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『広重ぶるう』に泣く

全三回の『広重ぶるう』を見終わった。…いや、泣くでしょ。それに初回からちゃんと面白かった。久しぶりに、いい時代ドラマを見た。


最初は広重は侍の仕事として火消しの仕事をしている。絵はあくまで副業だ。けど、本当は絵が好きなのだ。そして広重と妻・加代の間には子がない。広重は養祖父の後妻に子供が生まれ、家の中でちょっと厄介者の感じになっている。


そんなまだ絵師として全く無名の頃から話しは始まるが、重要な登場人物として葛飾北斎と歌川国貞が出る。北斎は風景画でも、本当に見えるようには描かず、描きたいものを描きたいように描く自由人。


対して国貞は売れたから美人画を描き続けているという職業絵描き。そういう両極の二人を見せて、自由にも商売にも傾けない絵師としての自分を、広重は忸怩たる思いで噛みしめる。……のは、いいが。


もう、この初回だけで正直、身につまされた。一般小説ほど堅めにもいけず、かといってライトノベルにも徹しきれない自分を見るようで、ちょっともう穏やかな気持ちで物語を追えなかった。他人事ではない、とはこの事だ。


それでチャンスを掴むために画会みたいのを開くんだけど、これが金がかかる。それで優香さんに相談する訳だね。「なんとかなるか?」すると優香さんが言うわけだ「承知しました」。


この「承知しました」が一つの重要なキーワードで、加代という奥方を象徴するセリフだ。何があっても文句を言わず、広重の無理にどうにか応える。そんな献身的な賢妻を優香さんが、爽やかな明るさと気品をもって演じてくれた。もう、主役は優香さんだった。素晴らしく魅力的な女性だった。


加代さんが質屋通いしてるのも知らず、いい加減先が見えない自分に嫌気がさして雨に濡れる広重の元に、傘を持った加代さんがやってくる。それで広重は言う訳だ。「俺ぁもう、きっぱり止める」もちろん、絵師をだ。加代さんが言う「承知しました」けど、ここで言うのだ「武士のお勤めを、でございますね」。


え? そっち? いやあ……上手いわ。で、最後は泣いた。そりゃあ泣くよ。


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