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『何がなんでもミステリー作家になりたい!』で気付く

何がなんでもミステリー作家になりたい! …わけではない。いや、作家になりたくないのではなく、僕はあまりミステリーの人じゃない、という話なのである。けど、『何がなんでもミステリー作家になりたい!』(鈴木輝一郎著 河出書房)を読んでみたら、気付くところが結構あった。


まあその前にこの鈴木輝一郎氏、なかなか凄い人だ。冒頭で、2013年 受賞一人 予選通過八名、14年 受賞一名 予選通過十名、15年 受賞二名 予選通過二十四名、16年 デビュー四名、受賞三名、予選通過二十五名、17年 デビュー三名 受賞一名 予選通過三十三名――という、自らの小説講座の実績をあげている。いやあ凄い数だ。


この人自身も作家なのだが、寡聞にして作品の方はほとんど知らなかった。けど図書館在庫としては、結構、冊数はあった。で、まあこの人がこの本のなかで、どういう事を書いてるか……という事を書きたいのではない。別に要約したいわけでなし、詳細を知りたい人は多分、図書館にあるよ。


僕が読んでて「あ」と思ったのは二点。えー、事件解決にはハードルが必要なのだが、そこで『ダーティーハリー』の例をあげている。ダーティーハリーは非合法な手段もいとわず、悪党どもと戦う。普通、そのハードルは「悪党」あるいは「敵」だと思うだろう。


けど、ここで鈴木氏はハリーのハードルは「刑事訴訟法」」だ、と看破しているのである。『非合法な手段で得られた証拠・自白は、裁判では証拠と見做されない』というのが、そのハードルだというのである。……そうか! と思った。


いや、考えてみれば『踊る大走査線』だって、ハードルは犯罪ではなく、警察組織それ自体だったわけである。その新しさがウケた理由だ。一見、ハードルというと物理的なものを考えがちなのだけど、そうじゃないハードルもあるよ、という事に改めて思い至った。


もう一つ。ストーリーの構成を『設定→対立→解決』と解説している。僕はミステリーというのは、『設定→謎→解決』なんだと思っていた。しかし「対立」か! 普段、チャンバラばっかり書いてるのに、そこに思い至らないとは。ミステリーであったとしても、やはり「対立」が必要だと気づかされたのだった。


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