『かろりのつやごと』を読んでみる
まったく知らなかったんだけど、この『かろりのつやごと』っていう作品は『office YOU』に連載してて、日本漫画家協会大賞コミック部門大賞受賞して、250万以上ダウンロードされてる作品なのだった。いやあ…『オフィスユー』読まないよね、成人男子! これは知らなくても仕方ないと思うけど!
で、ですね、これはどういうお話かというと、ちょっと太めの「かろりさん《本名・花鳥風月かとりふげつ》さんが、太目であるというだけでお洒落なレストランで窓際でなく奥の席に通されたり、定職屋でおっさんらに「ヘルシーメニューときたか、いまさら?」とか陰口言われる、という前提。
で、このかろりさんの前に、男前で元気で関西弁で、物おじせず言いたい事をいい、太目でも差別しない大学生の男の子が現れるわけだ。で、かろりさんはその体型もあって恋愛経験ゼロなんだけど、ちょっとその男の子との成り行きを妄想したりする。そんな漫画である。
……けどね、ちょっと違和感があるんだよね。う~んとね、『セクシー田中さん』は、女性であるというだけで受ける理不尽な環境に対して、極めて鋭い問題提起を孕んでたと思うのね。けど、かろりさんが太目なのは、かろりさんの自己管理の結果であって、女性であるという事とはまた別だと思うのである。
これ、性別を逆にして考えてみて欲しいわけ。デブでブサメンでオタクな男が、美少女に対して妄想抱いてて、その癖、自分に向けられる視線を理不尽だと捉えて傷ついているっていう描写だったら、どこまで共感できます? 女性読者だったら、キモいと思わないですかね?
んで、自分の事を差し置いて美少女とかイケメンとかに妄想するのが、どうなんでしょう? そりゃあ、だいぶ身勝手な感じの態度じゃないですかね。僕はね、理不尽な環境は是正すべきだと思うけど、努力しない人は嫌いなのね。僕はこの『かろりさん』が、ウケてるっていう事をどうかなと思ってる。
いや、ウケるのは判らないでもないけど。けど、男性漫画でブサメンを主役にして美少女と淡い関係になるような作品で、なんとか漫画賞とかとるような評価受けるかな? 僕はね、創作物は現状認識して先の道標となるものを見出すものだと考えていて、ただ現状肯定するだけのものではないと思ってる。




