表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界リロード 〜没落貴族ですが、現代FPS知識で戦場を無双します〜  作者: 雪消無
第2章:『王都の英雄と、新たな仲間たち』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/161

リシアの秘密の訓練

 王都での生活が落ち着きだしたある日、俺はリシアの光魔法の才能を伸ばすための「秘密の訓練」を始めた。


「いいか、リシア」


俺は庭の木に印をつけ、リシアに指示を出した。


「光魔法はただ闇を払うだけの魔法じゃない。『サポートアイテム』だ」


「サポートアイテム...?」


リシアが首をかしげる。


「まずは、『エイム練習』だ」


俺が木の印を指差す。


「あの印に、魔法を一点集中させて当ててみて」


リシアは、俺の奇妙な指示に首を傾げながらも、光の球を作り出し、木に向かって放った。だが、光の球は不安定に揺れ、印を外してしまう。


「違う」


俺が訂正する。


「光の球を放つんじゃない。光の矢を放つんだ。そして、ターゲットに当てるまでの『弾道』を意識しろ」


俺は、FPSの狙撃手スナイパーの動きを真似て、片目を瞑り、指でターゲットを指し示した。


「こうやって、狙うんだ」


リシアは、俺の指示通りに光の矢を作り、放った。

すると、その光は、先ほどよりもまっすぐに飛び、印の近くに着弾した。


「すごい!お兄様、すごい!」


リシアは、自分の進歩に目を輝かせた。


(よし、手応えがある)


俺は、彼女の才能が、FPSの訓練によって、驚くほど効率的に伸びていくことを確信した。


次の訓練は「カバー練習」だった。


「ガロウ、悪いけど攻撃を仕掛けてくれ」


「分かりました、レナード様」


俺は、ガロウに剣で攻撃を仕掛けるよう指示し、リシアに命じた。


「リシア、俺の『カバー』として、光の壁を作れ」


「は、はい!」


ガロウの剣が俺に迫る。

リシアは、恐怖に震えながらも、教わった通りに光の壁を展開した。その壁は、ガロウの剣をしっかりと受け止め、俺を守った。


「素晴らしいぞ、リシア!」


俺は興奮して叫んだ。


「ガロウの攻撃を、完璧に『ブロック』した!今のは、最高の『連携』だ!」


俺は、まるでゲームで勝利したかのように興奮してリシアを褒め称えた。リシアは、自分の魔法が俺を守れたことに、大きな喜びを感じたようだった。


「お兄様を守れました...」


「ああ、完璧だったよ」


(リシアの才能、すごいな)


 そんな秘密の訓練が続くある日、リシアが一人で庭を歩いていると、突如、訓練用の魔法が暴発し、彼女に迫った。


「きゃあ!」


彼女は、恐怖で体が硬直する。

だが、その瞬間、俺との訓練を思い出した。


(『カバー』しなきゃ...!)


リシアは、無意識のうちに光の壁を展開し、魔法の爆発から身を守った。


「リシア!」


訓練場に駆けつけた俺は、無事だったリシアの姿を見て、安堵の息を漏らした。


「大丈夫か!?」


「お兄様...私、守れました」


そして、彼女が自分自身を守ったことを知ると、俺は誰よりも嬉しそうな顔をした。


「リシア」


俺が彼女の肩に手を置く。


「リシアはもうただの『回復役ヒーラー』じゃない。立派な『戦術的サポート』だ!」


俺は、心から誇らしげにリシアの頭を撫でた。

リシアは、俺から教わった「秘密の訓練」が、自分をこんなにも強くしてくれたことを知り、俺への尊敬と愛情を一層深めたようだった。


「お兄様...ありがとうございます」


「いや、これはリシアの努力の成果だ」


彼女は、俺に守られるだけの存在ではなく、共に戦う「仲間」になることを、心に誓ったのだろう。


(よし、これでリシアも立派な戦力だ)


 俺の『パーティー』は、また一人、強力なメンバーを得た。そして、この『ゲーム』はますます面白くなってきた。


(さあ、次はどんな展開が待ってるんだ?)


新たな冒険への期待に胸を膨らませていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ