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64 お披露目 前編

 


 今日は僕たち滅龍騎士団のお披露目式だ。

 式典を一目見ようと、全国から多くの国民が王都に集まっている。


 会場は王宮前の大広場。


 僕たち騎士団のメンバーは朝から王宮で待機していた。


「見ろよ、すげぇ人の数だな」


「なんだか緊張するね」


「オルトでも緊張するのね」


「なんか意外だね」


「うん、びっくり」


「ちょっと、僕をなんだと思ってるの?」


「「「「変人?」」」」


 そこは声をそろえて言うところかな…?



「君たちは仲がいいな」


 突然後ろから声を掛けられ振り向くとそこにはレオナルド王国の現国王である、

 ゼノ・レオナルドがいた。


「陛下!?」


 皆慌てて左胸に右手の拳を当てお辞儀する。これがこの国の騎士の礼だ。

 最近覚えたものだからまだぎこちない。


「よい、楽にしてくれ」


「どうしてこちらに?」


「なに、今日の主役に挨拶しておこうかと思ってな」


「そんな、わざわざありがとうございます」


「準備はできておるか?」


「はい、ばっちりですよ」


「そうかそうか。では楽しんでくるといい。今日の主役はお主らだからな」


「はい、ありがとうございます!」


「して、オルトよ。ちょっと頼みたいことがあるのだが」


 頼みたいこと。つまり騎士団への依頼という事かな?


「はい、なんでしょう」


「実は今日、帝国の使節団も招いておる。中には身分の高い者たちも来ておる」


「え? もうじき戦争が始まるのではなかったのですか?」


「そうなのだがまだ正式には宣戦布告されておらぬからな。今回は隣国の貴賓扱いだ」


「そういう事ですか。それで、お願いというのは?」


「式典の挨拶でちょっとした余興を見せてやってほしいのだ」


「余興ですか?」


「ウム、王国に手を出せばどうなるかわからせてやってほしいのだよ」


 なるほど、騎士団の実力を見せつけて、王国に戦争を仕掛けるなんて馬鹿のやることだぞと遠まわしに忠告するのか。

 パフォーマンスくらいはやってもいいけど、まずなんで戦争になってるのかな?


「そもそもどうして戦争になりそうなんですか?」


「そうだな、時間もまだあるし少し昔話をしてやろう」


 陛下は帝国と戦争に至る経緯を話してくれた。



 かつてこの世に魔王が存在したころ。

 魔王が率いる魔族の軍勢が人族の国々に攻め入ってきた。


 危機を感じた人族の国々は、帝国や王国、聖教国を筆頭に多くの国々が不戦協定を結び、団結して戦うこととした。

 しかしそれでも魔族側の猛攻に耐えきれず、少しづつ圧されていった人族側は、最後の手段として聖教国に古くから伝わる秘術、勇者召喚の儀を行った。


 召喚された勇者は凄い早さで成長し、ついに召喚から1年後。

 魔王を討ち取った。

 それにより気力を失った魔族たちは撤退。

 残る魔族は全て討ち取り、人族は戦いに勝利したのであった。


 それからしばらくは不戦協定によって人族の国々に平和が訪れ、争いもなかったという。


 しかしある時、帝国で反乱がおき、皇帝が変わった。

 それから帝国は不戦協定を一方的に破棄し、隣国に小競り合いを仕掛けるようになり、近隣の小国を吸収して成長していったそうだ。


 王国にも時々仕掛けてきていたが、今までは小競り合い程度だったそうだ。


 しかし最近になり皇帝が息子に帝位を継承したことで新しい皇帝が誕生。

 その新皇帝が自身の権威を示すため、本格的に王国に戦争を仕掛けると宣言したそうだ。



 なんて迷惑な話だ!

 そんなクソみたいな理由で僕のジャポネ行きが邪魔されていたとは!

 新皇帝め、許せぬ!!


「わかりました。お任せください。僕のジャポネ行きを邪魔する愚かな帝国の者どもに地獄を見せて差し上げましょう」


 さて、僕の邪魔をした愚か者どもにはどんな制裁を与えてやろ…


「危害を加えてはならぬぞ。今回は貴賓として招いておるからな。あくまで力があることを見せるだけにしてくれ」


「チッ。・・そうですか。残念ですが仕方ありません」


「だが今回見せつけてもなお戦争を仕掛けてくるようであれば、その時はお主の怒りをぶつけることを許可しよう」


「ありがとうございます」


 さすが陛下。わかってるねー。


 とりあえずは今回のパレードで見せつけてやろうかな。


「ということで、みんなも協力してね」ニッコリ


「「「「ひー!」」」」


「はっはっは。楽しみにしておるぞ」


 その後僕たちは5人で話し合った。

 ほぼ僕しかしゃべってないけど話し合いだ。


 さて、どうやって驚かしてやろうかなー。


 クックック。







読んでいただきありがとうございます。


さて、どんな余興になるでしょうか。


次話もお楽しみに!

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