『レナルテで逢いましょう』の事
萩尾望都先生の『バルバラ異界』は、不思議な話である。ずっと眠り続けたままの少女がいて、そこに夢に入るという特殊な職業の主人公が入り込む。そこはバルバラという異界で、もう一つの世界として自律しているようだった…
まあ出だしはこんな感じだが、そこに色んなエピソードが入って来る。それで何が不思議なのかというと、「何が起きてるのか判らない」という事なのだ。いや進行してるエピソードはもちろん判る。けど、話し全体の構図が、全然見えてこなくて、「一体、何が起きてるの?」と思いながら読むのだ。
そうして話が進むにつれて、関係ないように思われた挿話が伏線であったことが判り、全ての事態がラストに向かって収縮していく。そんな非常に優れたSF作品で、僕は大好きなのだ。
で、『レナルテで逢いましょう』は、そういう「何が起きてるのか判らない」ような話を書きたい、と思って構想したものだ。僕がやったら、ただごった煮の話になったかもしれないが。
今やるならメタバースだな、と思い、メタバース関係の本をやたら読んだ。『ソード・アート・オンライン』とか、『レディ・プレイヤー1』とか『そばかす姫と竜』とか、関連作品も見た。SAOはアニメは全部見た。面白かった。
ただSAOは仮想空間の最大特徴である「仮の姿」をほとんど捨てており、そこで得られるテーマはほぼ捨てられている。その点では『レディ・プレイヤー1』はアバターであることの特性が十分に生かされている。
しかし『レディ』とSAOはメタバースというよりゲーム空間で、ゲーム以外のメタバースを描いてる点では『そばかす姫』が抜きんでている。ちなみにだが、現実のメタバースは投資対象として注目されてる側面などあって、メタバース内の土地が高値で取引されたりしているのだ。
あるいは美少女アバター同士で仲良くなる「お砂糖」な関係だとか、メタバース内での要素には、まだまだ面白い要素が沢山ある。そういう事を調べていく過程でVチューバーというものを初めて知った。それも新しい現象で、とても面白く思っているものだ。




