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1.少女は幸せを夢みて

あまり文章を書くのが得意ではないのですが、見て面白いなっと思ってくれるとありがたいです。これから暇があれば書いていこうと思います。

僕は物心着いた時には奴隷?ってやつだった。

僕らは売り物らしい。

僕と同じ檻に入っているお兄さんがそんなことを言っていた。

たしかにこの前までは檻にいた子達がいつの間にかいなくなっているというのはよくあることであった。

お兄さんは奴隷落ち?と言うやつらしい。

お兄さんは元々冒険者?だったみたい。

それがなにかは僕には分からなかったけどお兄さんの冒険者だった頃の話を語る時の顔が楽しそうで嬉しそうでそれが少し僕には羨ましく感じた。


「外の世界はとても綺麗だ。」


お兄さんはいつもこの言葉を喋る。

僕のみたことも無い世界だったがお兄さんが話してくれる話を聞いているうちに僕は外の世界に憧れを持つようになった。

檻の中が悪辣な場所だって言うのはお兄さんの話を聞かなくても薄々気づいていた。

奴隷を買いに来る人達は僕らが来ているボロ布みたいな服ではなく綺麗なものを着ていたから、だから檻の中は1番下なんだとそう心の中で思っていた。

でもこの檻から出る方法はないだろうと心の中で諦めていた。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ある日、お兄さんが買われた。

どうやらお兄さんの幼馴染というのがお兄さんを見つけて買ったらしい。

お兄さんの話をもう聞けないと思うと少し悲しかったけどお兄さんの嬉しそうな顔を見た時僕は何も言えなかった。

お兄さんはもう居ない、話し相手が居ないそれは酷く悲しく空虚なものだった。

でも涙は出ない、出したら怒られるから、殴られるからだから泣くことは出来ない。

僕はお兄さんの笑顔と今の自分を見て改めてここは最底辺の場所だと思った。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

それから数日後、僕も買われたらしい。

でも今回は貴族?という人が買ったらしく僕は逃げないように縛られながら馬車で移動していた。

でも初めての外の世界に心が躍っていた。

今までお兄さんの話でしか出なかった世界が目の前に広がっている。

それは美しく雄大で見るものを魅了する、そんな場所だった。

僕はこれからが楽しみに感じていた。

そんな様子を見てか僕を見張っている人が僕をバカにするような口調で話しかけてきた


「お前も可哀想だな、これから行くところがどんなに酷い場所かも知らないのに」


『え?』


僕は思わずそんな言葉を口にしていた。

だって僕の思い描いていた世界を今目の前の男は否定してきたからだ。

その貴族?っていうのはお金持ちで人の上に立つものらしい、だからそんな人のものに行けば楽しい生活が待っているだろうと僕はそう思っていた。

ペットのような扱いかもしれないがそれでもいいと思っていた。


「今回お前を買ったの人はお前の顔目当てらしいからな、残念だな。」

「お前を買った貴族は幼女趣味があるらしいからな。」


そう言われ僕は絶望した。

これからの楽しい生活というのが一気に欲にまみれた道具にされている自分に置き変わったからだ。

僕の顔が青ざめ震えているのを見て男が笑いながら喋りだした。


「奴隷が一般人と同じ生活をできると本気で思っていたのか?おめでたい頭だなぁ。お前とよく話していたあいつみたいなのはほぼ奇跡なんだよ。」

「ましてやお前みたいな赤子の頃からここにいるようなやつには縁のない話だな」


『あぁあぅ…』とそんな声にならないような声が出てきた。

その時の自分がどんな顔だったかは分からないがおそらく死んだ魚のような目をしていたんだろう。

もう自分はダメなんだと思った。

悲しいと言うよりは諦めと言った方が正しかった。

そこからの道のりはほとんど記憶がなかった。気がついた頃には目の前に大きな館が見えていた。

そこには黒い服で身なりの整った若い男性がいた。

その男性は奴隷商と少し話しをして僕は引き渡された。

その後檻の2倍くらいの部屋の中で執事に様々な質問をされていた。


「お前の名は?」


『うぇ?…いや…あのぉえぇと…ありません。』


「出身は?」


『……分かりません。』


「年齢は?」


『…分かりません』


そんなボロボロの返答しかできない僕を見て執事は「はぁ…」と溜息をつきながら僕に話しかけてきた。


「お前は何も知らないんだな」


『あのぉ…えぇと……すみません』


と謝る僕を見て「別に怒っている訳じゃないんだ」とそう言う黒服の人は少し戸惑っているようだった。

僕はその男の人がなんだか不思議で何故かとても安心した。

そこからしばらく沈黙の後、他の人が入ってきた。

杖を着いたおじいさんと綺麗な装飾のされた服を着た女の子が出てきた。

そのおじいさんは席に座ると一言こういった。


「お前にはうちの娘の護衛をしてもらう。」とそんなことを言われた僕はぽかんとした顔をしていたんだろう。

その顔を見ておじいさんは「安心しろお前をとって食うつもりは毛頭ないからな。お前を買った理由は娘が大人が護衛につくのが嫌だと言うからだ。」とそう僕が思っていたことを見抜かれていたのか僕を買った理由を話してくれた。


『あのぉ…護衛というのは?…』僕がそう聞くと女の子が「私のことを守るってことよ」とそう言ってきた。

その後黒服の人が僕に説明をしてきた。

要約すると娘が大人の人や男の子に護衛されるのを嫌っているから女の子を買うことにした、その女の子には学園でも護衛をさせるから虐められぬように顔の良いものにしたとそんな感じらしい。


「で、お前は受けてくれるかな」とそんなことを聞かれた。

まぁ買われた僕に拒否権なんてないんだけどね。そんな僕の答えはもう決まってる。『もちろ受けます。』とそういうと女の子はにっと笑って僕の手を引っ張って「よろしくね!」とそういうのだった。






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