっと施しを当たり前と感じようになってしまうと思ったから少し文句を言った。
この森にゴブリンが出るならその上位種がいる可能性も考えておくべきだ。
彼の友達がもう食われてる可能性だってあるんだ。
もっと丁寧に彼らは動くべきだったと思うよ。
それも少しは理解してくれるといいな。
まぁとりあえず作戦かなんか立てますか。
あんまり時間もないみたいだし急がないとね。
と僕はそう考えながら彼と友達を助ける方法を話し合うのだった。