89 予選
更新遅くなってすみません!
応援メッセージも頂いたのに申し訳ないです!
けど最近忙しくて。。
魔族の領地に入った僕は、ひょんなことから仲良くなった魔族Aの勧めで
魔王軍幹部選抜試験の予選に出ることになったのだった。
「え、ここが試験場?」
「ああそうだ、立派なもんだろ? ここらで一番立派な闘技場だ!」
魔族Aは自慢げに胸を張っている。
いや、立派も何も、ボロボロなんだけど。。
言うなれば劣化版コロッセオだ。
「そ、そうだね。。」
「出場者はこちらにお願いしまーす!!」
「あ、あっちみたいだ、行ってくるね!」
「おう、応援してやるから頑張れよ!」
「ありがと!」
僕は魔族Aと離れて受付に向かう。
「どうもー、受付はここだよね?」
「はい、こちらで間違いありません。お名前は?」
「オレオです」
「えーっと・・ありました。ヴァンパイア族のオレオさんですね。では、こちらの札をお持ちになってお待ちください」
赤く色付けされた木の板を受け取る。
「はーい」
ちょっとドキドキしたけど、バレなかったってことは僕の変装は完璧みたいだ。
魔族A、よくやった!
その後僕はフラフラと散歩しつつ、いろんな魔族を眺めていた。
すると、その中に怪しい奴を見つけた。
観客席で常に周りを警戒しているのだ。
明らかに挙動不審で怪しい。
何か事件の香りがするね!
さっそく鑑定してみる。
・・なんだ、彼女か。。
上手く変装してるけど、そんな怪しい動きしてたらいつかバレるぞ?
忠告しといてやるか。
もしバレてここで騒がれたら、せっかくの僕の楽しみが中止になるかもしれない。
「やあ、久しぶり!」
「!? えっと、すまない、どこかで会ったかな?」
「え、もう忘れちゃったのかい? あんなにラブラブだったのに!」
「・・すまない、実は昔の記憶が曖昧で」
「ハハッ、冗談だよ! 僕はオルティス。ほら、この前門の近くで会ったでしょ!」
「な、なぜ貴様がここに!?」
「あはは、やっぱり君面白いね。ねえ、耳触っていい?」
「やはり変態か!」
「冗談だってば―。半分は」
「油断ならんな。。それで、何の用だ?」
「忠告さ。キョロキョロしすぎて怪しいよ。そんなんじゃバレちゃうよー?」
「・・。忠告感謝する」
「あら、意外と素直なんだね」
「貴様も偵察か?」
「いや、僕は参加者だけど?」
「・・は? どうやって参加したんだ!?」
「仲良くなった魔族の協力で」
「貴様、魔族の回し者か!? 私をどうするつもりだ!?」
「ちょっと落ち着いてよー。ほら、周りが不審がってるじゃん」
「! すまない。。」
「ちょっと場所変えようか」
僕たちは少し離れた観客席に移動する。
「さて、そろそろ詳しく話してもらおうか」
僕は魔族Aに出会ってからのことを話した。
「はあ。貴様が正直に話す気がないのはわかった」
「いや、事実を話したんだけどなあ」
「魔族がデコピンで重症になるわけないだろ。つくならもう少しましな嘘をつけ」
そこでアナウンスが入った。
「では、選手の皆さんは集合してください!」
「まあいいや、呼ばれたから行ってくるよ。僕の邪魔はしないでねー」
「その言葉、そっくりそのまま返すとしよう」
こうして、僕はオオカミ族のダリアと別れ、闘技場の中央に向かった。
中央には出場選手たちが続々と集まってきている。
筋骨隆々の野郎どもが密集しており、
一部の人、つまり、レンの男性限定ファンクラブにウケそうな画だ。
入り口の魔族に札を渡して入場する。
とりあえず端に座って居よう。
こうすることで、幹部になる夢を持って出場してみたものの、周りの強そうなやつらに気圧され、戦意喪失してしまったモブ感が出ているはず。
「おい、お前、そんなヒョロイ身体で何しに来たんだ?」
「・・・・・」
「おい、聞いてんのか?」
僕は胸倉を掴まれ、持ち上げられる。
「や、やめてください。。」
我ながら素晴らしい演技だ。
「な、なんだてめえその顔は! ニヤニヤしやがって気持ち悪いな!」
僕は顔を殴られ、そのまま地面にに叩きつけられた。
その様子を見て周りにいたやつらが騒ぎ立てる。
「ぎゃはは、見ろよあれ! ビビっちまってるぜ!」
「「ギャハハハ!」」
ほらね、完璧だ。
ここから徐々に力を示していき、
あれ、こいつ実は強いんじゃね?
ってのをやる予定なのだ。
とか考えていると。
「やめないか君たち! 弱い者いじめはよくないぞ!」
えー!?
なんか正義感強いやつきたー!
いや、そういうの困るのよ。
僕のシナリオを壊さないでくれ!
「チッ、元幹部一族のガキか。ここで手を出したら面倒なことになりやがる。お前ら、いくぞ!」
ま、待って!
置いてかないでー!
雑魚と思ったら実は強い奴だった遊びができなくなるじゃん!
「大丈夫かい?」
「くそ、邪魔するなよ」
「悪かった、だが、あのままじゃ君は大怪我してたよ、今のうちにリタイアすべきだよ」
「余計なお世話さ、僕にはやりたいことがあるんだ」
「うんうん、わかるよ。幹部になるのは魔族の夢だもんね。だけどね、一般兵士から幹部を目指す道もあるんだ。ここで大怪我して後悔するよりは、今は大人しくリタイアすることが君のためになるんだよ! さあ、わかっただろ? 僕が付いていってあげるから、リタイア宣言しに行こう!」
なんだこいつ、面倒くさい。。
なにもわかってないし、ただ弱者に優しくしてあげる自分に酔ってるやつだろこれ。。
「わかったよ」
「わかってくれたん・・アババババ」
僕は、気絶してうるさい口がやっと止まった魔族を抱えて試験官の元に運んであげる。
僕ってば優しい。
「すみません、具合が悪いみたいなので、看てあげてください」
「ああ、わざわざ運んでくれたのかい? きっと緊張で気絶でもしたんだろう。ありがとう」
こうして、邪魔な奴は排除された。
でもどうして急に気絶したんだろうね。
不思議なこともあるもんだ。
「ゴホン。えー、皆さんお集まりいただきありがとうございます。これからルールを説明します」
お、やっと始まるのかな?
「まず、この試験場から本選に進めるのは、1魔だけです!」
魔族って1魔、2魔って数えるのかな?
「そしてこの地での選抜方法はバトルロワイヤルです!
ルールは簡単。武器、暗記なんでもあり!
最後までリングの上にいた者の勝利です!」
うん、わかりやすくていいね。
「では、早速始めたいと思います! 皆さん準備はいいですね?」
「ぐへへ、いつでもいいぜー」ニヤニヤ
「へへへ、まずはあいつからですね」ニヤニヤ
僕を見てニヤニヤしてるおっさん魔族が数魔いる。
正直気持ち悪い。僕にそんな趣味はないのだ。
「ではいきます。3! 2! 1! はじめ!!!」
「「「ヒャッハー!!!!」」」
開始の合図と同時に参加者たちが雄たけびを上げる。
いいねー、お祭りって感じで楽しいね。
「やっほー!!」
僕もテンションが上がり、皆に交じって雄たけびを上げながら駆け出す。
ドンッ。
魔族が1魔、場外に吹き飛んで行く。
あ、勢い余って誰かとぶつかっちゃった。
すまない、名も知らぬ君よ。
「おーっとー! ここで優勝候補の一角。巨牛のドンファーが脱落! 相手はなんと、無名選手! ヴァンパイアのー、オレオだー! 序盤から大番狂わせ! これは面白くなってきたー!!」
有名な奴だったらしい。
失敗した。徐々に力を見せていくつもりだったのに。
「あ、兄者! あいつドンファーを倒しちまいやしたぜ!」
「な、見た目に騙されるところだったぜ弟よ。奴は後回しだ、行くぞ!」
ほらー、誰も近寄って来なくなっちゃったよー。
よし、こうなりゃ作戦変更だ。
「うう、、なんだか苦しくなってきたなー。ああ、ダメだ、苦しー!」
フフフ。どうだ、この完璧な演技。
こんな弱り切った奴がいるんだ。チャンスだぞ?
これでみんな群がってくるに違いない。
・・・・・・・。
おかしい。
うずくまった態勢で数秒待ってみても、誰も近寄って来ない。
チラッ。
周りを見てみる。
「なんだあいつ。何考えてやがるんだ?」
「あんな見え透いた嘘、怪しすぎるだろ。。」
みんな手を止めて何かをボソボソ話している。
そうか。みんなで結託するために話し合っているんだな?
いいぞいいぞ。全員でかかってくると良い。
僕はもう少しうずくまって待つことにした。
まだかなまだかなー。
・・・・。
「おっそーい!!! 何やってんだよ!!」
僕は起き上がった。
「ってあれ? 少なくない?」
よく見ると残った参加者はあと3魔。
「えー、なんで僕に来ないの・・?」
「おい、あいつ起きちまったっぜ」
「仕方ない、ここは一時協力するというのはどうだ?」
「のったぜ」
「しゃーねー、俺ものるぜ、あいつを倒すまでは協力するぞ」
あれー? よくわからないけど、僕のこと強者だと認定されちゃったみたいだね。
シナリオ通りに進まないなー。。
仕方ない、本選で楽しむか。。
「はぁ、もうつまんないから終わらせるよ」
僕はスタンガンで3魔を感電させる。
お、意外と耐えるね。
もう少し強くしようかな。
「「「アババババー」」」
3魔は弱小魔物なら殺してしまうくらいの威力の攻撃でようやく倒れた。
まあまあ強かったみたいだね。
「しょ、勝者! ヴァンパイアのオレオ!」
こうして、予選は終わったのだった。
早く更新してくれ! って人には申し訳ありませんが、
これからも更新遅くなっちゃうと思います。
しかし! なんとか完結までは頑張りたいと思っています!
それでもいいよって人は、引き続き読んでいただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。




