74 七剣
ドラゴンゴーレムたちはゆっくりと旋回しつつ帝国軍を追いかけることで、王国から離れるように誘導させている。
その様子を確認しつつ、レンに後は任せたとサムズアップして帝国に向かう。
1体のドラゴンゴーレムに帝国軍の総隊長を咥えさせて並走させている。
「た、助けてくれー! 死ぬー!」
そういえば腕を切り落としてから止血していなかった。
これでは帝国に着く前に失血死してしまうね。
「ほら、これでいいだろ」
僕は腕をくっつけてやり、回復魔法で死なない程度に回復させてやった。
「よし、とばすぞ!」
僕はスピードを上げた。
スピードを上げれば上げるほど風圧がすごいことになるため、進行方向に結界で壁をつくりうまく流してやることが速く飛ぶコツである。
「ひー!!」
帝国軍総隊長が恐怖で漏らしていた。
おいおい、やめてくれよー。
しかたない、後で洗ってあげるか。
ゴーレムを。
数分後、ようやく帝国が見えてきた。
「おい、皇帝はどこにいる?」
「・・・・・」
「おい! ・・・って、マジか。。」
気絶してた。
こんなんでよく総隊長になれたな。。
とりあえず帝国上空に到着したから【マップ】で皇帝を探してみる。
お、いたいた。
やっぱりあの中央の一番でかい建物だな。
僕は縛った総隊長を連れてその建物に降り立ち、警備員に見つからない様にこっそりと中に侵入した。
ドラゴンゴーレムは【アイテムボックス】に収納した。
「おい止まれ! 貴様何者だ! 所属は… アバババ」
扉の前で警備していた奴はスタンガンで気絶させる。
バンッ!!
扉を蹴って中に入る。
「な! 何奴! 衛兵! ひっとらえよ!!」
「はい、ただい… グハッ!」
面倒だから衛兵に向かって総隊長を投げつけた。
ここには奥に皇帝。手前に部下と思われる奴らが7人。合計8人だ。
いや、正確にはさっきまで衛兵もいたけど。気絶させたからノーカン。
「レオナルド王国、滅龍騎士団団長。オルティス・ペンドラゴンだ。見ての通り王国軍が勝利した。今すぐ戦争をやめろ」
皇帝「なに?」
A「あ、あれはフェルナンド将軍か! たしか此度の総隊長ではなかったか?」
B「なんだと? では本当に負けたというのか?」
C「いや、もし負けたとしてもこんなに早くこの場に来れるわけがねぇだろ。大方、野営時にでも不意打ちして、たまたま総隊長を捕らえたから、脅せば戦争を止められるとでも思ったんじゃねぇか?」
D「恐らくそうだろう。だが残念だったな。ここには我ら七剣がいるのだ。貴殿の策略は失敗。そしてここからは帰さん」
C「バカな奴だ。ネズミ1匹で龍の住処に飛び込んでくるとはな」
E「言ってやるなよー。かわいそうじゃん。ほら、あんなに震えちゃてるよ?」
「クッ、クク・・」プルプルプル
C「おっと、悪かったな。怖がらせちまったか。だが事実なんだ。仕方ねえ…」
「ブフー! アハハハ! ちょ、やめて! もう我慢できない! 面白すぎ!ww」
C「おいおい、こいつ恐怖のあまりいかれちまったぞ」
「ハハハ! 七剣だって! アハハ! その強キャラ感でステータスはレンより下じゃん! なのに振る舞いだけはいっちょ前に! アハハハハッ!」
ここでモノマネ。
「残念だったな。ここには我ら七剣がいるのだ。キリッ!」
かっこよくポーズを決める。
「アハハハ! ヤバい、久々にこんなに笑ったよ! はー、お腹痛いw」
(オルトの修行によりレンが強くなっているだけで、七剣のステータスは人類の中でも上位の実力者である)
D「調子に乗るなよ」
C「こいつ、舐めやがって!」
E「おいおい、そこまで言われちゃうとさすがの僕ちんも怒っちゃうよー?」
「はあー。笑いつかれた。失礼。じゃあ、そろそろ本題に入ろうか。
皇帝! 今すぐ負けを認めろ。さもなくばこの場でお前を殺す」
皇帝「無礼な奴だ。そういえば使節団として送った奴らが話しておったな。王国の滅龍騎士団には手を出すなとかなんとか。どうやって買収したかは知らんが、余にハッタリが通用すると思ったか? 愚かな奴よのう。おい、この者の首を余の前にもってきた者には褒美をくれてやる。今すぐ首を刎ねよ」
C「こいつは俺の獲物だ。お前ら手だしするなよ」
D「ここは譲ってもらおうか。我らを嘲笑ったこと、万死に値する」
E「いやいや、閣下の褒美は僕ちんのものだよ」
「全員でかかってこい。後ろの雑魚どもも一緒にいいぞ?」
A,B,F,G「ああ゛ん?」
7人が睨んでくる。
皇帝「誰でもよい、早くしろ」
「もう、ほんとだよ。慣れない口調で疲れてるんだから早くしてくれない?」
もういつもの口調でいっか。
「ほらほら、ビビってるの? へいへーい」
C「死ねっ! アババババ」
スタンガンで気絶した。
一般人なら死んでるレベルなんだけどよく耐えたね。
E「へー、面白い魔法使うね。でも、これだけ接近すればそれは使えな…グフォッ」
背後に移動してきたから後ろ向きに肘打ちをお見舞いしてやった。
せっかく背後取ったのに話しかけてくるなんて阿保なんだろうか?
ま、気付いてたけど。
皇帝「ネズミ1匹に何をやっておる。全員でかかれ」
A,B,D,F,G「ハッ!」
特に面白い展開にならなかったからスタンガンでビリビリさせて全員一緒に縛り上げた。
【全魔法】でやれば一瞬だ。
ちょっと面白い技とか見せてくれるんじゃないかと期待してたのに。。
必殺! 〇〇剣! とか、なんかないの?
まったく、お約束ってもんがわかってないな。
起きたら僕が指導(調教)してやろう。
「で、まだやる?」
「だ、誰かおらんのか! こいつを殺せー! おい! 誰か―!!」
あー、ダメだこりゃ。こいつ面白くない。殺すか。
いや、でも戦争を終わらせるためにはまだ殺すわけにはいかないね。
生かして利用しなくては。
「ほいっと」
うるさいからスタンガンで気絶させて縛る。
「いったん帰るか」
僕は皇帝と軍総隊長、七剣を連れ、転移して王国軍の場所に戻ってきた。
「ただいま!」
「おう、お疲れ。陛下ならこっちだぜ」
「ありがとレン」
レンに連れられ、捕虜たちと一緒にテントの中に入っていく。
「失礼しまーす、オルティスでーす」
「おお、待っておったぞ。今日のあれは傑作だったな。楽しませてもらった。して、そ奴らは?」
「それはよかったです。またやりすぎって怒られるかと思ってました。これが皇帝、こっちが今回の軍の総隊長、そしてこっちの7人が七剣って呼ばれてました」
「なに!? 皇帝に七剣だと!?」
「はい」
「はあー。お主とおったら寿命が縮みそうになるわ」
「で、ちょっとお願いがありまして・・」
「なんだ?」
「ちょっと耳をかしてください」
ゴニョゴニョゴニョ。
「フムフム。ほー、なるほど。いいだろう。こやつらはお主に任せよう」
「ありがとうございまーす!」
「お、おい、どこに連れて行くんだ? そいつらも捕虜なんだろ?」
「大丈夫! 七剣は僕に任せてもらえることになったから!」
「え、まじか、よく許可がもらえたな」
「まあ、まだ戦争に参加してなかったし、たぶん彼らは皇帝に仕えるっていうより、傭兵みたいにお金で雇われてるって感じだったからね。僕の下で働く気がないかをこれから確かめるんだよ!」
「なるほどな、じゃあ俺らの後輩になるかもしれねえのか。負けないようにしないとな」
「レンなら余裕だよ! ま、もしまだ強くなりたいなら、いつでも修行つけてあげるから言ってね!」
「お、おう。そうならないように頑張る」
「じゃ、滅龍の家にいるから、あとはよろしくね!」
僕は七剣と一緒に転移魔法で’滅龍の家’の修練場に転移した。
さて、どんな風に教えてあげようかなー。
ワクワク!
読んでいただきありがとうございます。
今回の登場人物は七剣(笑)でした。
次話もお楽しみに!




