『先輩はおとこのこ』にやられる
『先輩はおとこのこ』の第一話を観て、「やられた!」と思った。なにがって、構図である。主人公は可愛い美少年。それを「俺が守る」とか思ってる幼馴染。そして美少年を好きになる女の子。そういう微妙な三角関係。
…これ、最近、僕が連載し始めた『まやかし幻士郎』とそっくりの構図だ。いや、向うの方がどっかで連載してたんだから先行作品なんだろうけど。けど、もうちょっと早く始まってれば――。もしかしたら『幻士郎』は、まったく違うキャラ達で始めたかもしれない。
まあけど、こっちはバトルメインで三角関係やジェンダーメインじゃないし。というか、主人公が女装してることを、どうやら親に隠しているあたり、ジェンダー問題としては『先輩』の方が明らかに踏み込んだ描写だ。
…敗北。敗北感だよ。僕の方はある意味「味付け」で幻士郎を美少年にしただけで、彼を中心に重要なトランスジェンダーの問題に踏み込もうとか、そういうつもりは毛頭なかったからだ。向うの方が、作品として踏み込んでる。
本当のトランスジェンダーの問題を取り上げるには、ちょっと荷が重い。ちょっと前にYOU TUBERの『じんくん』(今は杉本凛)という人がいて、この人が男の子なんだけど、凄く可愛いかったのだ。で、街にいたらどれくらいナンパされるか、みたいな企画をやっていた。
僕はそれを見て、「すげぇー、男の子なのに本気に可愛い」とか感心していた。実はちょっと、それくらい美少年である彼に羨ましさを覚えていた。ところが、である。そのうち彼が、大事な告白の動画をあげた。
簡単に言えば彼は「女装男子」ではなくて、「本当に女の子になりたい男の子」である、という事を告白してホルモン注射なども始めてるし、好きなるのも今は男性だ、という話をしたのだ。本人には色んな迷いや悩みがあったらしい。
僕は正直驚いた。と同時に、納得もした。やはりこれくらい可愛いという事は、意識自体が女の子としての自分を向いていた、という事だったんだな、と。だから彼は、今までは「可愛い男の子」だったが、これからは「可愛い元男の子」という事になっていくのだろう。それはちょっと…僕には難しい。




