少女漫画の語る歴史
少女漫画家の井出智香恵さんが、新聞にエッセイ連載を持っている。井出さんは1966年にデビューして、『ビバ! バレーボール』というスポーツ漫画で一躍人気漫画家になった、というような話をこれまで書いていた。手塚先生や他の有名な漫画家先生に会い、感動した、というようなことも書いていた。
その中で先輩漫画家から、一つの出版社にとらわれていては、漫画家自身が縛りを受けてしまうという話を聞いて、井出さんは連載していた『りぼん』から離れようと決意する。それで、今回の話になった。
今回は集英社専属から抜けようとした、別の悩みもあった、という話から始まる。それは女性作家を取り巻く差別、という問題であった。まず、女性作家の作品は、男性作家の作品より低く扱われている、という事情があった。
また男性作家はどんなジャンルのものでも描かせてもらえるし、『血沸き肉躍るような世界を舞台にして、すぐにでもテレビで放映できそうな』漫画を描けるのに対して、女性漫画家は『スポーツ漫画を除けば、王子様、お姫様もの、女性同士の愛と戦い、日本から舞台は飛び出さず、相変わらずラブ+お姫様ものがはばをきかせていた』という事である。
驚くのは、男女で原稿料に差があったという話だ。同じレベルの漫画家でも女性の方が1ページあたり2千円くらい安かった、という事である。けど、男性漫画家でも女性漫画家でもアシスタントを雇わなければいけない懐事情は同じなので、キツかったらしい。
その事を編集者に相談すると、「う~ん、昔から日本では女性の方が給料は低いしな。まあ色々理由はあるんだろうけど昔からそう決まっているから仕方ない。でもそんなこと聞いたのチカエさんが初めてだよ。相変わらずいろいろ考えてるんだ」と笑ってごまかされたという。
で、考えた挙句、編集者とも仲は良かったんだけど、集英社専属から抜ける決心をした。その矢先である。オイルショックが起きる! 日本中からトイレットペーパーが消え、紙不足になった。この紙不足の影響を受けて、雑誌は休刊が続出、単行本出版も延期、という事が続いたらしい。そこで次回――と、いうのだが、気になる! いや、面白い連載なんだ、これが。




