表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/12

一変した世界

初投稿です。あったかーーーーーーーーーーい目で見て下さい!^_^

 その日、世界はかつて無い混乱と恐怖に陥った。世界中のありとあらゆる場所に黒の”壁”が出現したのだ。各国が試みるも、何を持ってしても決してその壁の内側には入る事は叶わなかった。破壊しようとした国家もあったが、どんなに攻撃をしたとしてもカケラほどの傷も出来なかった。


 当時壁の内側にいた人間は1人の例外もなく行方不明となり、この世からその存在を消した。


 残った人々はお互いに協力し、時間はかかったものの、”壁”が出現する以前の国を元に、新たな政府と統治機関を作り上げた。


 だが、争いも当然起きた。幾つかの国では「これを機に」と、独立運動が激化し、その結果自由を勝ち取った。逆に幾つかの小国はこの混乱に乗じた大国へと吸収された。


 ”壁”の出現から1年。落ち着きを取り戻した世界は、壁への対抗策として、世界中から優秀な人材、物質、兵器をかき集め、【世界暗黒対策機構(WDCO)】を結成。本格的な”壁”への調査と、その対策を始めた。


 そして、調査開始から約4ヶ月。突如、世界中に存在する”壁”の全てが崩壊。それと同時に、中からはかつてとは似ても似つかない姿となった環境と、未知の怪物が溢れ出てきた。


 怪物は強靭な生命力と破壊衝動、そして幾つかの種にいたっては高度な知恵を持っていた為、人類は苦戦を強いられていた。


 そんな中人類は、怪物を倒すことによって見た目の変化無く身体能力が上昇する事を発見した。そして現代科学では説明の付かないこの現象により、人類は徐々に怪物共を押し返す事に成功。


 その頃には、一般人の中にも怪物と戦える力を持つ者が現れ始める。決して挫けない強靭な精神力と、多くの犠牲の上に、少しずつ力を付けた彼らは【冒険者】と呼ばれるようになった。

 

 冒険者の協力もあり、人類は弱い怪物ならば、脅威とならない程に力を付けた。



 ある程度の平和と言える領土を奪還した各国は、怪物との戦いに備えた少年、少女の育成機関、【対魔人類養成機関(ADHI)】、通称【アディ】を各国に設立する。


 こうして、世界中の人間が切磋琢磨し、レベルの高い人材が次々と誕生していった…



ーー“壁”崩壊の500日前(壁出現の前日)ーー


 私は今日も今日とて、日がな一日家に篭っていた。原因は簡単、ストーカーだ。


(これじゃあ、また引っ越しするハメになるなぁ)


 カーテンの隙間から外の様子を伺っていた私は大きくため息をついて、バフっとベッドに倒れ込む。こんな事になっているのには理由がある。それは私の顔だ。



 控え目に言っても私の容姿はズバ抜けている。もし何も変装せずに街中を歩いたら(絶対にそんな事はしないけど)10人中10人が振り返り、2、3人はストーカーになるレベルだ。


 それ程までに整ってしまっている顔を持つ私は当然、周囲の女からは嫉妬、男からは不躾な視線を受けて育ち、その結果当然、歪んで育った。


 まぁ、そんな事は置いておいて、問題は今私の家の前でコソコソと動いているストーカーくんだ。


 こいつのせいで私はもう1週間も外に出られていない。本当にイライラする。


 ーーガチャ


「えっ⁈」


 扉の開く音と共に、いきなりストーカーが入ってきた。


「ハァ、ハァ、ウヒヒヒヒっ!ひ、ひひ、酷いじゃないか、ダーリンを外に追い出すなんてぇ」


 名も知らないその男はどう考えても正気じゃ無かった。(ストーカーしてる時点でおかしいけど)


 血走った目に涎を垂らし、手を後ろに隠しながら走り寄って来る。


「チッ、やめろ!」


 私の声を無視してそのまま接近してきた男は…


 ーーぇ?


「ウヒャヒャヒャヒャ!これで、これでずぅっと一緒だよぉぉぉ!!!」


 胸に激痛が走ると同時に、体の力がスっと抜けていく。


(なんで私がこんな目に遭わなきゃいけないの!なんでよ!)


 倒れ込んだ私にストーカー男が覆いかぶさって来る。


「…な。 ……、み……てやる!」


「あれぇ?まだ生きてるの?早く死ねよぉぉぉ!!」


 そう言って私の胸に刺さった包丁を引き抜いて、大きく振りかぶる。


 「死ぬのはお前だっ!」


 私は最後の力を振り絞って、男の手首を捻る、と同時に頸動脈へと突き刺した。


 「…っカハァ!い、ヤダ!⁈」


 茫然とする男に向かって私は心の中で中指を突き立ててやる。


 (地獄に堕ちな、このゴミクズ)


 ドサッと、男の身体が床に崩れ落ちた。運の良い事に、即死みたいだ。


 ーー突然静かになった部屋。アドレナリンが底を尽きたのか、急に身体が重く、冷たくなっていくのが分かる。


 (あぁ、なんで私がこんな目に遭わなきゃいけないの。私の人生最後まで最悪よ。)


 身体はもう、包丁を握っている指先一本すら動かせなくなっている。そして段々と、頭もぼーっとしてきた。


 (こんな世界なんて消えちゃえばいいのに…)


 そんな思考を最後に、私の意識はこの世から無くなった…








 ーーハズだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ