80 お寿司
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ジャポネの城の将軍の間にて
「なに!? あの黒龍使いが?」
「はい。当人曰く、ただの観光とのことにございます」
「王国から観光? 帝国との戦後処理がようやく終えたばかりのこの時期にか? なにか裏がありそうだな・・・。よし、ワシが直接確かめてやるか。おい、その者に使いを送れ! 城に招待するのだ」
「は! かしこまりました。すぐに手配いたします」
「さて、どんな奴か楽しみだな・・ククク」
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一方そのころのオルティス一行
「いやー、ほんと最高! 醤油も味噌も米も買えたし! これで料理のレパートリーが増えるね!」
「甘味も!?」
「うん、甘いお菓子もいっぱい作れるよ! うちに帰ったら作ってあげようか?」
「やったー!! オルト君大好き!」
エリナが僕に抱き着いてきた。
柔らかな2つのお山が僕のお腹に当たる。
グへへ。
「や、やるわねあの子・・」
「私たちも負けてられないね」
「おーい、イチャイチャしてないで次行こうぜー」
「おっと、ごめんごめん。お腹もすいてきたし、そろそろお昼ご飯にしない?」
「いいわね! どこに行くの?」
「お寿司を食べよう!」
「オスシってなんだ?」
「ジャポネでしか食べられない食べ物だよ!」
「へー、どんな料理なんだ?」
「ま、それは見てからのお楽しみってことで! こっちだからついてきて!」
「初めてのはずなのにやけに詳しいな。。」
実は観光中に地元の人にアンケートをとっていたのだ。
一番人気のお寿司屋はどこ? ってね。
寿司屋の名前さえわかれば後は【マップ】で探すだけだから簡単だ。
「着いた! ここのはず!」
カラカラカラ
ドアはスライド式だ。
「こんにちはー」
「へいらっしゃーい!!」
中に入るとそこはカウンター席とテーブル席が数席だけの小さめのお店だった。
残念ながら座敷はないらしい。
ここはもちろんカウンターでしょ!
と思ったけど5人分は席が空いていなかったため仕方なくテーブル席に。
「大将! おすすめを人数分よろしく!」
「あいよ! あんたら寿司は初めてか?」
「こっちの4人は初めてだよ」
「そうか、ならとびきりうまいの食わせてやるから待ってな!」
これは楽しみだなー。
島国だし、魚も新鮮で種類も豊富だろう。
どんな魚があるのかなー。
待つこと数分。
「ヘイお待ち! 特上握り寿司セット! うちの一番人気だ!」
これは! アジにイワシ、タイ、イカ、ハマチ、エビ、それにマグロにサーモンまであるじゃないか!
巻き寿司も美味しそうなのが数種類。
最高かよ!
まさかこっちの世界でこれが食べられるなんて!!!
感激で涙が出そうだよ!!
いっただっきまーす!
「これどう見ても生だよな!? ほんとに食えるのか? ってもう食ってるし。。」
「ん? うまいからレンも食べてみなよ!!」
「そうか・・」
レンは恐る恐るイワシを口に放り込んだ。
「・・!! うまいな! 魚って生でもいけるもんだな! それにこの醤油ってのが最高に合うぜ!」
お、寿司の良さをわかってくれたか!
喜んでもらえるとなんだかこっちまで嬉しくなるねー。
「大将! ワサビはないの?」
「お、お客さんワサビ知ってんのか、通だな! 今すりおろしてやるから待ってな!」
あったー! ダメもとで聞いてみたけどワサビもあるのか!
寿司に入ってなかったのはきっと初めて食べる人のことを考えてだろうね。
あれは苦手な人多いだろうし。
「ヘイお待ち!」
「ありがとう!」
んんー! この鼻からツーンと抜けていく感じ!
やっぱりこれが無きゃ寿司じゃないよね!
うまい!!
「それ、つけたら美味しいの?」
「うん、でも人によっては苦手かもしれないから、まずはこれくらいで試してみたら?」
リーシャにほんの少しだけワサビを乗せたスプーンを渡す。
「ありがとう。こんな感じかな?」
「そうそう。ツーンと来るから気を付けてね!」
リーシャがワサビを付けたマグロを食べる。
「・・おいしい!! この清涼感が何とも言えないね!」
「私も食べてみようかしら」
「あ! 待ってアリサ! それ付けすぎ…」
「!!??? んんんーー!! んんーー!!!」
そりゃあワサビ山盛りにしたら辛いよ。。
お水を渡す。
「ゴクゴク。ぷはー! 何よこれ。毒じゃない? まだ舌が痺れてるわ!」
「あはは! お嬢ちゃん! つけすぎだよ! ワサビは少しだけつけるのがいいんだよ!」
「なによ! それなら早く言ってよ!」
いや、リーシャに教えてたの聞いてなかったのかな・・?
その後あっという間にお寿司を食べ終わった。
少し食べたりない気もするが、腹八分目くらいがちょうどいいのだ。
満足。
「じゃあそろそろ出ようか!」
「え? 甘味は?」
「あー、このお店には無いから他のお店探そうか」
「残念。。甘いお寿司作ったら美味しそうなのに。。」
みんなお寿司を気に入ってくれてよかったと思ってたけど、甘味大好きエリナだけは物足りなかったみたいだね。
「大将ご馳走様! また来るよ!」
「おう、いつでも来な! 次は甘味も用意しといてやるよ!」
「ありがとう!」
エリナの話を聞いてたのか。
さすが商売人だな。
さて、次はどこ行こうかなー。
パカラッパカラッ。
店を出ると馬車が走ってくるのが見えた。
ビシッ!
ヒヒーン!
馬車が僕たちの目の前で止まり、着物姿のおじさんが1人おりてきた
「すみません。オルティス・ペンドラゴン様でいらっしゃいますか?」
「え? そうだけど・・」
「突然失礼いたしました。私は将軍様から遣わされたものでございまして、お城まで御招待させていただきに参りました。将軍様が是非あなた様方にお会いしたいとのことでして」
将軍が僕に?
またなんかやっちゃったかな?
みんな僕に疑惑の視線を向けてくる。
今回は本当に何もやってないと思うけどね。。
将軍に会うとか面倒だなー。断ってもいいかなー?
いや、やっぱりこの国のお偉いさんからの誘いを断る方が後々面倒そうだね。
行くことにしよう。
「わかった。お邪魔させてもらうよ。案内してもらってもいいかな?」
「ありがとうございます。では、こちらの馬車にどうぞ」
こうして、急遽将軍に会うことが決まった。
ジャポネにはこれからも頻繁に来るつもりだから、できれば平和的なお話であってほしいね。。
オルティス
「突然だけど、読者の皆がお寿司を食べたくなる呪いを掛けたよ!
呪いを解いてほしければ”やりすぎ注意? ”をブックマークしてね!」
次話もお楽しみに!




