87 いざ魔王の下へ
更新遅くてすみません。。
ふと外を眺めると、空が明るくなり始めていた。
「あ、長居しすぎたね。じゃあそろそろ帰るよ。またそのうち様子見に来るね!」
「ああ、ありがとう。久々にこんなに楽しい時間を過ごしたよ。次は奥さんたちも紹介してくれよ?」
「うん、そのうちハヤテを他の国に連れて行ってあげるよ」
「それはいいな。せっかくの異世界なのに観光とか全然できてないんだよ。よろしく頼む!」
「じゃ、またね!」
僕は転移して’飴ちゃんハウス’に帰宅。
帰るとすぐにメイドゴーレムたちが世話してくれる。
はあー、ついつい調子に乗って朝まで話し込んじゃったな。
転生してからは前世の話ができる相手がいなかったからね。
久々に日本の話ができて楽しかったな。
気になってた漫画の続きなんかも教えてもらって大興奮。
できれば自分で読みたかったけどこればっかりは仕方ない。
さて、ちょっと仮眠したら次行きますかねー。
僕はベッドに入り眠りにつく。
数時間後。
「ふぁああ。まだ少し眠いけど頑張るかー」
僕はこれから敵情視察に出かけるのだ。
復活したらしい魔王がどれほどの脅威かを偵察するためだ。
【マップ】で確認すると魔王の位置は丸わかり。
でも残念なことに魔王のステータス鑑定はできなかった。
だがこれは予想通り。
やっぱり鑑定妨害の類のスキルを所持しているようだね。
魔王がいる場所は、聖教国のはるか北にある大山脈を超え、さらに北へと進んだ場所に位置する。
そこは魔族が占領している土地であり、人族が迂闊に踏み入ろうものなら一瞬で亡き者とされるような恐ろしい場所であり、一般人は立ち入り禁止とされている。
もし本当なら怖いね。
魔族とは、長年にわたり人族と敵対している種族である。
身体能力が人族より優れていることが多い。
個体により多少の差はあるが、極めて残忍な性格である。
時折、外見では魔族か人族か区別がつかない種族もいるが、
簡単に言うなれば人族並みに知性を持った魔物である。
見つけたら直ちに人数を集め討伐すべし。
というのが、人族領にある本を読み漁って得た情報の全てである。
どこまで本当か怪しいものだけどね。。
ちなみにゴブリンやオークは知性が乏しいため魔族ではなく魔物である。
そしてここでの人族とは人間だけでなく、
亜人と呼ばれるエルフ族やドワーフ族、獣人族も含まれる。
今でこそ人族同士、一部では交流もあるが、かつては人族同士での争いが絶えなかった。
だが魔王という共通の敵が現れたことで一致団結。
なんとかうまく協力し合っていたらしい。
しかし戦が終われば協力関係も終わる。
争いこそなくなったが、仲良く同じ土地で暮らすほどには至らなかった。
そういった理由により、人間の国に住む亜人は珍しく、それぞれの種族ごとの土地で暮らす者が多いそうだ。
ドワーフは知り合いにいるけど、まだ見ぬエルフとモフモフ達に早くお目にかかりたいものだ。
グフフ。
おっといかん。
少々話が脱線してしまった。
1人で空を飛んでるだけだと暇なのだ。
ようやく目的の大山脈が見えてきた。
思っていたよりでかい。
高度を上げなければ、ぶつかりそうだ。
でもこれ以上高度を上げると息苦しくなってくるし寒い。
ここは一度降りて谷でも探すとしよう。
【マップ】で見ると一か所いい感じの谷がある。
そこを目指そう。
【マップ】で確認した谷に着くと、そこには関所のようなものが設けられていた。
たぶん人族が建てたものだね。
邪魔だなぁ。。
僕が物陰に隠れていると、後ろから誰かが近づいてきた。
?「見張りがいるのか? 面倒だな」
「わかる。あれ邪魔だよねー」
?「ああ。迂回するのも面倒だし、気絶してもらうか?」
「それいいね、のった!」
?「よし、では・・って何者!? いつからそこに!?」
「なにを今更。君が来る前からいたよ?」
?「なんだと!? まさか聖教国の者か?」
「しーっ! 違うよ。僕は偵察に来ただけだから、君もそうなら静かにしてくれない?」
?「っ! そうかすまない。ではどこの者だ?」
「王国だよ。君は?」
?「私はビースト国だ」
「!? ビースト? 獣人族なの!?」
?「そ、そうだが・・?」
「なんでそんなに離れるのさ! ほら、そっちに行くと見張りに見つかるよ? もっとこっちにおいでよ!」
?「そ、そうなのだが。。その獲物を見つけたような目をやめてくれないか?」
よく見るとフードがふっくらと耳のような形に膨れている。
ケモ耳だ!!
触りたい・・。
だけど初対面で触るのは失礼かもしれない・・。
まずは警戒を解いてもらうところからだな。
「ちょっと耳を触りたいだけだから・・ハアハア」
(大丈夫。何もしないから、そう警戒しないで!)
?「!? 変態! 近寄るな!」
あれ? 心の声が出てしまってた。。
「ごめん今のはなし。ほんとに何もしないから。君がいいと言ってくれるまでは」
?「・・怪しいが、ここで騒ぐわけにもいかんから仕方ないか。何かするそぶりが見えたら即刻首を刎ねるからな!」
「わかったわかった。・・もしかして尻尾もある?」
?「だから触ろうとするな!!」
見張り「なんだ!? そこに誰かいるぞ!! お前ら! 確認してこい!!」
?「くっ。見つかってしまったではないか。貴様のせいだぞ!」
「いや、君が叫ぶからじゃん。。」
?「責任取って貴様が囮になれ!」
「囮だって? ひどいなー。まあいいや、見張りには大人しくしてもらおうか・・スリープ」
僕が過去の文献を基に編み出した催眠魔法「スリープ」によって見張りを全員眠らせる。
これは相手が興奮していると効き目が薄かったりするため、使いどころは見極めなければならない。
今回はうまくいってよかった。
?「何をした? あの数を一瞬で? 貴様何者だ?」
「僕はオルティス。親しい人にはオルトって呼ばれてるよ。君は?」
?「フン。貴様となれ合うつもりはない」
うーん。まあ、名前見えてるんだけどね。。
彼女はダリア。
獣人族の中のオオカミ族。
スキルなどから察するに、シーフのような職なのだろう。
オオカミ・・。触りたい・・。
「まあいいや。君も魔王復活の知らせを聞いて来たのかい?」
「そうだ。魔王軍の動きを偵察に来た。聖教国は信用ならんからな」
「うんうん、わかるよ。あいつら上層部は腐ってるみたいだからね。目的は同じみたいだし、一緒に行動しない?」
「だから貴様となれ合うつもりはないと言っているであろう!」
「残念。なら僕は先に行くよ。じゃあねー」
僕は隠密系のスキルを使用しつつ空を飛んだ。
彼女には僕が一瞬で消えたように見えたかもしれない。
「・・な!?」
ほらね。
あたふたしている様子が可愛らしい。
モフりたい・・
っといかんいかん! それをやったらセクハラだ。
そこまで落ちぶれてはいないぞ!
僕はなんとかモフ欲に打ち勝ち、先を急ぐことにした。
まずは関所を超え、魔族側の領地に向かって飛ぶ。
しばらく飛ぶと、またも大きな関所のようなものが見えてきた。
もしかしたらこれも聖教国が?
正解だった。
門番たちがいたのでスリープで眠ってもらう。
そこを超えるとようやく魔族側の土地である。
ここからまた数百キロ移動だ。さすがに飛び続けて疲れてきた。
ここからは馬車で行くか。
僕はアイテムボックスから馬車を取り出し、運転はゴーレムに任せて魔族が住む地へと向かう。
お腹がすいたから食事タイムだ。
【マップ】で周りの状況を確認しつつサンドイッチを食べる。
ふむふむ。
しばらく魔族には出会わずに済みそうだ。
魔物に関しては気にしない。
きっと御者ゴーレムが蹴散らしてくれるだろうから。
さて、魔王ってどんな奴かなー?
読んでいただきありがとうございます。
次話もお楽しみに。




