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無名  作者: 天空瞳
16/21

 16 隠してました?

隠し事ってバレますよね。

捜査本部に戻った清水は、急いで刑事課課長、五十嵐の姿を探す。


五十嵐は部屋の後ろで、他の刑事と話し込んでいた。


「課長!」


控えめだが語気を荒げた清水は、五十嵐に突進していく。


清水に気づいた五十嵐は、訝しげな顔を清水に向ける。


「なんだ?そんなにあわてて」


「あの、そのっ」


ちらちらと、五十嵐が先ほどまで話していた刑事に視線を向ける清水に、五十嵐はため息を吐き、話していた刑事に言った。


「悪い、その話はまた後で」


「わかりました」


五十嵐に一礼して、刑事は書類を手にして部屋を出て行った。


「で?なんだ?」


「課長は、被害者の女性が妊娠していたこと、知っていたんですか!?」


「……」


真剣な表情の清水に、真っ直ぐ視線を合わせ、五十嵐は頷いた。


「ああ。俺が伏せたからな」


「っ!?何故ですかっ」


五十嵐は視線を逸らし、部屋で指揮を取っている人物を盗み見た。


「俺は、もう誰も失いたくないんだよ」


「え?」


清水は眉間にシワを寄せて、五十嵐を見つめる。


「清水」


「はい」


「その情報を誰にも気づかれずに、弓木に伝えてくれ」


五十嵐の横顔をしばらく見つめて、清水は弓木探偵事務所に向かうため、会議室を出て行った。


部屋を出て行く清水の後ろ姿が弓木の後ろ姿と重なって見えて、五十嵐は引き止めそうになった。


奥歯を噛み締め、衝動をやり過ごした五十嵐は、頭を軽く振って気持ちを切り替えた。




ありがとうございました。

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