57 ギルド本部 後編
「え? 冗談?」
「そうだ。最近の若いやつらは腰抜けが多くてな、ちょっと権力で脅されるとすぐ平謝りだ。
そんな腑抜けどもをSランクにしちまったらギルドの権威が落ちちまうからな!
がっはっは! 試して悪かったな!」
「はあ。なんだ、本気でぶっ飛ばしてやろうかと思いましたよ」
「はっはっは! 気に入ったぜ! 俺の威圧に耐える奴なんて久しぶりだ! お前、名前は?」
「オルティス・ペンドラゴン。よろしく」
「ペンドラゴン? てことはあのドラゴンスレイヤーの子供か!
なるほど。納得がいったぜ! 俺はヴァルツだ。よろしくな」
べつに父さんの子供だから強いわけじゃないが、なぜ強いのかを探られるより、勝手に納得してくれるほうが楽だからありがたい。
ありがとう父さん。
ドラゴンスレイヤーの名前は便利だね。
これからも役に立ってもらおう。
「それで、Sランクを受けるのはお前だけでいいんだな?」
「え? みんなでだけど?」
「おいおい、本気かよお前ら! Sランク試験がどんなもんか聞いてないのか?」
「え? Aランクまでとなんか違うの?」
「全然違うわ! Aランクまではソロでもパーティでも受験できたがな、Sランクはソロのみ。つまり1人づつしか受験できない」
「え? まじすか!?」
あちゃー。また大事な情報きいてなかったよー。
みんな知ってたのかな?
あ、この顔はみんな初耳だね。
大丈夫か『飴ちゃん』。。
「そんなことも知らずに来るとはな。。お前らみたいなのは初めてだよ」
「お恥ずかしい。詳しく教えてください。。」
「しょうがねーな。まず、Sランクの受験資格は得てるんだろ? ならあとは簡単だ。
ギルド本部、つまりここ王都のギルドでギルド長に許可された者だけが受験できる。
試験の詳細は決まってねえが、Sランクレベルの依頼を1人で達成できるかどうかで合否が決まる」
「1人で・・?」
「そうだ。だがもちろん、そんな危険な依頼がいつでもあるわけじゃねえ。そこでよく行われる試験が、ギルドの監視下のもと、Sランク級の魔物を1人で討伐してくるというものだ。」
「つまり、魔物を探す情報力や探索力、討伐する戦闘力など、様々なものが求められる。ってこと?」
「よくわかってるじゃねえか。魔物のおおよその位置を掴むための情報収集だけは、仲間や知人を頼ってもいい。
人脈も冒険者の力量の一つとして捉えられるからだ。
ただし! その他のことで少しでも仲間の力を借りようものならその時点で即失格だ。
ちなみに過去にこの試験を受けた9割の冒険者が死んだ。それでも受けるか?」
9割って。。
そんなに厳しいのか。
ま、僕にはチートスキルがあるから関係ないけどね。
「僕は受けるけど、みんなは?」
「俺はやめとくぜ。探索はオルトに手伝ってもらえばなんとかなるとしても、その他を1人でってのは厳しすぎる」
「私も無理ね。1人じゃ死ぬ未来しか見えないわ」
「私もやめておくよ。命を懸けてまでSランクになりたいとは思わないからね」
「私も1人はちょっと。。」
「決まりだな。オルティス、受験者はお前1人ということだな」
「そっか、仕方ないね。さくっと終わらせてくるからその間みんなで観光でもしててよ」
「「「「そうする」」」」
「お前たちはえらくあっさりとしてるな。普通はパーティメンバーが止めるんだがな」
「オルトなら余裕でしょうからね」
「オルトが死ぬなんてありえないわ」
「オルトならSランク級を複数討伐してきても不思議じゃないですよ」
「オルト君だからね。。」
「えらく信頼されているな。これは楽しみだ。では、こちらの準備もあるからな、明日の朝ギルドに来なさい。Sランク昇格試験を行う。」
これは信頼されていると思っていいのか?
それとも化け物認定されている?
いや、深くは考えないでおこう。
僕のガラスのハートが傷ついちゃうかも。
「はーい、よろしくお願いしまーす」
結局Sランク昇格試験は僕だけが受験することとなった。
ところでSランク級ってどんな魔物なんだろう?
楽しみだなー。
読んでいただきありがとうございます。
次話はオルトが1人で行動です。
また何かをやっちゃう予感がしますねー。
次話もお楽しみに!




