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91 幹部決定

 

「おっはよー!」


「おう、オレオ、朝から元気だな!」 


「フッフッフ。今日の僕はヤル気に満ち溢れているからね! あー、楽しみ!」


「お前さん、偵察に来たんだよな・・?」


 ギクッ!!


「そ、そうだよ? あー、偵察楽しみだなー ピューピュー」


「嘘下手だな。。まあ、俺は儲けさせてくれれば何でも構わねえんだがよ」


 1週間近くも一緒にいただけあり、バーズともずいぶん打ち解けた。

 朝食を食べながら他愛もない話で盛り上がる。

 できればこれからも仲良くしていきたいな。


「よし、そろそろ出発しようか!」


「おう、金の準備はばっちりだぜ!」


 バーズは今日も僕に全財産賭けるそうだ。


 魔王と話をするためにも、

 お世話になったバーズのためにも、

 調子に乗って負けないように気を付けなきゃね!


 幹部選抜本選の会場は、

 この世界全ての魔族が集まってるんじゃないかな? ってくらいの賑わいを見せていた。


「すっごい人だかりだねー」


「おう、すごい魔だかりだろ!」


 そこも魔になるんだね。。


「じゃ、そろそろ行ってくるね!」


「おう、頑張ってくれよ! 俺の生活が懸かってるんだからな!」


「はいはい、いってきまーす」


 バーズと別れ受付を済ませ、本選出場者控室に入った。


 おおー、さすが本選。

 予選に比べたらみんな強そうだ。

 けど本当に強そうなのは一部しかいないね。

 少しがっかり。


「今日はよい天気だな。楽しくなりそうだ。みなもそう思うであろう?」


 雰囲気が暗いから何か話題をつくろうと話しかけてみた。


「・・・・・・。」


 誰も返事してくれなかった。


 みんな緊張してるんだよね。

 そうだよね? そうだと言って?

 無視が一番傷つくよ?


 物音ひとつない静まり返った空間に嫌気がさしてきたころ、

 控室の扉が開いた。


「皆さんお揃いのようなので、入場の準備をお願いいたします」


 案内人に連れられ、会場入り口の前まで来た。


 会場はサッカー場に近い形だね。

 中央に試合場があり、周りを階段状の観客席が取り囲んでいる。

 ここでアイドルのコンサートでもやれば大儲けできそうだね。


「それでは、皆さんお待ちかね! 魔王軍幹部候補の入場だーー!!!」


「「「ウウォーーー!!!!」」」


 会場の実況とともに選手が入場し始める。

 観客席は猛獣の縄張り争いかってくらい大盛り上がりだ。

 人族とは迫力が違う。


 それに呼応するかのように選手たちもそれぞれ気合の入ったアピールをしながら入場している。

 中には雄たけびを上げる奴までいる。

 先程までの暗い雰囲気はどこに行ったのやら。


 ちなみに僕はヴァンパイア族についてよく知らないため、

 変装がバレないよう、何もアピールせずに入場だ。


 全員が入場し終わったところで、本選の選抜方法の説明が行われた。


 方法はいたってシンプル。

 全員まとめてルールなしのバトルロワイヤルだ。

 残り9魔になると終了。

 この9魔が幹部となるらしい。


 その後休憩を挟んで幹部同士で対決し、幹部をランク付けするそうだ。


 ってなわけで、とりあえず9魔になるまで残ればいいのだ。


「以上。ルールは理解できましたね? それでは5分後に始めたいと思います。お好きな位置でお待ちください」


 その言葉を合図に場所取りの戦いが始まった。

 みんな手は出さないが殺気をぷんぷん振りまいている。

 いいねいいね。なんか見てるだけで面白い。


 僕? 僕は誰も行きたがらずにスペースが大きく空いている中央に、

 机と椅子に日除けのパラソル、ティーセットを準備してゆったりしている。


 僕のイメージするヴァンパイアは優雅な種族だからね。

 別に小腹が空いてお菓子が食べたくなったからじゃないよ?

 本当だよ?


 周りを見渡してみると選手によって様々な準備をしている。

 選手同士で徒党を組む者や要塞を築こうとする者、瞑想する者など、いろんな選手がいる。


 そんな中、ひとりティータイムの僕は目立っているようだ。

 まあいいや。ゆったりと終わるのを待って居よう。


 正直このバトルロワイヤルにはあまり興味がない。

 だって見た目はいかついけど、あまり強くなさそうなのが多いんだよねー。

 ちなみに、戦いを楽しむために【鑑定】は封印中だ。


 強そうなやつらほどやる気がないように見える。

 僕と似たような考えなのかもしれない。

 楽しみはランク付けの戦いに取っておこう。


「時間になりましたので始めたいと思います。準備はいいですね?

 では、初め!!」


「「「ウウォー!!!!」」」


 幹部を決める戦いが始まった。

 選手たちは一部を除いてやる気満々だ。

 未来がかかっているから当たり前なんだけど、たぶん彼らは勝てないだろうなー。


 早速戦況に動きがあった。


 即席の要塞を築いていた奴が負けたのだ。

 防御力は悪くなかったかもしれないけど、外から毒か何かを放り込まれたようだ。

 泡を吹いて倒れている。

 これで1魔脱落。


 魔族ってもっと己の肉体にのみ頼った暴力的な争いをするものだと思っていたけど、

 魔法を使ったり、武器を巧みに操ったりと、案外人族と変わらないようだ。


 続々と脱落者が増えていき、残りはざっと20魔といったところかな。

 ここにきて動きがなくなってきた。

 みんな慎重になってきたみたいだ。


 え、僕?

 僕はおかわりして2杯目の紅茶を味わっているところだよ。

 ピーチのような香りのティーだ。おいしい。


 最初は僕の周りで騒いでるやつらもいたけど、

 途中で雷にでも打たれたかのように倒れて、今では静かなもんだ。


「えー、ここで選手の皆さんにお知らせです。これ以上膠着状態が続くようであれば、試合のやり直しが行われます。残り10分以内に9魔まで減るように皆さん死力を尽くして戦ってください」


 そろそろティータイムも終わりにしようと思っていたからちょうどいいね。

 僕はティーセットを片付け、誰に退場してもらうかを考える。


 お、あそこの団体が消えたらちょうど残り9魔じゃん!


 徒党組んでるくらいだからきっと幹部には向いてないだろう!

 いやでも、まとめる力があるってことは向いているのかな?


 ま、いいや。深く考えるのは面倒だ。

 彼らには悪いけど終わらせてもらおう。


 僕は彼らにゆっくりと近付いていく。


「へっ! また1魔カモがやってきたぜ! お前ら! やっちま・・グフッ」


「な、なんだ!? これは・・立ってられねえ・・」


 そうだろうそうだろう。

 僕のオリジナル。重力魔法のコントロールは完璧なのだ。

 土下座をさせるくらいちょちょいのちょいよ!


「どうした? 戦う前から命乞いかね?」


 ヴァンパイア族っぽいしゃべり方になってるかな?


「・・クッ・・てめえ何しやがった!?」


「吾輩は何もしておらぬぞ。お主らの本能が吾輩を前にして死を悟ったのであろう。ほっほっ」


 この圧倒的強者プレイ。

 なんか癖になりそうだ。


「残り5分です」


 ここでアナウンスが入る。

 ちょっと楽しくなってきたところだけど時間もないし終わらせよう。


「では、さらばだ」


 僕はそう言い残すと、羽織っているマントをはためかせつつ回れ右すると同時に、

【全魔法】で彼らをまとめて場外に吹き飛ばした。


 かっこよく決まったんじゃないかな。

 内心ニヤニヤが止まらないけどポーカーフェイスだ。

 ヴァンパイアらしくしないとね!


 ドカ! バキバキ! ドッゴーン!


 ・・少しやりすぎたかもしれない。。

 まあ、致命傷ってほどでもないだろうからいいや。


「そ、そこまで! 今残っている9魔の方々がこれから魔王軍を支えてくださる幹部に決定いたしましたー!!」


「「「ううぉー!!」」」


 会場は歓声なのか怒号なのかわからないほどの叫び声が全方位から聞こえてくる。

 ちょっと怖い。。


 こうして、魔王軍幹部9魔が決定した。

 これで目的通り魔王に会うことができそうだね。






読んでいただきありがとうございます。


次話もお楽しみに!

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