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第32話 禁じられた魔法

「――ということがあったの、ミューイさん何か知らない?」


「アイリちゃんに冷たくするエルフねぇ」


 アイリはあの後も敵視するような視線を魔法都市の住人から注がれていた。クエストはしっかりと受けられるし、報酬もきちんともらえるため、実害は出ていないもののあまり良い心地はしない。そのため、同じギルド職員であるミューイに相談を持ち掛けた。


「う~ん、ごめんなさいね。私も分からないわ。でも、マーサさんなら分かるんじゃないかしら。ほらあの人、アイツの魔法の師匠だし、魔法都市についても詳しいはずよ」


「そうですね、一度聞いてみます」


「態度が悪いのは問題だから、クレームがあったことは上司に報告しておくわ」


「ありがとうございます」


 アイリは久しぶりにマーサの家に行く前に、レイドで手に入れたスキル書を使ってから、自分のステータスを改めて確認する。


 アイリ Lv24

 種族:エルフ

 職業:黒魔導士

 HP34/34

 MP222/152(+70)

 攻撃:3(+7)

 防御:3(+61)

 知力:59(+21)

 敏捷:5(+16)

 運:5

 残りスキルポイント:169


  装備品

 メイン武器:ポイズンロッド(知力+16、ごく低確率で毒状態付与)

 サブ武器:ポイズンダガー(攻撃+14、ごく低確率で毒状態付与)

 頭:旅人の三角帽子(防御+5、知力+5)

 服:黒魔導士のロープ(最大MP+20、最大MPの1/4の数値だけ防御アップ)

 脚:ポイズンシューズ(敏捷+16、回避時にごく低確率で毒状態付与)

 首:魔力の首輪(最大MP+20)

 右手:魔力の腕輪(最大MP+15)

 左手:魔力の腕輪(最大MP+15)


 所持スキル

【状態異常耐性(中)】【状態異常成功確率アップ(小)】【闇魔法Lv2】【外道】【ギャンブラー】【富豪】【精神攻撃Lv1】【時間耐性(小)】【精神耐性(中)】【影操作】【急成長Lv1】【ジャイアントキリング】【呪毒】【毒耐性(小)】【夜目】【逆境】【黒魔導】【ヒュドラ毒】【PKK】【植物操作】【闇の力】【遠視】【透視】


 所持魔法・技

【シャドーミラージュLv2】消費MP16

【シャドーアタックLv2】消費MP2

【カースLv2】消費MP4

【ポイズンショットLv2】消費MP4

【ポイズンミスト】消費MP12

【メンタルブレイク】消費MP8

【シャドーダイブ】消費MP24

【デッドリーブレスLv1】消費MP24

【コンフュージョン】消費MP16

【エナジードレイン】消費MP16

【死霊召喚】消費MP20

【ケルベロス召喚】消費MP60

【シャドーロック】消費MP40

【ヒュドラブレスLv1】消費MP52

【プラントクリンチLv1】消費MP12

【ダークエンチャント】消費MP30


「遠くまで見るスキルと透けて見えるスキルか……うまい使い道でも考えながらマーサさんの家に行こう!」


 アイリはいつものようにマーサの家に行こうとする、その後を見知らぬ男性が後をついているとは知らずに……



 男たちは何の警戒もしていない少女の後をついていた。彼らはサンダーバードに属しているプレイヤーであり、第1回、第3回のイベントで目立った活躍をしたアイリ、その強さを探るため調査をしていた。とはいえ、クランリーダーから理由なきPK行為は禁じられているので、聞き込みと尾行にとどめている。向こうから襲ってきた場合はその限りではないが。


「なあ、森の中に何かあったか?」


「あの先には湖があるだけだ。レアモンスターも調査済み。珍しいものは何もない」


「だよな」


 アイリが森を抜けて湖のほとりへと向かって歩いていくと、その場でアイリの姿が消える。慌てて、男たちが何もない空間を手探りで探すも、手がかりは得られなかった。

 フラグ無しにマーサに会うことはできないのだ。そして、サービス当初はノーマークの初心者であったアイリの行動を知る者などいるはずもなく、彼らの調査は打ち切りとなった。



 そんなことを知らずに、アイリはマーサに魔法都市での出来事を伝える。


「そういうことじゃったか。あそこに住むものが闇魔法を忌むべきものと考えるのも無理はない」


「闇魔法を?」


「そうじゃ。少し長い話になるが……」


 マーサの口から昔ばなしが紡がれていく。

 人魔大戦、その後の内乱が終わり、人々がいつもの生活を送れるように復興をしていたある日の出来事。一人の黒魔導士が魔法都市で魔法の研究をしていた。戦後のごたごたもあり、今となっては『彼』がどこの誰かは分からないが、男であったのは間違いないようだ。

 そして、彼は一つの禁術を造り上げる。それは誰にでも化けることができる変身魔法であった。


「変身魔法? 悪用の道は思いつくけど、禁術っていうイメージはあまりないような……でも悪用されるのは目に見えているから禁じられたのかな」


「彼の作った変身魔法は少しわけが違ってのう。自分の身体を変身した相手の身体に作り替えるというもの。すなわち、強力な肉体をコピーすれば、同じ力を得るというわけじゃな」


「強い力を持つ人になれる……太陽王とかになれる!?」


「それよりも強い存在がおったぞ。魔王とかな」


「もし、その人が魔王に変身したら……」


「人魔大戦再び。そう考えたのじゃろう。しかも、こちらには既に『王』はいない。魔法都市から魔王を輩出させるわけにはいかないと、その黒魔導士を追放。闇魔法は歴史の中へと消えていくこととなったのじゃ」


「じゃあ、ここにある闇魔法の書物って……」


「おそらく魔法都市でも王都の図書館でもこれほどの資料は無い。そう断言できる」


「マーサさんっていったいなにもの……!?」


「『今は』ただのしがない黒魔導士じゃよ。それにしても随分と懐かしいものを着ているね。確か、儂のお古が……」


 マーサが別の部屋に行くと、あれでもないこれでもないと部屋を散らかすこと数分。マーサの手には黒い帽子が握られていた。


「少々埃がかぶっているが、まだ使えるじゃろ」


「黒魔導士の帽子、MP+20、HPを最大MPの1/5アップ。知力は少し下がるけど、HPが倍以上になる!いいんですか?」


「今の儂には不要じゃよ。あとスキルを覚えるんじゃったな。今は何が困っておる?」


「う~ん、そうしようと思ったんだけど、影が無いときは攻撃も回避手段も乏しいから困るから魔法も重要かなって……」


「ならば、まずはこれを覚えておくと良いじゃろ」


 スキル【暗黒の知識】(消費スキルポイント60)を覚えますか


「今は大分と余裕あるから大丈夫」


 スキル【暗黒の知識】を覚えました

 強力な闇魔法を覚えることができます。


「えっ、ヒュドラブレスとかって強力な闇魔法じゃないの?」


「かかか、まだまだ青いのう。次はこのあたりの魔法じゃが……ふむ、これを習得するがいい」


 魔法【ダークサンダー】(消費スキルポイント80、消費MP64)


「凄い消費量……でも、雷系の魔法は覚えていないから、覚えます」


 魔法【ダークサンダーLv1】を覚えた


「えっ~と、闇の雷を落として相手に大ダメージ。闇または夜の時、ダメージ量アップ。低確率で相手を麻痺状態にする。昼間に使っても強そうなのに、夜だとさらに強いんだ」


「ダークシリーズの魔法は夜か闇のときに効果量が増える。影がない漆黒の闇で本領発揮できる魔法を数個持っていれば対処は可能じゃろ」


「スキルポイントを貯めたら、また来ます」


 新しい魔法を覚えたアイリはクランホームへと戻り、魔法都市で自分が嫌われていた理由について話す。


「それだと、魔法都市の探索は一度中断したほうがええな」


「気分悪くしながらゲームってのも嫌だしね」


「それやったら、ウチ、パンデモニウムに行きたい。なんでもテイムモンスターの卵とかも売られているらしいわ」


「ワイも魔族の専用の装備やアイテムがあるかもしれないし、そっちに行こうか」


「私は人用の装備を整えたいから、闘技場方面かな」


「それなら、ユーリお姉ちゃんのほうに行きます」


「私たちはどっち行こうか? 私はアイリちゃんが選ばなかった方のパーティーに行くわ」


「う~ん、今日はユーリちゃんと遊びたいから闘技場で」


【桜花】は2手に別れ、アイリ、ユーリ、ミミは円卓闘技場コロセウムへと向かうのであった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ダークサンダーか カッコイイな 闇系なら重力系も 覚えてほしいな  [気になる点] 所でケナてもう桜花のメンバーなのか それとも臨時パーなのかわかりません
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