誰の夢?
ちょっとイラッとしたニュースがある。賑やかに連日報道されてるパリ五輪だが、その中で体操の報道があった。それが中国の選手が二回、鉄棒に失敗したために中国は団体総合の金メダルを逃した事に関してだ。
この失敗した蘇選手に対し、SNSで「チームメイトが彼の巻き添えを食った」「謝罪に誠意がない」「腕が体操選手とは思えないほど貧弱」「コネで選ばれたのでは?」というような選手を断罪し、非難する暴言が書きこまれた。
中には中国が逃しただけでなく、日本がメダルを取ったことから、この選手を「民族の罪人」とするような言動も現れた。けど体操選手として優れていたから五輪代表になったんだろうし、コネで選ばれるわけないだろ、とか他国のことながら思う。
正直、謝罪する必要があるかどうかも僕は疑問だが、恐らく最も申し訳ない気持ちでいっぱいになって謝罪したことだろう。それを「誠意がない」とは何だ? 少なくともチームメイトには謝罪が必要だろうが、何故、国民に対して謝罪が必要だろう。
日本でも似たような風習があって、「皆さんの期待に添えず、申し訳ありませんでした」などと選手が謝罪してる場面をよくみる。けど、期待は勝手に見る側がするものであって、選手がそれに対して責任を持ってるとは僕は思わない。
しかし驚いたのは、国営通信新華社のコメントだ。なんと言ったか?
「蘇の度重なるミスが、みんなの夢を徹底的に砕いた」
と書いたのだ。これだ。これを聞いてイラッとしたのだ。百歩譲って、一般人が勝手で狭量なのは仕方ないとしよう。しかし国営の報道機関が、「みんなの夢」などという言葉を使って、選手を非難するとは。
「みんなの夢」って何だ? 競技で結果を出すのは、選手の夢だろ。こちらはテレビの前に座って、勝手なことを言ってるだけで、それだけで「みんなの夢」? 捉え違いも甚だしい。「いや、金を出してるから」とか言う奴もいそうだが、勝負には勝ちもあれば負けもある。負けが見たくないなら、見るな、と言いたい。




