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悪役令嬢だって冒険したい!  作者: sey
1章 転生~学園入学
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4話 隠蔽とこれから

遅くなりすみません。更新です。

---父・カラン視点---


シオンが部屋を出て後に大きなため息が出る。

まさかシオンの魔法の系統が「闇」系統だったなんて…


「神父様。とっさの対応ありがとうございます。」


「いえいえ。それよりもご息女様が『闇』系統だとは。心中お察しします。」


「本当にありがとうございます。その、よろしいのですか?教会が闇系統を庇うのはー」


「いえいえ。私とあなたの仲ではないですか。それに教会が闇系統の人を断罪する文化は私は好きではないのですよ。魔法は授かり物。闇系統であれ、神より授かった立派な力だと私は思っているのです。決して魔族の証明ではない。逆にそちらこそよろしかったのですか?闇系統よりマシとはいえ、魔法を持っていないというのも世間の風当たりは強いのでは。」


何故、闇系統の魔法で焦るのか。

それはこの国の歴史に関係がある。

大昔、この国は冒険者が建国した国だが、それとは別に魔王と勇者の伝説がある。魔王の使っていた魔法が闇系統だったのだ。その事実のせいで闇系統の魔法を持つ人は魔王の仲間、魔族として討伐されてきた歴史がある。魔法の系統はほとんど遺伝だ。優秀な人は隔世遺伝として二つ以上持ったりする。歴史のせいでここ数百年ほど、闇系統の魔法を持つ人が生まれてこなかったのでそういった動きは世代を超えて薄まってきてはいるが、騒ぐ人は騒ぐ。娘が闇系統だと知られれば命を狙われることになるのだ。それだけは許せない。大事な娘なのだ。

だったらまだ無能の烙印を押される方がいい。平民でさえ魔法が使えるこの世界では魔法が使えない人は蔑まれる。だが、命を狙われるよりかはマシだ。そして魔法が使えなえなくても優秀な人を私は知っている。だから大丈夫だ。自暴自棄にならないように私が支える。


「はい。ですが命を狙われるよりかはマシでしょう。幸い、私達は貴族だ。どうとでもなる。権力で黙らせればいい。」


「ふふ、しかたないとはいえ珍しいですね。あなたが権力を振りかざさすのは。昔は嫌いだったでしょうに。」


「もう大人になったのですよ。いつまでも学生ではない。あなたも今では立派な神父様ではないですか。王都の教会の神父様なんてかなりの高い地位におられるのでしょう?」


「そうですね。この地位にいるといろんなことができますよ。この力は私の野望のために使いますよ。」


目の前にいる神父は私の学園からの友人だ。同じパーティーを組んでいた仲間だ。腐敗していた王都の教会を改正させた人格者でもある。なので信用できる。この人の言う野望とは、例え立場の弱い人でも優秀な人であれば支援する制度を作りたいらしい。


「流石ですね。その時は協力させていただきます。ちょっとこれからについてお話したいのですが―。」



大丈夫だシオン。私がお前を守るからな。



---シオン視点---


これからどうしよう。


屋敷に戻ってしばらくした頃。

ベッドで私は寝転がって考えていた。


なんで私は魔法が使えないの?ラスボス戦ではあんなにバンバン魔法を使っていたのに。

ということはラスボス戦の時の力は魔物化するときに得た力ということなのね。


じゃあ私が復讐だとかなんだかそんなこと言っていたのは魔法が使えないことでの差別的な?

そんなことで私は大事件を起こすの?


うぅ~ちゃんとストーリーを追っていれば…。


いやでも待てよ?各地で起こす事件の裏では私が関与してたみたいだし、ゲームのシオンは策略とか考えるのは得意なのかな?

私はあまり得意ではないんだよな~。


うーん。


うんうん唸っていると、ノック音が聞こえてくる。


「お嬢様。旦那様とレン様と奥様が帰られました。」


私の母と兄は王都にある屋敷に住んでいる。

そうだ。ほんとは儀式をやった後、しばらく会っていなかった母たちと顔を合わせる予定だった。

でも急遽、領地に戻ることになって。私のために会いに来てくれたのかな。

そう考えながら玄関で両親たちを出迎えた。


「お帰りなさい、お父様、お母様、お兄様。お久しぶりです。」


「ただいま、お久しぶりね。シオン。大丈夫。大丈夫よ。私たちが守るわ。」


そういって急に母が私を抱きしめる。


そのあとに続いて父と兄がやってきた。


「久しぶりだな。シオン。元気にしてたか。結果は帰りの馬車できいたよ。」


「先に帰らせて悪かった、シオン。ここで話すのもあれだ。夕食の席でこれからについて話そうか。」


そうして屋敷の使用人たちに夕食の準備をしてもらい始める。

他のみんなは自分の部屋に戻って支度を整えて、そして夕食の時間になる。


久しぶりの家族そろっての食事だ。


席について食事を始めると父が言った。


「アイビー、レン。帰りの馬車でシオンの魔法授与儀式の結果については説明したね。」


「えぇ、シオンは魔法が使えないのよね。でも大丈夫よ。魔法が使えなくても私たちの家族には変わりないわ。」


「あぁ。その通りだ。だが、すまない、実は馬車の中で話したことは嘘だ。」


そして父は一呼吸して


「シオンすまない。実はシオンは魔法を授かっているんだ。だがシオンが授かった魔法は闇系統だ。」


そういった途端、母は焦った表情で立ち上がる。

兄も困惑した表情だ。


そんな二人の様子を見て、なぜ闇系統でそんなに慌てるのか困惑しつつ、内心魔法は授かっていた事実に喜んでいた。


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