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『旅猿』のやり方

『旅猿』を最初に見た時に、「なんだ、これは?」と思った。というのも、旅番組のくせに何処に行くのかの打ち合わせで、その回が終わったりとか、行ったら行ったで旅先の名所案内をかなぐり捨てて、車の中での岡村くんと東野のモメ事とかをずっと流している。……なんだ、これは? 旅番組じゃないのか?


そう、『旅猿』は旅番組ではなく、バラエティなのだった。面白いと思ったのは、その進め方である。通常の旅番組では、問題なく進行し名所を案内する。しかし旅猿では、とにかく問題やモメ事が起こるのである。


特に注目すべきが、東野幸治の行動だ。はっきり言っておくと、好きな芸人かと言われれば「別に」である。けど、『旅猿』という番組は、東野が面白くしてるんだな、という事が判ってきた。つまり、東野がモメ事を起こすのである。


スタッフのやり方に異議を唱えて、「ちょっと一旦話し合おうか」とか言い出して流れをストップさせる。そのまま行けばいいじゃん……とか思う。けど、「そのまま行かないから、面白い」のだ。そう、人間って、他人のモメてるところを見るのが好きなのだ。それが面白いのだ。


考えてみたら「設定→対立→解決」の構成だって、すんなり物事が進まないから面白いのだ。つい、「ああ、この先、主人公どうなっちゃうの?」と思うから、ついつい主人公の動向を追うのだ。東野が作り出したスキルは、「旅先でモメる」というやり方だ。これも、「面白くみせる」というやり方なのである。


それはそうと、『旅猿』に寺門ジモンが出てきて、これが面白かった。面白さとは別の話になるが、その中で寺門ジモンが、「一ヶ月に行かなきゃいけない肉屋が八軒ある」と言っているのに驚いた。八軒? なんだそれは?


聞くと、そういう店の中には、店を出す新人が一年ぐらいかけてジモンが試食し、ジモンがOKを出したら店がもてる――みたいな店があるらしいのである。えぇっ? それって、どういう立場? リアル海原雄山? 本当にそんな人いるんだ、驚きだ。


んで、このジモンが東野がモメ事をつくるまでもなく、面白い。なんか無駄にパワーがあって、ついつい見入った。面白いって、面白い。


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