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イメージ戦略

ちょっと困ってることがある。米国のハリス副大統領のことだ。どうやら大統領選に出るらしい。何故、困るか? 実は拙作『レナルテで逢いましょう』は、終盤に米国初の黒人女性大統領の暗殺計画を阻止する―という話がある。設定は今から20年後…2044年くらいのイメージだった。


もし、だ。ハリスが大統領になったら――米国初の黒人女性大統領が誕生してしまう! ああ、僕の書いたSF小説を、現実が追い抜いていく……。いやあ、書いた時は「もう20年くらいは黒人女性大統領は出ないだろう」とか思ってたのだ。それがもう、ひっくり返るかもしれない。まあ、いい事だとは思うが。


で、ハリスにちょっと感心したのは、自身とトランプとの対比だ。曰く「過去に焦点をあてるトランプか、未来に目を向ける自分か」と。保守――特にトランプは『強かったアメリカ』を懐古する。まあ、過去と言われても仕方ない。


しかし実際に政策を始めたら、利権団体や圧力団体、ロビイストの要望などがあって、両者ともそれほど変わらない政策になる可能性だってある。が、重要なのは、それらの複雑な事実関係を簡単で判りやすい対立図式に還元した事だ。


『広重ぶるう』では自由に描く北斎、商売に徹する国貞と図式を出したが、実際には広重だって実際の風景より自由に描いてるし、商売の路線に沿って名所絵を描いた。どっちつかずのようで、どっちもやってる。というか、その図式が判りやすいイメージ戦略だという事だ。


創作を人の心に落とし込むには、こういう単純化、図式化が有効に働く。これが上手にできると、対立図式のなかで作品の主題を展開できる。今、こういう事を凄く上手にやってるのは、池井戸潤かもしれない。


ただ注意すべきなのは、その単純化、図式化が、例えばドラマ化などされた時、原作の主題を損なうようなケースだ。原作者には明確なテーマがあり、あるものは是で、あるものは非だったにも関わらず、プロデューサーや脚本家は、全くそれを逆に捉えて表現してしまうかもしれない。


まあ、何にしても現実というのは中々に複雑だ。それを何とか判りやすく捉えようとする試みが、そもそも創作物の本領なのかもしれない。


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