黒龍会
「なぁ…本多ってさ。暴走族やってるって言ってたけどどんなチームなの??」
「ん?暴走族というか愚連隊かな。あ…でも別に一般人に迷惑かけてるってわけではないから。」
「じゃあ、何やってんだよ。暴走族って言ったらバイク乗り回してる奴らのことじゃない
の?」
「だから、愚連隊だって。うちの地域は暴力団に人生を狂わされた奴らが多くてな。うちのメンバーにも家庭崩壊した奴がいる。無理心中しようとして生き残っちまった奴もいる。俺達はこれ以上そんな奴を出さないために暴力団から地元を守ってんだよ。」
「その代わりにみかじめ料もらってんの?」
「みかじめ料っ言うなよ。小遣いだ。地域の人達だって喜んでくれてんだぜ?」
「チーム名は?メンバー何人ぐらいいんの?」
「黒龍会ってチームで。メンバーは、100人ぐらいかな。俺がいた高校の不良メンバーで結成したチームだからな。」
「へぇ〜。よくそれだけの人数がいて、地域からの小遣いだけでやれてるな。」
「地元にあるデカい企業の御曹司がメンバーにいるんだよ。そもそも、そこに手をつけようとしたやつらとぶつかってから結成したんだ」
「へぇ…(面倒そうだな)」
「なんだ?入りたいのか?」
「バカ言うなよ。俺の親父はこの県の警察署長だし、母親は刑事課の警部だぜ?」
「凄!警察一家ってわけかよ。」
「というわけで、お前らのチームに入るわけには行かない。だが…まあ関わるくらいなら問題ないかもな。」
「なら今度、案内してやるよ。いつがいい?」
「なら次の休みにお願いするよ。」
「わかった。よろしくな!」
そう言って、本多はでていった。
忙しいやつだな。だが…面白い。
直接チームに入らなくても、彼奴等を表に
立たせて裏から組織をデカくして県内の不良を統率すれば、犯罪率は低下するんじゃないだろうか…
ちょっと父さんに相談してみよう。