表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/98

92 幹部顔合わせ 前編

お久しぶりです。

 

「オレオー!! よくやってくれたー!! お前ならやれると信じていたぞー!!

 これで俺は大富豪だー!! ありがとー!!」


 会場からバーズが見えたため、近づいてみるとこのありさまだった。


「よかったね! じゃ、この後ランク付けがあるからまたね!」


「おう、頑張れ! 俺はこれ以上賭けないから勝っても負けてもいいぞー!」


 バーズはてっきり賭け事に依存するタイプかと思っていたから意外だ。

 まあ、かなり稼いだみたいだし、そんなものかな?


「腕っぷしがあっても、頭の方はわからねえもんな―」


 ん?

 去り際に何か不穏なことを言ってた気がするけどよく聞き取れなかった。


 ま、とりあえず集合場所に行ってみるかな!

 幹部同士の戦いは楽しみだなー!


「失礼するよ」


 幹部一同の集合場所とされている部屋に声を掛けながら入ってみる。

 一応ヴァンパイアっぽくね。


「やあ、オラはイブ。よろしくなぁ」


「オレオだ。よろしく」


 まだ中には1魔しかいなかった。


 イヴと名乗る彼は、見た目は大きくて筋肉達磨で強そうだが、

 顔だけ見ると、天使のように優しい笑顔の少年だ。

 なんだか違和感がすごい。


「よかったぁ。集合場所間違えたかと思って不安だったんだぁ」


「ここで合っているはずだ。君はなんの種族かな?」


「オラはトロールだぁ。君はヴァンパイアかなぁ?」


「よくわかったな。吾輩はヴァンパイアである。イヴは身体が大きいな」


「トロールはみんなこんなもんだぁ。ヴァンパイアは始めて見たなぁ。

 日の光に弱いって聞いてたけど大丈夫かぁ?」


 なんだって!? やっぱり日の光は弱点だったの?

 皆何も言わないから問題ないのかと思ってた!


「ま、まあ、吾輩は特別だからな。そこらのヴァンパイアとは格が違うのだ」


「へぇー、オレオは凄いんだなぁ」


「それより、トロールは皆君くらいに強いのかい?」


 先程の試合で彼は目立っていたから覚えている。

 他の魔族の攻撃をものともしない防御力に、圧倒的な腕力があり、

 まるで丸めたティッシュかのように、敵をポンポン放り投げていた。


「いんや、皆力は強いんだけども、戦いはあんまり好きじゃねえんだぁ」


「そうなのか。君は好きなのか?」


「オラも本当は争いたくねんだがぁ、ほら、トロールは昔から馬鹿にされてっだろぉ?

 でも幹部になったら優遇されっからぁ、仲間たちの扱いも変わるかもしれねえと思って、オラ頑張ったんだぁ」


 うん。いい子だ。

 ちょっとウルっときたよ。


「そうか、イヴはかっこいいな。仲良くしよう」


 僕はそう言いつつ、アイテムボックスからお菓子を大量に取り出してイヴにあげた。


「へへぇ、他の種族から優しくしてもらったのは初めてだぁ。オレオは優しいんだなぁ。ありがとなぁ」


 うん。滅茶苦茶かわいい。

 美味しい美味しい言いながらボリボリとお菓子を頬張っている。


 笑顔がキュートで性格も素晴らしい。

 だんだんとこの厳つい肉体すらも可愛く思えてきてしまう。


 彼は間違いなく魔族幹部のマスコットキャラだね。

 もう決定。異論は認めない。


 イヴにお菓子やジュースを与え、食べる姿を眺めて和んでいると、

 幹部が1魔部屋に入ってきた。


「おう、邪魔すんでー」


「邪魔するなら帰ってやー」


「あいよー」


 出て行った。


「ってなんでやねん!!」


 戻ってきた。


 おお、まさか異世界でこのノリが通用するとは思わなかったよ。


「ここが集合場所じゃろ!」


「うるさいぞ。楽しいティータイムの邪魔をするでない」


「ああ‶ん? あ、オメエ控室で誰にも相手にされんかったやつじゃろ!

 ハッハ! あれは笑かしてもらったで!」


 くっ、こいつわざと無視して陰で笑ってやがったのか!

 なんて卑劣な奴なんだ!

 許せん!


「んん? 控室で何かあっただかぁ? オラ緊張してたから気付かなかっただぁ。オレオ何かあったら言ってくれよなぁ。オラでよければ相談乗るからなぁ」


 そうだよね。緊張してたんだよね。君はそうだと思ってたよ!

 やっぱりいい子だ! もうなんでも買ったげる!

 おじちゃんに任せなさい!


「なんじゃ? トロールのくせにワイの話に割り込んでええと思っとんのか? おお?」


「おい貴様。口を慎め。二度と口がきけんようにしてほしいのか?」


 イヴを馬鹿にするなら僕が相手になってやろうじゃないか。


「ハンッ! ヴァンパイアがトロールをかばうかあ。ヴァンパイア族が落ちぶれたゆう噂はほんとじゃったか!」


 こいつヴァンパイアに詳しそうだな―。

 バレたら困るし話すの面倒だな―。


「なんじゃい、なんも言い返せんのか。おもんないのーう」


「イヴ、こっちのお菓子もうまいぞ。食べてみるといい」


「ん、ありがとなぁ。オレオのお菓子はどれもうんめぇなぁ。仲間たちにも食べさせてやりてえなぁ」


「いいぞ、あとでお土産をあげよう。好きなだけ持って帰るといい」


「本当だか? そりゃみんな喜ぶどぉ。お礼に今度うちに遊びに来てくれぇ。ご馳走つくって待ってっからぁ」


「おお、そりゃ楽しみだな」


「おいこらー! 無視してんじゃねえよ!! 仕返しか? 仕返しなのか? おい!」


「やあ、オラはイブ。よろしくなぁ」


「おめえじゃねえよ! そこのヴァンパイアだよ!」


「オレオ、呼ばれてるみてえだぞぉ」


「気にしなくていい。それよりこっちのお菓子も・・」


「聞けー! ワイの話を聞かんかーい!」


「あ、イヴよ、今度はこのジュースも飲んでみるか? これは厳選した数種類の果実を・・・」


「わかった! 控室のこと謝るから! ワイが悪かった! だから無視だけはやめてくれ! つらい!!」


 ようやく無視される辛さがわかったみたいだね。

 でもまあ、許してあげないけどね。


「オレオ、何があったか知らないけどもぉ、無視はかわいそうだぁ。許してやったらどうだぁ?」


 なんていい子なの!

 もう他の幹部と魔王をボコボコにしてこの子を魔王軍トップにしてあげようかしら?


「ふむ、イヴがそう言うなら仕方ない。おい、貴様、イヴに感謝しろよ」


「へっ、誰がトロールなアババババ、いって―! てめえやりやがっアババババやめっアバババいたっアバババ痛いって言ってんアババ、やめろっアバババやめてくださいー!! ハア、ハア、ハア」


「イヴに何か言う事は?」


「す、すまんトロール。あ、ありがとよ」


「オラはイヴってんだ、よろしくなぁ」


「ああ、ワイはフラムじゃ」


「うむ、この様子ならイヴはすぐにみなと打ち解けられそうだな!」


「そ、そうかなぁ。だといいなぁ」


「いや、それはオメエが・・いや、何もないで。オメエなら大丈夫じゃろ、イヴ」


 うん、フラム氏も分かってくれたようだ。


「で、貴様は何族だ?」


「なんじゃ、この姿見てわかるじゃろ。ワイは鬼族じゃ」


「知らんな。なんか特徴はあるのか?」


「ほれみい、ここに立派な角が付いちょるじゃろ! なんなら触らせてやってもええで?」


「ん? これか?」


 ボキッ。


「な・・・」


「フム、もろいな。おもちゃか? これは」


「な、なにしてくれとんじゃボケェー!!!」


「折ってみた」


「折るなー!」


「触っていいと言ったのは貴様だろ」


「だからって折る奴があるか―! ってかそう簡単に折れるもんじゃないわアホー!!」


「でも簡単に折れたから仕方ない」


「おう、簡単に折れたなら仕方ないな。ってそんなわけあるか―!! 絶対力入れただろうが! 鉄より硬い角が簡単に折れるわけないじゃろがー!! ハア、ハア」


「騒がしいな。ほれ、特別に貴様も紅茶をのませてやろう、ここに座るとよい」


「ああ、ありがとよ。ってなんでワイだけ離れとんねん! 同じテーブルに座らせんかい!!」


 うん、なんかスッキリした顔してるし、こんな扱いされて楽しいみたいだね。

 彼とは少し距離を置いたがいいかもしれない。


 角は可哀想だから治してあげよう。

 本当に簡単に折れたんだけど信じてくれなかったみたい。


「お、おお、治った! オメエ治癒もできんのか、ヴァンパイアってすごいんじゃのう」


 ヴァンパイア族がどんなのか知らないから無視しとこう。


 まだ2魔しか会ってないから、あと6魔来るのか。

 予選でちらっと見たけど見た目はキャラが濃そうなの多かったよな―。

 さて、中身はどんな奴らか楽しみだね!



読んでいただきありがとうございます。


更新ペース遅くてすみません!


次話もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ