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58 Sランク昇格試験

 


 翌日。 

 ギルド長のヴァルツさんに言われた通り、早朝からギルドに来ていた。


 コンコン。


「いいぞ!」


「失礼しまーす」


「おお、待ってたぞオルティス! 体調はどうだ?」


「ばっちりですよ! しっかり寝てきましたから」


「肝が据わってんな! ならさっそく始めよう!

 こいつを腕に嵌めて、Sランク級に分類される魔物を討伐してもらう。

 こいつは一度嵌めると取れなくなり、討伐に成功すると外れる。

 しっかり行動が記録されるからな、もし不正をしたらこいつが壊れる仕組みだ。」


「へー、凄い腕輪ですね」


「ああ、古代の技術によってつくられてるからな! 質問はないか?」


「あ、1つだけ! Sランク級ってどんなやつがいます?」


「そうだな。単体ならワイバーンやグリフォンなんかの空を飛ぶ奴が多いな。集団での話なら、オークキングや死者の王であるノーライフキングなんかがいる。わからなければ資料室で調べるといい」


「へー、案外簡単なんですね。探すのが大変そうだけど」


「ほう、いつまで強がってられるだろうな? ハッハッハ! 期限は1か月。それまでに終わらせなければ受験資格剥奪だ。いいな?」


「余裕ですね。今日中に終わらせてきますよ」


「ハッハッハ! もし今日中に合格できたら好きなだけうまい飯おごってやるよ!」


「お、言いましたね。約束ですよ?」


「いいだろう、そんな偉業がなしえたらな!」


「やったー! 行ってきまーす!」


「ああ、死ぬなよ!」


 僕は冒険者ギルドの外に出た。


「さて、調べますか! 近くにいるといいなー」


 僕はとりあえず【マップ】で王都上空を飛んでいる魔物を検索した。

 空飛ぶ奴にSランク級魔物が多いらしいからね。 


 うーん。明らかに弱そうなのはチラホラといる。

 けど大物がいない。

 もっと範囲を広げてみるか。


 【マップ】の範囲を王都周辺にまで広げる。


 お、なんかヒットした。

 なになに? ブラックドラゴン? なんかかっこいい名前だな。

 ワイバーンがSランクならドラゴンもそうだよねきっと。


 僕はダッシュで地図に表示された場所に向かう。

 西門を出てまっすぐ行くと森につながっており、ちょうど森の中心辺りに到着。


 上を見てみると、はるか上空に何かが飛んでる。


 きっとあれがブラックドラゴンだろう。

 遠すぎて飛行機を見てる気分だ。


 見つけたのはいいけど、どうやって飛んでるやつを倒すかが問題だよなー。

 飛行魔法はまだ成功してないし。

 ・・・うーん。


 うん、やっぱり撃ち落とすしかないよね!


 僕はドラゴン目掛けて重力魔法を発動。


 お、少し高度が下がった。

 これに耐えるのか。

 鉄の塊くらいならぺっちゃんこの威力なんだけど。


 ならお次は雷魔法だ! 


 僕はドラゴンに向って雷撃を放つ。威力はマックスだ。


 バリバリバリバリバリ!!!!


 ここまでの威力だと眩しくて騒音がひどいからお手製サングラスと耳栓も装着済みだ。


「ギャオオオオオン!!!」


 すごい大声で鳴いてる。雷に打たれるよりヤバいはずなんだけど、あんまり効いてないのかな?

 あ、でもフラフラと落ちてきてる。麻痺するくらいには効いたのかな?


 そのまま徐々に高度が下がってきて、


 ズガーン!!


 多くの木々をなぎ倒しながら森に落ちた。

 ものすごい衝撃音とともに地面が揺れ、辺り一面に土埃が舞う。

 

 ゆっくり落ちてこの威力か。

 勢い付けて落ちてきたら大変だったかもしれない。。

 このドラゴンが打たれ強くてよかった。。


「ゴホッゴホッ」


 このままでは息ができないため、風魔法で煙を散らす。


「はー、死ぬかと思った。煙って危険だよね」


 誰かに語り掛けたわけじゃないよ。

 僕の独り言だよ。


 寂しいやつとか言うなよ。

 前世からの癖なんだ。しかたないだろ?

 

「ドラゴンはどうなったかなー?」


 ドラゴンに近づく。


「おお! 傷もほとんどないし、まだ生きてるな。さすがドラゴン!」


 だが落ちたダメージか、もしくは雷で痺れたせいか、動く気配はない。


「じゃ、さくっとやちゃいますか!」


 僕は魔剣グラムを抜き、ドラゴンの首に振り下ろした。


 スッ。


 予想以上に簡単に切れた。

 僕の魔法でもほぼ傷つかなかったのに。。


 まるでケーキを切ったみたいだったよ。


 魔剣グラム。なんて恐ろしい子。



「よし、これでおーわり!」


 これでSランクは確実でしょ!


 僕はブラックドラゴンの死体を【アイテムボックス】に収納し、ウキウキ気分でギルドに帰った。




読んでいただきありがとうございます。


オルティス。なんて阿保な子。


次話もお楽しみに!

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