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第27話 vsリッチ

「行くよ、シャドーミラージュからのポイズンショット、カース!」


「まずは腕試しってな。ラピッドショット!」


 アイリの十八番コンボと高速の銃弾がリッチに向かうが、エネミーの時と同じ黒いバリアに阻まれる。


「ちっ、バリアか。どうする?」


「あれの対策方法は知っています。まずはヒュドラブレス!」


「ほう。幼子にしては強力な魔法を使うようだが、ダークオーラがある限り我には効かん!死霊どもよ、我に従え!」


 リッチが雑魚モンスターである骸骨剣士を呼び出し、襲い掛かってくる。エネミー戦では触手を伸ばすだけで決定力に欠けていたが、こちらは触手の代わりにモンスターを召喚することでそれを補ってくるようだ。だが、その攻撃にエースはメイン武器の銃から、サブ武器のガトリング砲を取り出し、骸骨に銃弾を浴びせていく。


「むむむ、この程度の死霊をものともせんか」


「俺はプレイヤーキラーなもんでね。対多人数の戦闘は用意しているのさ」


「そして、毒が充満した今なら!プラントクリンチ!」


 リッチの足元から生えてきた根っこで拘束させて押し倒そうとするもびくともしない。アイリの『攻撃』の値が一般人のエネミーならともかく、ボスモンスターのリッチには届かなかったのだ。


「我を倒すことは不可能。いでよ、デーモン!」


「ちっ、今度は大型のモンスターか。こりゃあ耐久戦になるな」


「MP回復良し!ケルベロス召喚!」


『ふむ、我が3体というのも奇妙な光景だ』


 分身体と一緒に呼び出された3頭のケルベロスが吠え、デーモンに炎を吐いてダメージを与えていく。それのお返しと言わんばかりに手から黒いビームを放つも、ケルベロスがサッと避ける。そして、今度はその攻撃をアイリたちに向けて放つ。


「シャドーダイブ!」


 エースの手をつかんだアイリが影の中に飛び込み、その攻撃を間一髪でかわす。


「このまま逃げるのもじり貧になるだけだ。こうなりゃあ、一気にダメージを叩き込むぜ。シルバーバレット!」


「ヒュドラブレス!」


 3頭のヒュドラから吐き出された猛毒のブレスで目の前が見えなくなったデーモンの心臓部に銀の弾丸が貫く。対アンデッド、対魔族用に開発されたそれは高価ではあるが、その威力は絶大であった。撃ちぬかれたデーモンが膝をつき、撃ちぬかれた個所を手で押さえる。


「大盤振る舞いだ!もう一度喰らいやがれ、シルバーバレット!」


「デッドリーブレス!」


『我が獄炎を受けよ!』


 毒が回って息が絶え絶えのデーモンにとどめの一撃を指していく。リッチもデーモンが倒されると思っていなかったのか、骸骨姿にも関わらずその表情をゆがませる。


「ええい、1体でダメなら3体で!」


「相手の数が増えたら、シャドーミラージュ!」


「ふん、そちらの数が少々増えたところで……」


「いくよ、ポイズンショット!」


「その程度の攻撃、我がデーモンに通用す……ぐっ、後ろから攻撃だと!?」


 エネミー戦や先ほどのツタによる攻撃でバリアは半球体状に展開されていることを確認したアイリは、リッチの影を利用してバリア内に自身の分身を作って攻撃したのだ。


「こんなもの我が消し去って……」


「へえ、一歩も動かずにかい? さっきのアイリの攻撃から見るに、動かないことがその無敵バリアの維持条件なんだろう。どうやってバリア内部にいる敵を攻撃するのさ」


「ぐぐぐ……だが、我のHPはまだ十分に……減っているだと!?」


「気づいてなかったのかい。俺にしか聞こえない声でもう一つ魔法を唱えていたのさ」


「エナジードレイン。エースさん、MP回復できました」


「おうよ。ネタバレ解説で気をそらしたかいがあったぜ」


「ふん。その程度の攻撃で勝った気になるな!我に毒は通用しない!!」


 足元に纏わりついたツタを引きちぎり、背後にいた分身体を打ち倒す。だが、ダークオーラがはがれたことで、この部屋に充満しているヒュドラの毒をまともに吸い、ステータスに毒が付く。


「ぐおおおおおおおおお!なんだこの焼けるような痛みは!? まさか、毒に!!?」


 スキル【ヒュドラ毒】の影響により、隠しボスらしく無効の耐性を得ていたはずのリッチに毒が付く。かの賢者ケイローンや英雄ヘラクレスでさえ、自死を選ぶほどの猛毒。たかがリッチが耐えきれるはずもなく、のたうち回る。


「さしものデーモンも術者がああなれば、ただのカカシ。せわしないわな。とどめと行くか!」


『行くぞ!』


「デッドリーブレス!」


 分身体を含め、数多くの攻撃がもだえ苦しむリッチに攻撃を加えていく。容赦ない攻撃がリッチのHPを削り取り、0にする。


「わ、われの……財宝が…………」


 リッチを倒すと、リッチが居たところに黒い本が一冊ぽとんと落ちる。アイリがそれを拾い上げると、クエストクリアの文字が出る。


 クエスト【邪龍の復活を阻止せよ】をクリアしました

 スキルポイント40ポイント手に入れました


 リッチ初撃破ボーナス!

 スキルポイント20ポイント手に入れました

 世界初撃破ボーナス!

 選択スクロールを手に入れました


 スキル:【闇の力】を手に入れました


 称号【不死殺し】を手に入れました


「ひゅ~、一気に色々ともらえたぜ。こりゃあ、クランメンバーに良い土産話ができる」


「ありがとうございます、エースさん」


「おうよ。だが、パーティー解除は地上に戻ってからな。今、解除されたら俺も毒で死んじまう」


「そんなことしませんよ」


「そうだ。せっかくだからフレンドにならないか。同盟は無理でも、個人的に付き合う分には問題ないだろう。こっちも面白そうなクエストが会ったら情報を流すからさ」


「お願いします」


 エースとフレンドになりました。


「これからもよろしく頼むぜ」


 エースと一緒に主が居なくなったことでモンスターが居なくなった隠し通路を抜けて、地上へと戻り、エースと別れたアイリはさっそく手に入れたスキルやアイテムを確認する。


【闇の力】:闇のとき、ステータスが小アップ


【不死殺し】:アンデッドに特攻ダメージが入るようになる


 選択スキル書:【ダークオーラ】【悪魔召喚】【ダークエンチャント】【ダークウィップ】から1つ選択して習得できる


「汎用性ならダークオーラだけど消費MP40で、シャドーロックと同じ弱点抱えているし、防御はシャドーダイブで十分……悪魔召喚はケルベロス持っているから要らない。ダークウィップも、今のところはプラントクリンチで十分。となると、自身と味方の強化ができるダークエンチャントかな」


 魔法:ダークエンチャント(消費MP30)を覚えました


「よし、新しい魔法も覚えたし、レイドに向けて頑張るぞ!」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 【闇の力】:闇のとき、ステータスが小アップ 辺りが暗闇のとき、相手が光のとき、闇の攻撃を使うとき、ステータスが小アップ(重複はしない) 【闇の力】って強そうな感じがするから、これく…
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