表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/10

検証…!

地の文増えると執筆モチベ下がるわぁ…(物書きとして在り得ない意見

 そもそもが、初めから可笑しな話でしかなかった。


 『高位の従神』が得られることに視点が向くのが自然な流れだとは、社会的な風潮からは良いことだとは伺えたのだが、それでもだ。

 それを、自身が欲したわけでも無いのに、降りて来た。


 棚から牡丹餅という言葉はあっても、因果が無いことにはどうしたって不安が先走る。

 ニッカはそういう人間で、それくらいの慮りを抱く歳(元)でもあって。

 だからこそ、ニッカはそれに断りを入れたのだ。


 それなのに憑いて回ってきたのだから、やはり裏しか勘繰れない。

 そうしてニッカは、漸く『彼女』と対峙した。

 彼の『言葉』に、憤慨を一瞬で取り止めた『彼女』と。



「……なんだ、初めからバレバレだったわけね」


「不自然過ぎるだろ。これで狙いが無かったらなんなんだよ」


「一目ボレしたの~、とかで誤魔化されなかったかしら?」


「そんなお気楽な思考を備えたガキじゃない」



 恋愛とは憧憬だ。

 つまりは感情だが、女性は感情を重視しながら理屈を並べて利益も得ようとする狡猾な生き物だ。

 ニッカはそれくらい信用を置いておらず、だからこそ自分もまた感情に傾倒しないように注意している。


 可愛くない子供である。

 それを自覚しているからこそ、彼は己が好かれる人間ではないとも自覚している。

 どちらに転んでも、ニッカが『彼女』の言動に左右される道理は無い。


 それはさておいて、受肉しているに近しい女性の従神などと、普通に何処の主人公の同居案件かと疑いもしたのも事実なのだが。

 美女(奴隷系?)と同居とか無理だろ……!(本音。

 色々と仄暗い理屈も並べていたが、こっちの方面への対処能力の低迷さと薄弱さが、『拒否』した最大の理由に当たっているのかも知れない。

 ヘタレじゃねーよ、現実問題だよ。

 敢えて今、新入生らの心のツッコミに返そうじゃないか……!



「はぁー。可愛くない。人間なんだから、大人しく神様には従っておけばいいのに」


「其処だよ」



 すっかり噴気も鳴りを潜めた、初召喚時の美女へと巻き返すように戻った『彼女』。

 そんな彼女へ、ニッカは続けた。



「神なんて、元々碌なもんじゃないだろうに。実体を持たせるとか正気の沙汰じゃない」


「つくづく勘の良いガキだわぁ」



 何処かの綴命の某みたいな眼差しでは無いが、『彼女』は哂うように返すのであった。




  ■




 実際、先の例に挙げた様に、【受肉】した【従神】らが10にも満たずに残っていないように。

 彼らは一様にして、人に従えられるモノでは無かった。


 例を挙げよう。

 世界最大宗教の某C教は、当然ながら『彼』を【受肉】させようと奮起した。

 その総信徒の数も相俟って、『それ』には成功したのだが、件の『彼』は伝聞にある性格的に、根本的に誰かに仕えられるモノではありもしなかったのである。

 伝承と生命力に溢れた『彼』が、終末を待たずに復活したのは宜しいことだとしても、生前のロックンロールな人格までキッチリと再生された以上、侵略戦争に狩り出した歴史を兼ねた『彼自身を崇める宗教』に手を貸すはずがないと、何故、誰も、理解できなかったのか。


 右頬を張られても「まだ左があるぜ? ホラ、来いやオラァン!?」という教えを遺した『彼』なのだから、信徒引き連れてのカミカゼ終末戦争にブッコミを入れたのも何もおかしな話でも無かった。

 元より、軍師では無くて先導者であり扇動者のような方であったのだから、策も何も図られないのも当然である。

 そんな自滅目指した吶喊だったので、当国家は見事に大敗した。

 今では喪ってしまった『彼』の再びの復活を神話的に待つこともせず、遺された遺伝子サンプルを培養して『次』の戦争に備えた兵士を揃えようという計画――頭文字を取って【C.2nd(シー・ツー)計画】なるモノを画策していると云うが、定かでは無い。


 もうひとつの成功例は中国(チャイナ)

 歴史的に強靭な総統者や武芸者の神話を、数多く抱えていたのが彼らである。

 だが、受肉に成功したのはそれらを押し退けて【妲己】であった。


 完全に男の助平根性を甘く見た、国家上層の失態である。

 しかし、ニッカのように女性を信用していない草喰ってるどころか霞み喰ってる仙人男子ばかりなわけもないので、神話に遺るほどの絶世の美女を、しかも有名処を得てしまえば、最終的に実体化まで出来るとなれば目指すのが男子だ。

 喩えそれが戦時中であったとしても、ひっそりと陰に隠れていたとしても、技術を押し上げるのはいつだってスケベたちなのである。

 要するに、数の暴力(国民の総数)で推そうとしてたら、数の暴力(男の性欲)で自滅した事例だ。


 まあ当然、庭に炮烙(ほうらく)とか蠆盆(たいぼん)とか造ったりはするが、人心を惑わせて国を傾けられるような『傾城の美女』だ。

 普通に、この国は支配された。

 庭で人肉焼いたり毒蛇飼ったりするようなオブジェを造られたら、流石にどんな出来た姑でも『ちょっと妲己さん、なぁにあれ』くらいの小言は残すはずだが、そういう根性を発揮するほどこの国の女性権利は向上しなかったらしい。


 最後に最大の失敗事例を挙げる。

 合衆国にて差配された、大いなるクトゥルフの受肉である。


 彼の国も例の『彼』を崇める国家様相を伴っているのだが、それよりは寄り近代的に、幻想的(ドリーミング)に、『まとも』な神話に肖ることを善しとしなかったのがこの国であった。

 神話をそもそも現実的に捉えて『まとも』と呼べるかはさておいて。

 彼の国の召喚士らには土着の信仰などはあまり見られず、彼らが引き連れたのは『人寸大二足歩行のネズミ』だとか『異星から来た空を飛べるスーパーヒーロー』だとか『蜘蛛の能力を手にした少年』だとか。

 可能性としてはあるが版権的に危ない神格(キャラクター)らを率いての参戦が、多分にあった。

 それは良いとしても、最終的に『目覚めさせてはいけない』海神などを目指すとか正気の沙汰とは思えないが。


 『その神話』の危険性を他国が認識していたお蔭で、件の受肉は世界全体から寄って集って取り潰されたので良しとする。

 糺し、過程において【這い拠る混沌】が受肉に成功した。

 受肉一歩手前に届いていたクトゥルフから、フラグメントを簒奪した結果成ってしまった【這い拠る混沌】には討伐し切れずに逃れられ、彼の国もまた戦争に勝利するには至れなかった。

 それは、何某かの謀が働いたとしか思えない結果であったと、後に語られていた。


以上、敗戦国ト~ップ3ぃ!(カウント●ウンTVのノリ


かなり無茶な対処力で話を構成してますが、

個人的にはあるとおもいます!

(か、可能性のひとつとして見逃してくれたら嬉しいなっ)


あとどうでもいい話かもですが、二次創作でかなり昔にニーナとアレキサンダーのところをニーナとアレックスと書き間違えてとんでもねぇキメラを生み出したことが作者はあります(お願いマッソー♪

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ