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59 やっちまった

 


 コンコン


「いいぞ」


「失礼しまーす」


「オルティスか。どうした、なにか忘れ物か?」


「討伐終わりましたー」


「ハッハッハ! そんな冗談を言うために戻ってきたのか! まだ1時間もたってない。騙そうとするならせめて2日後ぐらいにしないと真実味がなさすぎるぞ! ハッハ!」


「いや、冗談じゃないですよ?」


「ハッハッハ! そうかそうか、なら腕輪を見せてみろ」


「あー、腕輪とかありましたね」


 僕は腕に嵌めていた腕輪を触ってみる。


 おっ、簡単に外れた。

 これでSランク級の魔物を討伐したことが証明できたな。


「ほらな。まだ外れないだ・・・な!? 外れただと? しかも壊れてもないな。。どういうことだ?」


「だから、倒したんですよー」


「いや、こんな短時間でできるわけないだろ!」


 駄目だこりゃ。

 実際に見せたが早いかな。


 ドーン。


 僕はドラゴンの生首を出した。あ、ちょっと天井突き破っちゃった。。


「ううぉ!!??」


「これで信じてもらえました?」


「な、なんだこいつは。。まさか。。」


「ブラックドラゴンです」


「ブラックドラゴン!?」


「はい。え、まさかSランクじゃなかったとか…?」


「あ、ああ、これはSランクじゃねえ。。」


「うそー!? でも腕輪外れましたよ!? 空飛んでたからSランクだと思ったのにー」


「飛んでた!? 飛んでたところを倒したのか!?」


「はい、ドラゴンだから飛ぶでしょ」


「ハア。。こいつは天災級だぞ。ドラゴンは魔物の王だと言っても過言じゃない。そしてこいつはそんなドラゴンの中でも希少種で、大昔、たった1匹で複数の国を滅ぼしたとの言い伝えがあるほどに恐ろしいやつだ。

ランクなんてつけれないが、もしつけるとすれば、SSランクとかになるだろうな。しかも飛行中となれば難易度が一気に上がるからな。SSSランクくらいか」


「え?」


「お前の父が過去に討伐したレッドドラゴンより上位と思われる存在だ。叙爵は確実だ。伯爵くらいにはなれるかもな。おめでとう」


 僕はドラゴンの頭を収納した。血の跡も綺麗に掃除する。


「よし、じゃあ、Sランク昇格試験頑張ってきます!」


 僕はヴァルツさんに敬礼し、出入り口の扉に手を掛ける。


「ちょっと待て、無かったことにしようとするな」


 肩をつかまれた。

 

 くそっ、記憶消去の魔法とかないのか?


「あのー、ヴァルツさん? 今日は何も起きていません。僕は今から昇格試験を受けます。それでいいですね?」


「だめだ。俺には国王陛下への報告の義務がある」


「・・クッ。どうしても?」


「どうしてもだ」


「口止め料払うと言っても?」


「ああ、絶対に報告する」


「・・・うわーん! お願いしますよー! 貴族になんてなりたくないんです! 僕は自由に生きたいんですー!!」


「だめだ」


「こうなったら力づくで…」


「力づくでどうする? これで俺の身に何かあれば疑われるのはお前だぞ?」


「くっ・・・殺せっ!」


「何を言ってるんだお前は。そんなに叙爵が嫌なのか?」


「嫌ですよ!! あんなのになって何が楽しいんですか! もし貴族にされそうになったら僕はこの国を出ていきますよ!」


「ハア。。わかった、そこまで言うなら国王陛下への報告の際にその点を伝えておこう」


「ほんとですか!? 絶対ですよ?」


「わかった。わかったから離れろ」


 気付けばヴァルツさんにしがみついていた。


 興奮して相手に近付きすぎる事ってあるよね。てへっ。

 

 それにしてもまたやっちゃった。

 Sランクになることに夢中で何も考えてなかった。。


 僕はなんて馬鹿なんだ。。

 もうヴァルツさんの進言力に期待するしかない。


「それにしてもまさか、ドラゴンスレイヤーの子供までドラゴンスレイヤーになるとはなぁ」


「は! その2つ名だけは嫌だー!!」


「はっはっは。楽しみにしとけ!」


「うわー!!! やっちまったー!!!!!!」



 この日王都全体に何者かの悲痛な叫びが響き渡ったという。




読んでいただきありがとうございます。


何事も限度ってありますよね。

やりすぎ注意です。


次話もお楽しみに―。

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