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上陸!!

前話、最後書き足しました!^_^


……文体が安定しない( ˊ̱˂˃ˋ̱ )

 失敗してから、数え切れない程の日が経って……私はまた、懲りずに陸に向かって走っていた。


 ーーただし、今回はキチンと息が出来るように、習得にメチャメチャ時間のかかったスキル【空中呼吸】を持ってるし、到着してからの事を考えて、ダンジョンマスターの権能で作った短刀を持ち、注目されないようにフェイスマスクもしている。


 (そう! 私は失敗から学ぶ子なのよ)


 前回が余りにもひどかったせいで、軽く現実逃避しながらも走り続けること数時間。ようやく水平線が途切れ、薄らと陸地が見え始める。


 そうなってからは、私は水煙でバレないように水中を移動する事にした。


 海面を走れると言ったところで、その代償として衝撃波が凄いし、私の通った後ろは魚がプカプカと浮かんできて悲惨なことになってるからね。



 ーー私は水中から、東京湾に入ってゆっくりと港に近づく。


 (久々の陸地だけど、随分と荒れ果ててるわねぇ。ま、ダンジョン騒ぎでそれどころじゃ無いのかしら。)


 港には放置されていると思わしき大量のコンテナと、苔がビッシリと生えた船が残されている。


 だけど、いくら見渡しても人っ子一人居ない事に流石に不信感を抱いた私は、日が落ちて暗くなるのを待ってから上陸する事にした。



 日没後、私は固まった体を解しながら上陸する事を決める。お昼頃からず〜っとこの付近を見張っていたけれど、モンスターは居ても人間を見かける事は無かった。


 (もしかして人間ってもう全滅しちゃって、モンスター同士の争いしかないのかしら? まさかねぇ……。自衛隊がたった1年ちょっとで負けるかしら?)


 無いとは思いつつも、そこはかとない不安を感じながら私は街中を探索する。


 念の為、モンスターには見つからないようにしながら歩き回る事数時間。歪なワニ型のモンスターをやり過ごすために物陰に隠れた私の耳に、明らかに人間らしき物音が飛び込んで来た。



 魔力で敏感にした私の聴覚に聞こえたその音は、幸いモンスターには聞こえなかったみたいだ。ワニはゆっくりと歩み去って行く。


 そして見つからない距離まで離れた瞬間、私は音の聞こえた方へ飛び出していた。



 そして遂に、私はその音の発生源で3人組の人間を発見した。


 (第一村人発見! ……でも思ってたのとは違うなぁ、残念)


 私が思い描いていたのは某有名ゲーム、モン○ンみたいな人間だった。簡単に言っちゃえばトゲトゲの鎧とかを着た上に、疑心暗鬼の塊になって殺し合っている THE・世紀末!! みたいなのを期待してのだ。



 (それなのに……それなのに何よコイツら! 仲良さそうだし、普通に戦闘服カッコいいじゃない!)


 ーー私はガックシと、力無く項垂れた。



★side・とある冒険者



 「よっし! 今日もしっかりと仕事するぞ!!」


 「おう! 『生命を1番に』な!」


 「チーフの言葉通りに行こうぜ!」


 俺が声を掛けると、仲間のケンとシンがいつも通りの返事を返す。ルーティーンみたいになったこの流れは俺らのげん担ぎみたいなもんだ。


 俺専用の防護服を着込み、自慢のハルバードをその上に背負う。


 2人の準備が終わった事を確認したら、いよいよ【外】だ。


 (くそっ、何回経験してもこの瞬間だけは緊張しちまうな)



 ーー俺らが今くぐってるのは【新日本帝国第1耐魔壁】、新政府が持ち得る最新技術の粋を集めて作った壁だ。


 灰色一色の無機質な壁の上には、巨大な兵器がズラリと並んでいる。噂じゃあ、首都建設途中に襲ってきたカテゴリーIIIのモンスターを倒した、何て事も言われている。


 そしてこの分厚い壁を抜けた瞬間、俺たちが立っているのは【外】ーー常に命の危険に満ち、一瞬たりとも気の抜けない世界。



 「よし、ケン頼んだぞ」


 「ああ、任せろ」


 自然と小声になった俺らは、程よい緊張感を持って歩いて行く。


 ケンに頼んだのは【空間探知】


 このスキルとシンの持つ【予感】によって、俺らは中堅パーティーと言えるまで生き延びる事が出来ている。


 そのまま俺たちは、担当区域の東京湾エリアに到着して討伐を始めた。



 ーー時間は経って夕刻。日もすっかり暮れ、撤退する俺たちの姿を見られない様に帰り支度を始める。


 「ふぅ、今日も上手くいって良かったな」


 「うん、そうだね。最近はここらの相手なら結構連戦出来るようになったから、僕たちもしっかり強くなってるって事だよ」


 シンが少し疲労感を滲ませながらも答えると、そんな彼の様子を見たケンが提案する。


 「ま、今日はこれで切り上げようぜ。俺も今日の連戦は少し疲れたわ」


 「そうだな、よし、帰るぞ!」


 と言った瞬間、俺の背筋に悪寒が走る。



 (こいつぁヤベェな。何としても本部に伝えねぇと、いや、それ以前に俺は生きて逃げれるか?!)


 隣を見ると、シンとケンも顔にビッショリと脂汗をかいている。そう、こいつらの探知網に一切引っかからずに近づかれたのが、俺らとソレとの間に圧倒的な格の差がある証拠だ。



 ーー俺らは素早くアイコンタクトした後、


 「走れえぇぇっ!!!」


 1人でも生き延びて情報を届けるために全力で逃げ出した。






 彼らは必死の覚悟で走る。その背中を、とある狂った少女に尾けられている事に気が付かずに……

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