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第87話 湖の騎士

 ワイバーンの依頼を終えた日の夜にログインしたアイリはこれまで溜めていたスキルポイントをドドーンと消費しようと、久しぶりにマーサの元へと向かう。闇魔法ならドラキュラからも教えてくれるが、やはり顔なじみから教えてもらいたいところだ。どの魔法を覚えようかと悩んでいた時、ふと思い浮かんだことを話す。


「マーサさん、バルバトスさんってどんな人なんですか?」


「魔神バルバトス、狩人の異名を持つ奴は獲物を弱らせてから仕留める。ある意味ではアイリ、お主に似たタイプかもしれん」


「へへ、そうかな。こっちも負けてられないね。神ならヒュドラ系の魔法を覚えるのは確定として、あとは……」


【ヒュドラバイトLv1】(60ポイント消費、消費MP40)を覚えた

【ヒュドラズアイ】(100ポイント消費、消費MP60)を覚えた

【ダークブリザードLv1】(80ポイント消費、消費MP64)

【ダークシャドー】(150ポイント消費、消費MP80)

【ダークインビジブル】(150ポイント消費、消費MP100)


「こんな感じかな」


「ふぇふぇふぇ、大分と魔法を覚えたようじゃのう」


「うん。魔王の指輪があるから、いっぱい魔法を覚えた方がお得だもん」


 そういうと、アイリは自身のステータスを確認する。


 アイリ Lv47

 種族:ハイエルフ

 職業:黒魔導士

 HP357/170(+187)

 MP935/405(+530)

 攻撃:278/106(+172)

 防御:362/56(+306)

 知力:434/162(+272)

 敏捷:414/108(+306)

 運:130/58(+72)

 残りスキルポイント:80


 装備品

 メイン武器:邪龍の杖(最大MP+200、知力+200、召喚獣の攻撃力アップ)

 サブ武器:ヒュドラダガー(最大MP+100、攻撃+100、魔法扱いで毒攻撃)

 頭:黒魔導士の帽子(最大MP+20、HPを最大MPの1/5の数値分アップ)

 服:黒魔導士のローブ(最大MP+20、防御を最大MPの1/4の数値分アップ)

 脚:黒魔導士の靴(最大MP+20、敏捷を最大MPの1/4の数値分アップ)

 首:魔力の首輪(最大MP+20)

 右手:魔王の指輪R(最大MP+100、防御・敏捷・運を魔法の数×2の数値分アップ)

 左手:魔王の指輪L(最大MP+100、攻撃・知力を魔法の数×2の数値分アップ)


 所持スキル

【状態異常耐性(中)】【状態異常成功確率アップ(小)】【闇魔法Lv2】【外道】【ギャンブラー】【富豪】【精神攻撃Lv1】【時間耐性(小)】【精神耐性(中)】【影操作】【急成長Lv2】【ジャイアントキリング】【呪毒】【毒耐性(小)】【夜目】【逆境】【黒魔導】【ヒュドラ毒】【PKK】【植物操作】【闇の力】【遠視】【透視】【暗黒の知識】【固定砲台】【非道】【話術】【戦術眼】【乳海】【魔力放出】【地魔法Lv1】【頭脳明晰】【精密射撃】【精霊の加護(闇)】【精霊魔法】【花の祝福】【黄泉がえり】【反撃の心得】【上級魔法知識】【射出】【高速分身】【呪い耐性(小)】【火魔法Lv1】【ティアマトの権能】【水魔法Lv1】【光魔法Lv1】


 所持魔法・技

【シャドーミラージュLv2】消費MP32

【シャドーアタックLv2】消費MP2

【カースLv2】消費MP4

【ポイズンショットLv2】消費MP4

【ポイズンミスト】消費MP12

【メンタルブレイク】消費MP8

【シャドーダイブ】消費MP48

【デッドリーブレスLv1】消費MP24

【コンフュージョン】消費MP16

【エナジードレイン】消費MP16

【死霊王召喚】消費MP80

【ケルベロス召喚】消費MP60

【シャドーロック】消費MP40

【ヒュドラブレスLv1】消費MP52

【プラントクリンチLv1】消費MP12

【ダークエンチャント】消費MP30

【ダークサンダーLv1】消費MP64

【ファフニール召喚】消費MP300

【ダークストームLv1】消費MP68

【アクアプレッシャーLv1】消費MP32

【ハイグラビティ】消費MP100

【ミニマム】消費MP8

【カースインフェルノ】消費MP88

【カースバリア】消費MP64

【ダークウェポン】消費MP20

【パワードレイン】消費MP60

【マジックドレイン】消費MP60

【ブラッディミラージュ】消費MP0、HP25%消費

【ヴェノムブレスLv1】消費MP44

【ティアマト召喚】消費MP200

【ワイバーン召喚】消費MP80

【フレアストーム】消費MP68

【ヒュドラバイトLv1】消費MP40

【ヒュドラズアイ】消費MP60

【ダークブリザードLv1】消費MP64

【ダークシャドー】消費MP64

【ダークインビジブル】消費MP100


「うんうん。魔法の選択肢も増えたのはいいことだよね。今日は何して……ん? ミミちゃんから連絡だ」


 個人チャットを見ると、クエストの手伝いをしてほしいとのことだ。春休み中、とくにやることもないアイリはミミのクエストを受けるため、ギネヴィアがいる教会へと向かった。


「アイリお姉ちゃん、こっちです」


 ミミに呼ばれた方で向かうと、そこにはミミだけでなくLancelotとGalahad、子供たちと農作業をしていたのか麦わら帽子とつなぎを着ていたクイーンの姿があった。完全なオフモードでいたクイーンがアイリの姿を見るや否やすぐさま戦闘用の装備に切り替え、きりっとした表情をつくる。手遅れである。


「パーティーには入ったけど、どんなクエストなの?」


「ここ最近、ゆうれいさんがいっぱい出てきてギネヴィアさんが困っているそうです」


「つまり、モンスター退治のクエストだ。これだけなら、私たちでも対処できると思ったのだが、クエストの推奨レベルが妙に高くてね。念のため、君を呼んでもらったというわけだ」


「そういえば、自己紹介していませんね。俺はGalahad。こうして話すのは初めてですが、実力は前のイベントで分かっているから、こっちも安心できます」


「アタシも反対はしないけど、これで5人。フルメンバーにしなくてもいいのかい?」


「はい。ギネヴィアさんもついていきたいと言っていたので」


 5人は夜になるまで、教会の掃除や裏の畑の手伝いをして時間を過ごした。そして、幽霊が出没するというコロセウムから王都へと続く道を歩いていくと、ゴーストや骸骨系エネミーの上位種であるハイゴーストやナイトスケルトン、魔界で出てくるはずのダークゴーストの群れが湧いて出てくる。


「こっちで敵を引きつけます。ナイトハウリング!」


「集まってくれたとこでサルベーション」


 ミミが群がってきた幽霊たちに浄化の光を放ち、強制的に成仏させていく。だが、装備品があるせいで効果が効きにくいスケルトン系エネミーはまだ消え去っていない。それに対処するため、Lancelotが手にした水の剣でスケルトンたちを斬っていく。


「数が多くても、私の剣は変幻自在……伸びろ!」


 身の丈の何倍はあるかというくらい伸びた水の剣をぶんと振り回して、ナイトスケルトンを斬っていく。Lancelotに接近戦を挑むのはまずいと思ったのか、彼よりも後方にいるクイーンやアイリに標準を定めようとする。


「ランダム挙動ですね。ヘイト稼ぐスキル残してますけど、どうします?」


「こっちに回しても構わないよ。ローズハリケーン!」


 バラの花弁がスケルトンを襲い、ずたずたに切り裂いていく。それに負けじとアイリもダークウェポンを唱える。普段は昼間に活動しているため、1本ずつしか複製できないダークウェポンも本領発揮できる夜になったことで、十数本のヒュドラダガーが宙に浮かぶ。


「一気に行くよ、【射出】!」


 分身と合わせて4、50本ほど飛来してくるダガーをぼろぼろの盾では防ぎきれず、ナイトスケルトンが崩れ落ちていく。指折りのプレイヤーである彼女たちにかなうわけもなく、あっというまに殲滅戦が終わる。


「これで終わりかな?」


「でも、おしらせが来ていません」


 すると、赤い光を放つ眼光がゆらりとこちらに近づいてくる。青い甲冑を着込んだ騎士がこちらを認識すると、抜身の剣をもってこちらに駆け出してくる。Galahadがヘイトを稼ぎ、自身に攻撃を誘導させてその剣を盾で受け止める。


「おもっ……!? 先輩と良い勝負か」


「だが、背後はとったぞ!」


「GIGAAAAAAA!!」


 後ろに目でもついているのか、Lancelotの腹部にけりを入れてよろけさせると、彼に向かって剣撃を放つ。そうはさせないと、アイリとクイーンのツタが亡霊の騎士の足元に絡みつき、引っ張っていく。


「ちっ、華奢そうな体に似合わずなんてパワーだ!ゴリラか」


「レベル2の【急成長】でも抑えきれないなんて!」


 二人がかりでもほんのわずかな時間しかとらえきれない亡霊の騎士だが、Lancelotが態勢を立て直すには十分なうえに、彼に向かってミミのホーリースピアがすぐ眼前に迫る。


「やったか!」


「NEAAAAAAAAA!!」


「アイツ、蹴り飛ばしやがった」


「あんな重そうな甲冑着ているのにユーリちゃんみたいな身のこなし!」


「まったく手が付けられないですね。時間稼ぎしておくんで、策を考えてください!」


 Galahadがヘイトを稼ぐ技を使い、亡霊の騎士の注意を向けさせ、大盾で猛撃を防いでいく。強弱を織り交ぜられた斬撃はGalahadが防御アップの使うタイミングを狂わせ、順調にHPを減らしていく。それをミミがカバーするも、じり貧には違いなかった。


「生半可な攻撃が通用しないのであれば、全力で行くしかあるまい!二人は私の支援を」


「アタイらも最大の攻撃で削りに行くよ。ローゼズハリケーン!」


「ヒュドラバイト!」


 先ほどよりも強い竜巻が亡霊の騎士を閉じ込めようとするもたった一振りで消し飛ばしてしまう。さらに、ヒュドラの9つの頭が亡霊の騎士をかみ砕こうとするも、一つ一つ丁寧に首を刈り取っていく。その隙をついて、Lancelotがレイピア状に変形させた剣で亡霊の騎士の心臓部を貫く。


「手ごたえあり。このまま凍らせる!アブソリュートゼロ!!」


「VIAAAAAAAA!!」


 すべての物質を凍らせる絶対零度の冷気がピキピキと音を立てて、亡霊の騎士の体を凍らせていく。誰もが勝ったと思ったその瞬間、亡霊の騎士が自由に動く手を使い自身の首を切り落とす。


「なにっ!?」


「AAAAAA!!」


 首だけがぷかぷかと浮かび、闇夜に紛れてどこかへと消え去ってしまう。場に残ったのは氷漬けとなった首なし騎士だけだ。そして、5人がギネヴィアに怪我がなかったかと問おうとしたとき、ガタガタと崩れ落ちる。


「ミセス・ギネヴィア、何かありましたか?」


「あの方は……」


「あの騎士さんについて何か知っているんですか?」


「はい、あの方は……ランスロット様です」


 そして、ギネヴィアはこのゲームにおける『ランスロット』について話していく。

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