81 将軍と凶報
「お疲れ様です。城に到着いたしました」
「ぷはー! お尻が痛い」
「これでも高級な馬車だろうけど、オルトのと比べるとどうしてもな。。」
僕の馬車は前世の車より快適かもしれないからね。
「では、これから謁見のための部屋へご案内いたします」
僕たちは案内されるがままに城の中に入ってゆく。
何段の階段を上っただろうか。
前世の身体だったらとっくにへばっている。
丈夫な体でよかった。
案内人が立ち止まる。
どうやら着いたみたい。
指示されるがままに扉の前に立つ。
ガラガラガラ
「上様! お客様をお連れ致しました!」
将軍と思しき人物と目が合う。
「これはこれは黒龍使い殿、ご足労いただき感謝する」
いや、だから黒龍使いじゃないんだけど。。
「お初にお目にかかります。レオナルド王国、滅龍騎士団団長、オルティス・ペンドラゴンと申します。王国では龍殺しのオルティスとも呼ばれてます」
「そうか、黒龍使いとは帝国側からの呼称だったな。失礼した。ワシがこの国の将軍である徳川竜馬だ」
徳川で竜馬?
おもしろい組み合わせだね。
「いえ、かまいませんよ。そしてこっちから副団長のレンフォード。団員のアリサ、エリナ、リーシャです」
「そうか、貴殿らが噂の騎士団か。そうかしこまらんでよいぞ。突然呼び出して悪かったな。部屋も用意した故、どうか好きなだけ泊まっていってくれ」
「ありがとうございます!」
「此度の目的は観光と聞いておるのだが、間違っておらぬか?」
「はい。ジャポネのことを知った時からずっと観光に来たいと思っていたんですよ! 先日、ようやく帝国とのいざこざも終わったので、早速この街に足を運んだ次第です! いやー、もうほんとにジャポネは期待以上に素晴らしい所で・・・」
「なあオルト、聞かれてるのはそこじゃなくね?」
レンがコソコソと耳打ちしてくる。
「え? 違うの?」
「いや、騎士団で来てるから王国からの遣いと思われてるんじゃないか?」
そっちか。
それならそうと、直接聞いてくれたらいいのに。
「あ、今回は騎士団としてではなく、友人たちとのただの旅行ですので、特に警戒されることはありませんよ?」
「いや、お前、もっと言い方ってもんがあるだろ。喧嘩売りに来たのかよ。。」
「ハッハッハ! こうもはっきり言われるとはな。帝国の次は我が国に手を出すつもりなのかと疑っておる者も多くてな。ワシが直接確かめようと思って招待したのだが、貴殿の様子では関係ないようだ。すまなかった。」
「いやいや! そんなことしませんよ! 帝国とは前皇帝が戦争を仕掛けてきたから仕方なく応戦しただけです。ジャポネと敵対だなんてとんでもない! 醤油や米が買えなくなるじゃないですか! そんな愚か者がいたら僕がお仕置きしてやりますよ!」
「ハッハッハ! 貴殿は面白いな。我が国の特産品をそこまで気に入ってくれとるのか。帰りにお土産を渡そう。
それにしても戦争の件はやはりそうだったか。前皇帝からの使者の話では王国が先に手を出したと聞いておったが、馬鹿皇帝の話であるし、あの賢王がそんなことするがずないとは思っておったのだ。これで疑問が晴れたよ」
お土産! やったね!
っていうか陛下は賢王って呼ばれてるのか。初めて知ったよ。
面白そうだし、今度賢王って呼んでみよう。
「ありがとうございます。ええ、あの馬鹿皇帝には呆れましたよ。それに比べて現皇帝はいいですよ。ここに来る途中に仲良くなっちゃいました」
「ほう。貴殿がそう言うのならば帝国との交易も増やしてみてよいかもしれんな」
「たぶん頻繁に買い物に来ると思うので、僕個人ともお願いします!」
「ハッハッハ! 王直属の騎士団団長が頻繁にか。面白い。好きな時に尋ねてきてくれ。門番にも話は通しておこう」
「ありがとうございます!」
「なんであいつは将軍様ともあっさり仲良くなってんだよ。。」
「まあ、オルト君だからね。。」
僕と将軍様が話をしている後ろでレンたちがボソボソと話している。
放置しちゃってごめん。
「ではそろそろ、将軍様もお忙しいでしょうからお暇させてもらおうと思います」
「おう、そうじゃな。長い間引き留めて悪かったな。ゆっくりしていってくれ。夜は宴を開こうと思っておるからよかったら参加してくれぬか?」
「いいんですか? ぜひ!」
こうして、その後は用意された部屋に入ってゆったりと過ごし、夜は将軍様が開いてくれた宴に参加。将軍様とはお互いに名前で呼びあう仲になった。
「オルトよ、王国が嫌になったらいつでもワシの下に来るがよい」
「え? いいんですか? さすが竜馬さん! もしそんな時が来たらよろしくお願いしますね!」
どうも僕を気に入ってくれたらしく、ジャポネに来ないかと勧誘されちゃった。
嬉しいけど今のところ王国で困ってることもないし、ジャポネにはもう転移魔法でいつでも来れるから断ったけどね。
そんなこんなで宴会場は盛り上がっていたのだが、突然の1人の訪問者によって急展開を迎えることとなった。
ドタバタドタバタ!
ガラガラガラ!
「た! 大変です上様!」
「なんだ騒がしい。今は客がいるのだ。後にせんか」
「申し訳ございません。しかしこれは今すぐご報告しなければ!」
「別に僕たちのことは気にせずどうぞー」
「すまんなオルト。して、何の報告だ?」
「それが・・・」
「なんだ、早く言わんか」
「ま、ままま・・・」
「ま、なんだ?」
「・・魔王が復活しました」
ザワザワザワ
「なんだと・・?」
読んでいただきありがとうございます。
魔王が復活!?
一体どういうことでしょう。
次話もお楽しみに!




