82 魔王復活
「・・・魔王が復活しました」
え? 魔王って過去に召喚された勇者が倒したんじゃなかった?
誕生じゃなくて復活ってどういう事なんだろう?
「それは確かか?」
「ハッ! 聖教国からの直接の知らせにございますので、確かな情報かと」
「そうか。。すまんがオルトよ、今日の宴はここで終わりだ。今すぐ会議をせねばならん」
「それはいいんですが、復活ってどういうことですか? 実は討伐されていなかったってことですか?」
「ああ、世間一般には勇者によって討伐されたと言われているがな、史実は違う。かつて召喚された勇者の力では倒しきれなかったのだ。そこで聖教国に古くから伝わる秘術で魔王を封印したのだよ。この事実は聖教国と、一部の国の上層部にしか知られておらん。おそらく賢王も知っておるはずだ」
マジ!?
魔王、生きてたんかい!!
復活って結構ヤバいんじゃないのかな・・?
なんか面倒そうだから関わりたくないけど。。
一応陛下に報告しとくべきかな?
「そうだったんですね。じゃあ、僕たちもいったん王国に帰りますね。部屋も用意してもらってたのにすみません」
「ああ、こちらこそすまない。また落ち着いたら来てくれ。ではうちのものに港まで…」
「あ、それは大丈夫です。転移魔法で帰るんで!」
「転移魔法!?」
「はい、ではまた来ますね! じゃあ、みんな忘れ物はない? いくよ」
シュンッ!
「な、なんだと!? 本当にかの伝説の魔法を!? ・・あ奴の力は噂以上かもしれんな・・・」
*************
コンコン
「失礼します陛下!」
「おお、いいとこに来たなオルティスよ。実は…」
「魔王ですね?」
「なんだ、もう知っておったのか」
「ええ、ジャポネの将軍と一緒にいたので」
「将軍と!? 権力者に取り入るのがうまいな。。」
「それより、どんな状況なんですか?」
「ああ、復活の話は聞いたか?」
「はい。実は討伐じゃなく封印されていた魔王が復活したとこまでは」
「そうだ。その封印が解かれると感知できる仕組みが聖教国にあったのだ。そして先ほど聖教国から連絡があった。だが、幸運なことに聖教国はこの日が来ることを予見して、新たに勇者を召喚していたそうだ。召喚後は魔王討伐のために訓練し力をつけていたそうだからな、絶望的状況ではないそうだ」
「え? 嘘でしょ? わかってたのに今まで連絡なかったんですか!?」
魔王復活がわかってたんなら報告しろよ!
他の国々がどれだけ被害受けると思ってるんだ!
聖教国はアホなのかな?
それとも聖教国だけで対処できると思ってるの?
「そうなのだ。せめて前もって教えてもらいたかったが、致し方ない」
「それで、魔王復活の報告の他には何か言ってきたんですか?」
「ああ。金銭的援助をしてほしいそうだ」
「援助? いくらですか?」
「・・白金貨1000万枚だ」
「え・・!? なんですかその横暴は! 魔王復活の予兆を秘密にしてたくせに・・。なんかムカつきますね。他国に内緒で勇者召喚してたぐらいなんだし、援助しなくてもいいんじゃないですか? そんなの聖教国だけにやらせておきましょうよ」
「気持ちはわかるが・・そうもいかんのだ。魔王は世界の脅威。人族が協力し合わねばならん。それにここで援助を断った国は魔王殲滅後の立場が危うくなるであろうな」
「やっぱり外交って面倒ですね。じゃあ、準備ができるまでに僕が聖教国と魔王軍の様子を偵察に行ってきましょうか? 勇者と魔王がどんな奴かも気になりますし」
「なんと!? それはありがたい申し出だ。頼んでもよいか? その間に王国軍の編成と援助金の準備はしておこう」
「はい。問題はうちの騎士団ですけど、今回は僕1人で行ってきます」
「まじで? 俺らは?」
「魔王の戦力も把握してないうちに騎士団のみんなを危険にさらしたくないし、僕1人の方が速く移動できるからね。だけど、一応いつでも出れるように準備しておいてほしい。場所は’滅龍の家’にしよう。いいかな?」
「わかった。オルトがいない間は俺に任せろ。これでも副団長だからな」
「ありがとうレン。頼りにしてるよ。他の団員にもよろしく言っといてね」
「いくらあんたでも魔王は強敵よ? 気をつけなさいよ?」
「オルトなら倒せそうな気もするけど、油断は大敵だからね」
「オルト君気を付けてね!」
「ありがとう。じゃあ、そろそろ…」
バン!
「オルティス様!」
「シャノン!? 来てたの?」
「はい、こちらにいらっしゃるとお聞きして急いで駆け付けましたわ! お一人で行かれるのですね? どうかお気をつけて」
ウルウルした瞳で見上げてくる。
「ありがとう。でも心配いらないよ。こんなに素敵な婚約者たちが待ってるんだ! すぐに帰ってくるよ!」
「うわーこの空気、俺だけのけ者にされるやつだ。。」
「大丈夫。ワシも仲間だ。お主にもワシの娘を紹介してやろうか?」
「・・・ありがたいですけど、俺なんかには平民の子ぐらいがちょうどいいですよ。。」
「ハハハ。そうはいかんぞ。なにせあのオルトの騎士団の副団長だからな。あ奴が功績をあげればあげるほど、お主にも貴族からのお見合いの申し込みが増えるだろうな」
「勘弁してほしいですね。。」
僕が未来の奥さんたちと語りあっている間に陛下とレンは何か話してた。
仕事の話かな?
やっぱりレンは頼りになるなー。
「じゃ、そろそろ行きますね!」
「ああ、頼んだぞ。くれぐれも無茶はするでないぞ」
「はい、行ってきまーす!」
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