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『特命指揮官』を読む

本当は、『警視庁捜査二課・郷間綾香 特命指揮官』っていう長い題名なんだよ。作者は梶永正史さん。この本、第12回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞して、これがデビュー作なんだそうである。


うん、面白かったです。ただ、ちょっと最初に「?」な点を書いておきたい。この作品ではなく、解説の方でね。解説は大森望さんが書いてるんだけど、美人なんだけど婚期を逃したとか陰口をたたかれるちょっと残念なヒロイン、郷間綾香が魅力的だと書いている。


選考の際にも一番評価されたところはキャラクター造形で、なかでもヒロインの郷間綾香がいい、という評価なのだが……そうなのか? いや、ちょっと僕には判んなかった。いや、悪いわけではいんだけど、物語の狂言回し以上の魅力は感じなかった。


よく判らないな。なんか婚期を逃したのを周りに揶揄されたり、面倒くさがられてる状況に内心でツッコミを入れるところが新しかったんだろうか? う~む、けどマンガやライノベに慣れてる読者なら、むしろ普通の範疇だと思ったんだが……。選考委員が、あまりそういうものに触れてなかったのか?


というか、このヒロイン、結局、問題を解決しないのね。で、そこでラストに行きつくまでの過程で、何か特別な能力を見せるのかと思いきや、それもない。僕は、「このヒロイン、いつになったら活躍するの?」と思いながら読んでて、結局、活躍せずじまいだった。逆に、僕はそれが残念だったんだが。


ただ。小説自体は面白く読んだ。警察がすぐ傍にある銀行に強盗がたてこもる。しかも何をするかと思いきや、指揮者をヒロインにしろと交渉相手を指名する。で、事態はこの硬直状態からほとんど動かない。


犯人は動かないんだけど、警察の方では色々動いていて、色んな目論見、真相が明らかになってくる。仕掛けは大掛かりで大胆。その運び方、手際は見事で面白い。ただ、この事態の真相に関しても、ヒロインは蚊帳の外なんだよね。


だからヒロインはどちらか言うと、事件を一番中心で目撃した目撃者に過ぎなくて、そこが僕は不満だったんだけど。……まあ、人の評価は判らない。


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