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79 ジャポネ観光

 

「こんにちはー」


 門番に話しかける。


「始めて見る顔だな、君たち身分証はあるか?」


「あ、僕たちレオナルド王国から来たんだけど、これでいいかな?」


 僕はこんな時のために陛下が用意してくれた滅龍騎士団の証である龍の紋章が入ったプレートを見せる。


「王国から!? 王国からの客は久しぶりだな。だが、この紋章は見たことないな」


 あ、そっか。滅龍騎士団は設立したばかりだからまだこの国では知られてないのか。


「あー、帝国との戦争を終わらせた人物って言えばわかってもらえます?」


 レンが横からフォローしてくれる。


「なに!? あの噂の黒龍使い!?」


 あれ、僕はいつから黒龍使いになったのだろうか。。


「そうです、それがこいつです。オルト、あれ見せたら早いんじゃないか?」


 ああ、ブラックドラゴンを模したゴーレムのことね。

 何体くらい出そ…


「もちろん1体で十分だからな」


 おう、僕の心が読まれている。

 さすがレンだな。


 僕は少し離れた場所にドラゴンゴーレムを1体出した。


「うわああああ!!」


 門番めっちゃ驚いてる。


「これで分かってもらえたかな? 僕たちはレオナルド王国の滅龍騎士団。今日は観光に来ただけだから入れてもらえる?」


「・・・・・」


 お口ポカーン状態。


 僕はゴーレムを片付け、呼びかける。


「おーい、きいてるかなー?」


「い、い、急いで上のものに確認してまいりますので! しょ、少々お待ちいただけますか!?」


「いいよー。慌てないでいいからねー」


 あんなに慌てたら逆に遅くなっちゃうよ。

 落ち着いてほしい。



 *************


「た! 大変です!!」


「どうした?」


「王国から黒龍使いが来ました!!」


「なに!? あの噂の化け物か!」


「はい! この目で黒龍も確認しました!」


「目的は!?」


「か、観光とのことです」


「観光だと? 怪しいな・・。そこのお前! すぐに将軍様に連絡を! それとそっちのお前! 黒龍使いとやらをこっそりと見張っておけ!」


「「はい!」」


「では、俺が行って対応してこよう」



 *************



 待つことおよそ10分。

 上司っぽいやつが出てきた。


「大変お待たせいたしました! 遠路はるばるようこそおいでくださいました。どうぞお通りください! よろしければ街の案内人をお付けいたしましょうか?」


「そこまでしなくていいよ! ただの観光だから気にしないで!」


「かしこまりました。では、何か御用がございましたら、いつでもこちらにご連絡を」


「ありがとう!」


 案内人まで提案してくれるなんて優しいじゃん。

 ジャポネは素晴らしいな!


「とりあえず、城に向かって歩こうか」


 城に向かっていく道の両脇にいろんなお店が並んでいる。

 それらを見ながら城まで歩こうと思う。


「この国はずいぶん変わってるな」


「そうね、見たことない造りの建物ばかりだわ」


「お城も王宮とは全然違うね」


「クンクン。あ! あれ甘味! 甘味だよ!!」


 エリナはついに甘味処を嗅覚で発見できるほどになったか。


 1人で走って行ってしまったため、仕方なく皆エリナについていく。

 甘味を見つけたエリナは普段のおっとりした様子からは考えられないほどに俊敏だ。

 あれを戦闘時にも見せてほしいものだが。。


 店に入るとそこは菓子のお店だった。

 持ち帰りでもいいし店先でも食べられるようだ。


 前世風に言うならテラス席だろうか?

 時代劇でよく団子を食べてる席だ。


「いらっしゃい。あら、帝国の方?」


「こんにちは。王国からだよ」


「まあ、王国? 珍しいわねー。今日はどういった御用で?」


「ただの観光だよ。おすすめを5人分くれる?」


「まいどあり。じゃ、ゆっくりしてってちょうだい」


 店のおばちゃんが、お茶とあんこ入りのお饅頭を持ってきてくれた。


「「「「「いただきます!」」」」」


 うまー!!

 これぞ日本のこころ! 煎茶!


 そしてこの饅頭もうまい! 

 まずあんこの味からして帝国で食べたものの数段上だ。

 やはり本場は違う。


 お饅頭なんて何年ぶりだろうか。

 前世では普通に食べてたけど、こんなにおいしかったとは! 

 この世界に来て、食べ物のありがたみを痛感させられる。


「う、なんだこれ、薬か?」


「ちょっと苦いわね」


「ほんと、変わった味だね」


 3人ともわかってないなー。

 この味がいいんじゃないか。


「いや、このほのかな苦味がいいんだよ! お茶の香りと旨味の中にあるこの苦味がお菓子の甘さを引き立ててるんだよ! 

 この計算し尽くされたような味! きっと何十、いや、何百年も研鑽され続けてきているに違いないよ! すごいよ! こんな組み合わせがあったなんて! ジャポネすごい!!」


 さすがエリナ。

 甘味のこととなると別人かのように饒舌だ。


「ごちそうさま! じゃあそろそろ行こうか! 他の店も見て回りたいからね!」


「待って、もう一個だけ!」


「ちょっとエリナ! 食べすぎよ! 行くわよ!」


「あと一個だけだから!」


「エリナ、さっきもそう言ってたよね? さあ行くよ」


「ああ・・お菓子。。」


 なかなか店から離れたがらないエリナを、アリサとリーシャ2人がかりで引き離す。


 おかしい。

 普段は非力なエリナを、アリサとリーシャ2人が力を合わせてようやく動かせるなんて。


 甘味パワー恐るべし。。



 さて、そんな話はどうでもいいのだ。

 僕には見て回らなくてはならないお店がたくさん待っているからね!


 よし、どんどん見て回るぞー!!


読んでいただきありがとうございます。


次話もお楽しみに!

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